今回は普通に日常編ですので戦闘回ではありません。
何か違和感があれば教えてください。
ではどうぞ
冷たい風が身体に触れるたびに暖かいものが恋しくなるこの季節、いよいよ幻想郷にも雪が降り始めた。
人里に買出しに通る道にも雪が積もり、雪の上を歩く足音が俺の耳を撫でていた。
今日はレミリアがいつも寝起きの際に飲んでいる紅茶の葉を切らしてしまったため、咲夜さんが俺に食事の材料のついでに買ってきて欲しいと頼んできた。
実は咲夜さんって意外と抜けてる部分があって凄いびっくりした。
紅茶の葉も今日の朝に切らしていた事に気づいていて、昨日の朝も使ってたのに気付かないのかよっと突っ込みたいレベル、俺が幻想郷に来る前もかなり凄かったらしく、アリスに自分の心配をするよう指摘された時、自分の持っている服が3着しか無いことを心配するなど『いや心配するのそこ!?』みたいな速攻ツッコミ入れるくらいのレベルだった。
疲れてるから思考が定まらないと言われれば咲夜さんも人間だからそれが理由ならば仕方ないだろうと思うが、咲夜さんに聞いてみると『今までこの館の家事全般をこなしていましたが、疲労とかそんなのは感じませんでしたよ?』と答えていた。
レミリアを心配させないための強がりかと思ったが、レミリアからも前々から咲夜さんに『働きすぎよ!』と何度も言っていたらしい、それでもなお平然と家事をこなしているところ本当に人間なのかと疑うレベルだった。
後に話を聞くと紅魔館のメイドになってから1度も疲労で倒れたり、顔色が悪くなったりする事が無かったらしい、実際今も目の下にクマが無いし、むしろ俺の方がクマがあるレベルでこの人本当にすげぇと正直思った。
その反面めちゃくちゃ抜けてる人なんだなと思った。
まぁそんなこんなで目的の人里まで到着した。
冬&雪というのもあって皆厚着をして商売をしていた。
俺自身も紺のコートを着てグレーのマフラーを首に巻いて来ている。
正直服とかどうするんだろうと幻想郷に来た時は思ったが、紫が住んでいた外の世界から引っ張り出してくれたお陰で今では快適に暮らせている。
「おや?光じゃないか、こんな真冬に買い出しか?」
「…慧音か、まぁな」
人里に足を運ぶと、青のメッシュが入った銀髪に頭には頂に赤いリボンをつけ、六面体と三角錐の間に板を挟んだような形の青い帽子を乗せていて、 衣服は胸元が大きく開き、上下が一体になっている青い服に袖は短く、襟は半円をいくつか組み合わせ、胸元に赤いリボンをつけ、下半身のスカート部分には幾重にも重なった白のレースがついている女性に声をかけられた。
名は
「これから幻想郷を救う英雄になろうとしている人が紅魔館の手伝いか…感心するな」
「まぁ…一応住ませてもらってる身だからな、これくらいの事しねぇと申し訳なくなる」
「お前は優しいんだな、初めて会った時は人間不信でなかなか心を開いてくれなかったが、ひと月過ぎれば慣れてくるものだろう?」
「…別に優しくなんかねぇよ、慣れてきたといえばそうかもしれないが、まだ俺は誰にも心を開いた覚えはねぇからな」
「はいはい、そういう事にしておくよ、じゃ私も宿題を忘れたチルノにお仕置きしないといけないし、光も寒い中長く立たせていたら凍え死んじゃうだろうし私はここら辺で」
「今日も先生はお忙しいようで何よりだ、頑張れよ」
「君もな」
そうして俺達は別れた。
俺はいつも通り紅茶の葉が売っている店に足を運び、一月分の紅茶の葉を購入した。
・・・・・・・・・・・・
「ふぅ…それにしても今日は寒いなぁ…」
買い出しを終えて帰路を辿っていた俺はかなり冷え込んだ中俺は巻いているマフラーを更に鼻下まで上げた。
本当に寒い、紅魔館も暖炉を炊いて暖まっているだろう、考えるにパチュリー辺りは本を読みながら暖炉に当たっているだろうから柄になるレベルの光景が見れるだろうな。
早く俺も紅魔館に帰って暖炉に当たるとするか。
俺はそう思い歩く速度を上げようとしたその時。
「見つけましたよ!光さん!」
実に今、というか今後一生会いたくないと思っていた奴の声が聞こえてしまった。
しかも俺の名前をはっきりと言いやがって。
「…文…またお前かよ…」
「宴会の時は上手く避けられましたが今は1対1!今なら貴方の体の隅から隅まで取材できるという事です!」
こいつの名前は
服装は黒いフリルの付いたミニスカートと白いフォーマルな半袖シャツ、赤い靴は底が天狗の下駄のように高くなっている。
鴉天狗でもあるため、背中には黒い翼が生えている。
宴会の時に遭遇してしまい、なんでも自分が出版している
あの時はほかの奴らもいて、うまく回避出来たが、まさかまた遭遇、しかも1対1で対面するとは最悪だ。
質問に答えるだけでいいとは言うが、本当にそれだけで済まされるのだろうか、俺はまだこいつがどんな新聞を出しているのか分からない、だからこそ俺はこいつにベラベラと自分の本性を話す気は無い、というか一生無い。
話して全部新聞に書かれて周りに悪い印象を持たれるくらいなら死んだ方がマシだ。
「悪いが俺はお前に教えるほどのネタは持ち合わせていないのでね」
「絶対嘘ですね!私の勘が言ってるんです!貴方には沢山のネタがあると!」
「しつこいなお前…何度ネタなんて無いと言えばいいんだ。」
「貴方の本性を言うまで何度も聞きますよ!」
「これだから鳥頭は…」
「誰が鳥頭ですって!?」
「その言っても学ばない頭の持ち主であるお前のことを言ってるんだよ、これで何回目だよ」
「学ぶも何も幻想郷入りした時点でネタがありまくりです!何も無ければこんな所に来るはずがありません!お願いです!たった一つの質問に答えるだけで良いんです!」
「はぁ…まったく…分かったよ質問に答えるよ」
「おぉ…!ついに幻想郷を救う英雄のお話が聞けるんですね!それじゃーーーー」
「その前に条件がある」
「?……条件ですか?」
「これから俺が話すことは決して、
「えぇ!?それじゃあ意味が無いじゃないですかぁ!」
「なら俺はお前の質問に答える必要は無いなとっとと帰った帰った。」
「うぅ…!どうしても話さないというなら…!」
そう言うと文は近づいてきて俺に抱きついた。
「ちょっ…!?お前何してんだ!?」
「何をするも何も、今から私のこの素晴らしいボディで貴方をメロメロにさせるんですよ!」
「だーれが鳥頭にメロメロするか!良いからさっさと離れろ!」
「嫌ですね!貴方が取材に答えるまで私はどんな手段を使ってでも諦めませんからね!」
俺はなんとか文を離そうと必死にもがくが、相手は妖怪だ。
力の差ではこっちが圧倒的に不利である。
しかも雪の中もがけばもがくほど疲労も溜まってくる。
俺が諦めるまでには時間の問題だろう。
これはもう、詰んだんじゃないのか?そう思った瞬間。
突然文に抱きつかれていた感覚がなくなり開放感に包まれた。
「光さんの帰りが遅いと思ったら…こういう事でしたか…」
「さ、咲夜さん」
そこには伸びた文を横に胸元を隠した冬用のメイド服に赤いマフラーを巻いている咲夜さんが呆れた表情で立っていた。
恐らく俺達が騒いでいるのを咲夜さんが嗅ぎつけたのだろう。
同じ人間なのに一瞬にして妖怪KOにしてる咲夜さんぱないっす…。
「またこの人に絡まれていたんですね…探しに行って正解でした。」
「すいません寒い中、手間をかけてしまって」
「大丈夫ですよ、それに…」
「それに?」
すると咲夜さんは頬を赤らめてこう言った。
「紅茶の葉が無くなっていたことに気付かなかった私の責任ですから…」
そう言い終えたあと咲夜さんは俯いてしまった。
なんだそれ、抜けてるのか真面目なのか本当に訳の分からない人だな、それに買い出しのついでだし別に気にする必要も無いし、あくまで俺は住ませてもらってる身だ、手伝いくらいしなければそれこそ常識がない人だ。
それなのにこの人は…ほんと…不思議な人だ。
そう思った俺は思わず笑ってしまった。
「……あっはははははは」
「ひ、光さん!?どうしたんですかいきなり笑い出して!?」
「いや…咲夜さんは本当に真面目なんだなーって思いまして」
「そ、そうでしょうか?」
「はい、本当に…でも大丈夫です。俺は咲夜さんのその気持ちだけで十分ですから」
「っ!?」
俺はそう答えたその時咲夜さんの顔が驚いた顔になりその後すぐに視線を逸らした。
「さ、咲夜さん?どうしましたか?」
「い、いえなんでもありません!そろそろ紅魔館に戻りませんか?」
「あ…そうですね…」
こうして俺と咲夜さんは紅魔館に戻った。
さっきの驚いた後に視線を逸らしたのは何だったのだろうか…
何かまた俺は咲夜さんを不快にさせるようなことをしたのだろうか…
理由がわかり次第謝ることにしよう。