気づけば年越しの季節になりましたね、皆さんはどんな一年だったでしょうか?
私は数年ぶりに県外へ外出できて元の生活に戻りつつある感じがして楽しかったです。
来年はもっと外出出来るといいなぁ
ある日、男は人里で買い物をしていた。
店主の男は活気ある声で買い物をしている男に特大の魚を渡した。
「ほらよ!兄ちゃん!今日の一番いいやつを持っていきな!」
「い、いいんですか?」
「いいっていいって!いつもうちの魚を買ってくれる常連さんだからこれくらいしないとバチが当たるってもんだ」
「……ありがとうございます、ではお言葉に甘えて」
毎度あり!と笑顔で見送った店主にお辞儀をして男は店を後にした。
男はいつも通りの買い物ならば、次の店へ向かうのだが…今回は違った。
なぜなら…。
「光さーん!こちらの買い出しは終わりましたよ!」
先日、彼女として付き合う事になった女性と共にしていたのだから。
「奇遇ですね咲夜さん、さっき僕も良い魚を仕入れてきましたよ」
「こんなにいい物を貰ったんですか!?…今日はもう一品追加しようかしら…」
その場で真剣に考える咲夜に対し、光は笑っていた。
二人で追加の一品について話し合うという和やかな空気の中、向こうから平田がやってきた。
「おや?光くんと咲夜さんじゃないか」
「平田か、この前は色々と咲夜さん共々世話になったな」
「気にしないでくれ、仲間なんだから」
「仲間……ね、もう
すると平田の背後から沢山の子供達が走ってきた。
「平田先生!こんにちは!」
「先生…この前の授業…分からないところがあるから教えて欲しい…」
「先生!見てよこれ!この前綺麗な石を見つけたんだ!」
「おい!平田!あたいと勝負しろ!」
「あはは!みんな元気で良いね!……ただチルノ、僕と勝負するのは構わないけれど、呼び捨てじゃなくて先生と呼んで欲しいな」
「うぅ…分かったよ…先生」
「よろしい」
平田の周りに沢山の子供達が囲むようにして集まると様々な話題で溢れかえっていた。
平田は終始笑顔で対応し、子供達の目を輝やかさせていた。
それを見た光と咲夜はお互いに目を合わせて笑った。
しばらく経つと子供達は満足したのか次々と離れていった。
「聞くまでもなかったな」
「あぁ、お陰様でご覧の通り子供達には引っ張りだこさ」
「以前まで敵として対立しているなんて信じられないくらい、寺子屋でご活躍なさってるんですね」
「そう言っていただけるなんて、光栄です」
「お前みたいな教師が来て、慧音も暇してるんじゃねぇか?」
「そうでもないさ、教科によって変わるから相変わらず忙しいよ」
「その割には楽しそうだったぞ」
「当たり前さ、僕にとって守りたいものは
「教師の鑑ですね」
「あはは、守護者として当然の事です」
平田は恥ずかしそうに笑うと、光と咲夜は微笑んだ。
「それにしても、光くん彼女さんと二人で買い物なんてアツアツだねぇ〜」
「そりゃ好きな人だからな」
「おぉ…まさか直球で返されるとは思わなかったよ」
「…?、何か問題か?」
「はぁ〜、君は相手がどう思ってるか考えた方がいいよ」
「……あ!」
呆れる平田に対して光は咲夜の方を見ると、顔を両手で覆っていた。
両手で覆っても真っ赤なのが見て分かる。
「す、すいません咲夜さん!無神経な事を…」
「い、いえ怒ってる訳じゃないので気にしないでください!(好きな人って言われた!好きな人って言われた!!)」
「……でも好きな人というのは本当のことですからね?」
「〜〜〜ッ!分かってます!分かってますから!!」
「はいはい、イチャイチャするのは構わないけど人目が少ないところでやってね」
再度呆れ顔で注意する平田に二人は苦笑いで謝罪した。
その後そこへ一人の少年がこちらへ歩いてきた。
「平田先生!こんにちは!」
「おや?太郎くんじゃないか、こんにちは、先生に何か用事かな?」
「これ!先生に渡したくて作ったんだ!」
太郎と呼ばれた子供は無邪気な笑顔で平田に何かを渡した。
それは
どうやら太郎はお母さんと一緒に平田のために鈴を作ったようだ。
平田はそれを見て満面な笑顔で受け取り太郎の頭を撫でた。
「これを僕のために?…ありがとう!大切にするよ!」
「いつも僕達に勉強を教えてくれるからそのお礼だよ!」
「あはは!僕は当たり前のことをしてるだけだよ」
「でも平田先生が来てから凄く授業が楽しいんだ!慧音先生はなんか怖くて…」
「確かにあの人は怖いね…」
「だから先生!これからも僕達にたくさん勉強教えてね!」
「あぁ!約束だよ!」
平田は笑顔で太郎は頭をわしゃわしゃと撫でた後、お母さんの元へ帰らせた。
その後手元にあるお守りを見つめたあと大事そうに両手で包み込んだ。
「二人ともすまない、急用ができてしまった」
「お前は本当に子供が好きなんだな、俺達の事はいいからさっさと行け」
「またお会いしましょうね平田先生」
「ありがとう二人とも、それじゃ!」
平田は手を振りながらその場を後にした。
去り際に見えた横顔はとても逞しく子供達、人里を守る者としての志を持っているように感じた。
残った二人も買い出しを終えたので紅魔館へと帰路についた。
その道中二人は並んで歩いていると咲夜が持っている買い物袋を見てサッとその持ち手に手を置いた。
「咲夜さんその袋、持ちますよ」
「お気遣いありがとうございます、ですがこれくらい大丈夫です」
「いやいや…そういう訳にも行かないですよ」
「私が大丈夫だと言ってるんですから、そこまで気を使わなくて良いんですよ」
「それでもダメですよ、ほら持ちますから」
「大丈夫です!私も少しは運動しないといけませんから!」
「……咲夜さん、そこまで頑なに断るのはなにか理由があるんですか?」
「………」
なかなか承諾しない咲夜は光の言葉を聞くなり頬を赤らめながら俯くと観念したように答えた。
「……かん」
「?」
「鈍感ですよね…光さんは…」
「え?ど、鈍感という…のは?」
「もお!」
咲夜は頬を膨らませると空いている手で光の手を握ると、指を絡ませた。
それを見た光はトマトみたいに顔を赤くした。
「私が断るのは……こういう事です……それでもダメですか?」
「……いえ、すみません……察しが悪くて」
「分かればいいんですよ、では行きましょうか!」
咲夜は笑顔でそう言うと、光は「はい!」と笑顔で返事をして二人で手を繋ぎながら歩き出した。
「(咲夜さんって結構甘える人なんだな……可愛い)」
ウキウキで手を繋ぎながら歩く咲夜にやれやれと微笑む光なのだった。
幸せとはいったい何なのだろう。
好きな人と付き合うこと?自分の欲求を満たすこと?
最早…今になってはその意味が分からなくなってしまった。
なぁ…
……なんてもう君の顔を見ることすら叶わないのに何を言ってるんだろうか…。
雨天 光、幻想郷の英雄…。
果たして君はこの世界で大切な人を守り切れるのか?
この作品を投稿してから6年、ようやくふたりが付き合うところまで進めることが出来ましたし、よくここまで長続きしたなぁと思います
これも日頃応援してくださる皆さんのおかげです。
これからもよろしくお願いします。
それでは皆さん良いお年を!