東方想伝録   作:司馬懿です

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皆様あけましておめでとうございます。
2019年もよろしくお願いします。
既に年が明けてから1ヶ月が経ちましたが相変わらず暇を持て余しております。
今回は光くんと咲夜さんの2人が中心です!


第1章『紅魔館御一行と人間不信』
新しい人生


幻想入りし、初めての朝が来た。

この1日で色んな人と知り合い、自分の能力も知ることが出来た。

『想いを力に変える程度の能力』…この能力がどのくらい強くなるのか、能力開花したとはいえまだまだ俺は卵から孵化したヒヨコのような存在である、今の状態じゃ幻想郷を救うなんて夢のまた夢だろう。

そこで、紫さんに能力を完全に使いこなせるよう努力するように言われたのだが…さてこれからどうすればいいのやら、まぁスタートラインには立てただろうし目標も一応定めているわけだし、問題は無いはずなんだが…はずなんだが…

 

 

「進み方がわからねぇ…」

 

 

正直めんどくさい事は避けたかったが早速頭がパンクしそうな難問と向き合う事となった。

今まで1人でやりこなして来て、霊夢達と手合わせする時あんな事言ったけど、本当は割と自分有能なんじゃねとか思い始めたけど、幻想郷に来て自分がめちゃくちゃ能無しだと言うことを再度思い知らされたようでなんだかそんな事を考えた自分が情けなく哀れに思ってしまい大きな溜息を付いた。

 

 

「ちょっと…せっかく幻想入りしてしっかりと朝を迎えられたのに大きな溜息付いて幻想郷を救う英雄様が情けないわね…」

 

「二日酔いで死にそうな奴に言われたくねぇよ、寝てろ」

 

 

ちなみに言い忘れていたが、実は昨日というか日付が変わって今日の明け方まで騒ぎ放題で結局、アリスやレミリア達など、時間帯を見て帰った者もいれば魔理沙や紫さん、霊夢など酒大好き軍団が泥酔してそのまま博麗神社に寝泊まりした人達もいた。

俺か?俺は酒はそんなに飲まないから酔ってもなかったし、最後まで自我を保っていた。

では何故早朝に博麗神社の前で考え事をしていたのか?

察しろ。幻想入りして1日目だぞ、まだ知り合って24時間も経ってない奴らと寝泊まりするなんて自殺行為と同じだ。

(ちなみに博麗神社のそばにある木の裏で野宿したけど奇跡的に何も起きなかった。)

 

 

「うるさいわね…こんなの早く治るわよ…うぅ…頭が痛い…」

 

「ってかお前多分まだ未成年だろ?なんで酒なんて飲んでんだよ、捕まるぞ」

 

「余計なお世話よ…あんたの居た世界とは違って幻想郷は常識外れな事が当たり前なのよ、だから私みたいな若い女の子がお酒を飲んでもおかしくないって事よ…自由よ自由」

 

 

なるほど、確かにこの世界は人間ではなく吸血鬼や妖怪、魔法使いもいる訳だしその時点で常識外れだもんな、それなら霊夢みたいな未成年が飲酒しても問題ないのか…

ん?妖怪とか吸血鬼がいるならもはや人間不信じゃなくて生物不信になるのか?

…いや細かい事は気にしない方がいいな。

とりあえず昨日から決めてた事、幻想郷を回ってみようか何処から行こうかな…

 

 

「それなら私がご案内致します」

 

「うおぉ!?咲夜さんいつの間に!?」

 

 

咲夜さんの声が後ろから聞こえた瞬間俺は冷や汗をかきながら思わず距離を取った。

これが俗にいう咲夜さんの『時間を操る程度の能力』という奴なのか…無敵すぎる…!

それはさておき咲夜さんが唐突に案内すると言ってきたが、いきなり言われても困るんだが…

 

 

「お嬢様から『恐らく1番信頼度が高いのは咲夜だろうから光を案内してあげなさい』と言われましたので」

 

「あー…なるほど」

 

 

まぁ俺の能力開花とかのきっかけを作ってくれたのは咲夜さんであるし少しばかりは信頼出来るだろうな、っていうか信頼度って俺はゲームのペットかって話だわ。

 

 

「…分かりました咲夜さんにお任せします。」

 

「ありがとうございます。では早速行きましょう」

 

 

凛とした声の咲夜さんが前に出ると俺はその後ろに着くようにして博麗神社を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・

 

 

博麗神社から始まり、アリスや魔理沙が住んでいる魔法の森、妖怪の山や人里、その外れにある『命蓮寺』という寺など、時間はかかったが俺の世界では『病院』の部類に入る『永遠亭』も見て回った。

博麗神社以外にも守矢神社というもう一つの神社があるとは思わなかった。

まぁ宴会で守矢神社に住んでる人から教えて貰ってはいたから驚いたわけではなかった。

正直1番驚いたのはまさか冥界に行けるとは思わなかったんだ。

紫さんが途中乱入してきて、『私が案内したいとっておきの場所がある』と言われてなんだとは思ったがまさか冥界だったとは驚いた。

そこには宴会で見たが改めて美人な冥界の主とその従者とも会ってきた。

 

 

「如何でしたか?」

 

「正直幻想郷って結界で覆われていると聞かされていたからかなり領土が制限されているのかと思ったけど案外広くて驚く事ばかりでした。時間をかけて損はなかったです。」

 

「それは良かったです」

 

 

朝から案内されたのに帰ってみれば既に月が綺麗にこの世界を照らしていた。

視界の先には咲夜さん達が住む紅魔館が月の光でより1層不気味さを醸し出していた。

レミリアとかの吸血鬼にとって夜は活動時間だから紅魔館の屋根の上とかにいたら結構かっこいいよな(笑)

まぁそんな話はともかく咲夜さんもそろそろ夕飯を作る時間だろうしあまり時間を取らせるのも悪いだろうしここらで俺はご退場致しますか。

 

 

「それじゃあ今日はありがとうございました。咲夜さんもこの後お仕事もあるでしょうし俺はこれで」

 

「あっ、待ってください光さん」

 

 

その場を立ち去ろうとした俺に咲夜さんは即座に俺を呼び止めた。

 

 

「…どうかしたんですか?」

 

「実はもう一つ光さんにお伝えする事がありまして…もしよろしければこれからこちらの紅魔館に住むというのはいかがでしょうか?」

 

「……は?」

 

「あ、でも既に住んでいるのであれば無理はさせません、もしまだご就寝なされる場所がなければの話ですので」

 

 

こりゃ驚いた。

まさか出会って二日しか経っていない人から突然自分の住処である場所を俺と共同生活しようという提案か。

これもまたレミリアからの提案なのだろう。

まぁこの際だし気になっていたことでも聞いてみるか

 

 

「…1つ聞きたいことがあります…それは咲夜さんの意思なのか?」

 

「いえ…お嬢様からのご提案ですが…」

 

「はぁ…なるほど」

 

 

俺は思わず呆れて溜息をしてしまった。

どうやら咲夜さんはレミリアにかなり飼い慣らされているのだろう。

いや…言い方が悪いな、従者としてそれ相応の忠誠を誓っているのだろう。

自分の意思というのは無いのかこの人は…

もうめんどくさいし白黒はっきりさせてもらうか。

 

 

「いいですか?咲夜さん、俺はレミリアの意思を聞きに来たわけじゃないんです、今ここにいる貴女の意見が聞きたい、レミリアだからみんなも同じ意見という訳では無いですよね?誰かしら俺に不満はあるはずだ、例えばフランやパチュリー、美鈴だって、全員の意見を聞いたか?レミリアだけの判断で物事進めていたら何時かどこかでみんなの関係が崩れる事だってある、俺みたいな外の世界に捨てられたゴミのような存在を相手にするなら尚更だ。もし俺が咲夜さんの立場だったらまっぴらごめんだ、咲夜さんどうなんですか?」

 

「私は……」

 

 

俺のまた説教じみた言葉の嵐に咲夜さんは少し考えた。

そして出た答えは…

 

 

「分かりました私個人の意見を述べます。()()()()()()()何故なら私は貴方のような他人や自分すら信じず、孤独を好んでは弱音を吐くようなお方をお嬢様が主として立つ紅魔館に住まわせるなんて正気を疑うレベルです。」

 

「では何故俺の能力開花に関してあんなに必死になっていたのですか?」

 

「あれは貴方に早く幻想郷を救っていただくためにしただけの事です。お嬢様を守るため、私は何でもします。幻想郷を救ったあと貴方を殺せと命令されても」

 

 

これで本性が分かった。

正直咲夜さんを幻想郷の中で1番信頼していたつもりだったが、結果的にはこれだ。

やはり俺は幻想郷を救った後は使い捨てる雑巾のように切り捨てられるのだろう。

早期発見ってやつだな…

あーあ、楽しんで損した。

 

 

「そうですか、ありがとうございます。それではお望み通り俺はこの場から去ることにします。貴女様のお嬢様には謝罪のお言葉を伝えておいてください…それでは」

 

「ですが、そんな貴方が今この世界で変わろうとするのであれば私は大歓迎です。これは私個人の()()()()お嬢様の為ではありません」

 

 

俺は再び立ち去ろうとした瞬間だった。

咲夜さんの言葉に体が固まってしまった。

いや思考停止と言うべきか。

 

 

「あ、ちなみに紅魔館の皆様は私含め満場一致で賛成でしたので、もう紅魔館は光さんの家ですよ?それとお嬢様の為ならば何でもするというのはあくまでお嬢様にそれだけ忠誠を誓っている為であって、本当に何でもする訳ではありませんからね?」

 

「え、えぇ…」

 

 

左眉毛がピクピク動いてるのがわかるほど困惑してしまった…これってもう逃れようのない状況って事だよな…?

 

 

「ふふっ…光さんって意外と表情に出る人なんですね」

 

「いやいや、そりゃ咲夜さんにあんだけ言われたあとに手のひら返されたら誰だって困りますよ…」

 

「こうでもしないとまた貴方は拒否反応するじゃないですか」

 

「逆手に取ったのかよ…」

 

「それでどうなされますか?今度は光さんの意思を聞かせてください。」

 

「はぁ…」

 

 

正直まだ咲夜さんでも信じきった訳では無い、これからまた何をされるかたまったもんじゃない、さっきの言葉だって本当はレミリアを安心させたいだけの言葉のあやかもしれない…

だけど…俺は…

 

 

「…分かりましたこれからはこの幻想郷に住む人として新しい人生を送ることにします…今日からお世話になります。」

 

「よろしくお願いしますね光さん」

 

 

あぁ…折れてやったよ折れちまったよそしてこの笑顔だよ咲夜さんの作り笑顔じゃないって言うのが分かるほどの自然的な笑顔だよ…もはや外の世界に捨てられたようなもんだしここは正直に第2の人生を歩むことにするか…

その後俺は咲夜さんに連れられて、紅魔館入口の前で紅魔館御一行に出迎えられた。

努力するのであれば…か…

 

頑張るか

 

 

 




咲夜さんの計算高い部分を上手くまとめて光くんをある意味陥れましたねw
1度相手を落ち込ませてから折らせる戦法なかなか強いですよね
さて、また今年は忙しいシーズンとなってきますが、皆様も体調管理はしっかりしましょうそれではごきげんよう。
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