ベルリンの猫は壁ドンをするのか?   作:青霧咲野

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筆者です。
最近庭にビオトープを造ったのですが、そこにPSVitaを落としてしまい愕然としてます。
どうやら咲野さんもひどい目にあったそうです。


波乱の係決め

 ここは潮風が香る海沿いの小さな町、時雨市。本当に2年生になったのかな…とふと疑問に思ってしまうくらい平和な平日の朝。少女は今日も「ふぇっくしょん!」とくしゃみをしています。

どうも、青霧咲野です。

昨日、始業式があったということが夢だったんではないか、そしてまだ実は春休みは終わっていないのではないかという展開を妄想しながら制服に袖を通しているところです。

それにしても現実味が無いんですよね。二年生ですよ、二年生。

10月には修学旅行、そして来年にはもう受験が迫っています。受験…うっ、頭が…。

 

 

 今日は昨日に引き続き午前中授業、そのほとんどの割合をHRが占めるという非常に楽な時間割です。でもまあ明日からは7時間授業なので楽なのは今日までなんですけどね。

一応時間確認して…あ、急がないと。

 

「咲野ぉ~、早くしないと時間無いよぉ~!」

 

はいはい分かってます。分かってますよ。で、今日の朝ご飯はなんですか?

 

 

 所変わって時雨高校2年3組。学校に来たのですが、遠宮姉妹の姿が見えません。

今朝、いつものように玄関前で待ってくれているものだと思って『呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン!!』って言いながら家から飛び出たのですが、いなくて…。たまたま家の前を掃除していたお向かいのおばさんにかわいそうな子を見る目で見られました。嗚呼、赤面赤面。

もしかして先に登校しているかもと思って来てみたのですがこのような次第で。

一年中元気なあの姉妹に限って病欠はないと思うのですが、万が一ということもあるかも。まあ、多分寝坊でしょうけどね。事故とかに巻き込まれてたりしてないと良いんですが…。

 あ、先生来ちゃいました。

 

「みなさんおはようございま~す。ではまず、あいさつから~。起立。」

 

起立。

 

「礼。」

 

ぺこり。

 

「おはようございま~す。」

「「「「「「おはようございま~す!」」」」」

「今日は良い天気ですね~。新年度2日目、頑張っていきましょう!今日は昨日も連絡したように1時間目のHRにクラスの係決めを行います。みなさんちゃんとやりたい係決めて来ましたか~?

そういえば昨日宿題を忘れていた遠宮銀子さん、金子さん。ちゃんと持ってきました…か…?あれ、まだ登校してないんですか?連絡は来てないんですけど…。」

 

おっ、噂をすれば影ですね。廊下の方からバタバタバタと大きな足音が聞こえてきました。

ガラッ!!

 

「「遅れてすみません!!!」」

 

予想した通り遠宮姉妹でした。肩で息をしています。さて、言い訳を聞こうじゃないか。

 

「はあはあ、ちょっと通りすがりの半魚人に『あのぉ…うみってどこですかぁ…?』って道を尋ねられまして…。」

 

 …。は?半魚人?そんなあり得ない言い訳が通じると思ってるんですか。

ここがアニメや漫画の世界なら分からないことも無いんですが、

今日日この現代社会で半魚人なんて非科学的なものが実在するなんて誰も信じませんよ!?

ほら、先生も眉間にしわを寄せています。先生、またしわが増えますよ~。

まあ、気持ちは分かりますけど。

てか、半魚人って喋るんだ…。

 

「目が血走ってたんで急がないとと思って慌てて携帯のマップで調べて見せたら、

『あのぉ…ちずがよめないんですけどぉ…。』って言われて…。」

「しょうがないので港まで連れて行ってたんです。」

「一生懸命学校まで走ったんですけど、金子が遅くて。」

「それは、靴が脱げかけてたから!

お姉ちゃん、何度も待ってって言ったのになんで待ってくれないの!!」

 

あらら、痴話喧嘩が始まってしまいましたね。

 

「それは風の音で聞こえなかったからって何度も言ったでしょ!

そもそも金子が走ろうって言ったんじゃない!!なんで言う前に履き直さなかったのよ!?」

「言った後にちゃんと履こうと思ってたら、

すぐにお姉ちゃんがぜんしょくりょくで走り出したから!!」

 

 ふふっ、噛みましたね。可愛いです。

ってそんなことを言っている場合ですか。

こうなったら軽く1時間は止まらないので何とかして止めないと。

そうこうしているうちに先生が、

 

「遠宮銀子さん、金子さん。早く着席してくださいね。あと、放課後職員室に来てください。」

「あ、はい…。すみませんでした…。」

「ごめんなさい…。」

 

 うわ、凄い圧力を先生から感じます。まるで歴戦の剣豪のような…。身に纏ったオーラが変わったというかなんというか…。

私の拙い文章ではそれがちゃんと伝わらないのが大変歯がゆいです。

あの騒々しい喧嘩を一瞬で黙らせてしまったことからご想像ください。

今後、反感を買われないようにしたいですね。

 

{IMG33467}

 

 HR後の休み時間。

 

「まったく。嘘つくにしてももうちょっとましな嘘を…。なんですか、半魚人って。」

「本当だって!いたんだよ、半魚人が!!」

「変質者がマーメイドガン〇ムのコスプレでもしてたんじゃないんですか?」

「そんなんじゃないって!なんだか魚臭かったし…。ねえ、お姉ちゃん?」

「うん、あの魚臭さは異常だった!あれは並の魚では出せない魚臭さよ!

そう、魚臭、魚臭er、魚臭estだった!」

 

なんて発音してるんですか銀子さん。どうやって日記に書こうか迷いましたよ。

そんなに魚臭かったんですか。

それはそうとして係決めの話に移りましょう。

 

 うちのクラスは31名。

人数の振り分けとしては学級委員長、副委員長がそれぞれ1名づつ。

美化委員・風紀委員・図書委員・保険委員の4つの委員がそれぞれ2名づつ。

それ以外の人は色々ある(いちいち書くのが面倒臭かったんです、許してください。)

クラス係がそれぞれ3名づつという感じです。

個人的には、クラス係になりたいですね~。3人一緒のほうが居心地良いですし。おすし。

この生き物係とかどうでしょう。珍しいですよね、高校で生き物係って。

なんでも『生き物と触れ合うことで情操教育を云々』らしいです。

 

「その意味わからない半魚人?のことは置いといて、二人ともやりたい係とか決めましたか?」

「あ、その話なんだけど、昨日の夜金子と話し合ったんだけど生き物係がいいかなって。」

「おお、偶然ですね!私もそう考えてたんですよ!」

「咲野!」

「咲野ちゃん!!」

 

感動して二人が勢いよく飛びついてきました。くんかくんか。ふへへ…いい匂い…。

ぬっ、何やつ?何やら殺気を感じました。あれは私の兄や遠宮姉妹のお兄さんのクラスの方向…。

そうです。二人にはお兄さんがいるんです。名前は遠宮寿(ことぶき)さん。

なんか怖いんですよね、あの人。

たまに自分の妹たちに向ける目が獣の目みたいなんです。

巷ではロリコンっていう噂もあったり…。

二人の貞操は私が守ります!!

 

 

 そして1時間目。順調に係決めは進み、生き物係の順番がやってきました。

HRが始まる前に金子ちゃんが

 

「どうせ生き物係なんて地味だから他に立候補者なんているわけないわよ!」

 

とか言ってたのが少し気がかりですが、案ずるよりも生むがやすしです。きよし。

何はともあれ手を挙げましょう!

 

「…(唖然)。」

 

私たち以外にクラスメイトの女の子(名前忘れたのでここでは仮にモブ子さんとします)

が手を挙げていました。

見事にフラグ回収してくれやがりましたね、金子ちゃん。怒るでしかし。

ということで、じゃんけんで決めることになりました。

ですが、こんなこともあろうかと3人でグーを出すように示し合わせているのです。

この作戦完璧なり!!

 

 筆者注:みなさん、この言葉をよく覚えといてください。

     みなさんの想像通りのことが今かr(何者かによって中断させられている…) 

 

「…(唖然)。」2度目(笑)

 

モブ子さんがパーを出してしまいました。

そしてその瞬間、私たちの「三人で生き物係になろう計画」が終わりを告げたのです…。

結局、意気消沈した私は遠坂姉妹とのじゃんけんに一発で負けました。

そして、余っていた図書委員に配属されました。

早速一日目から、放課後図書室に集合だそうです。厄日だわ…。

 

 

 時は過ぎ、長い長い授業が終わりました。

何で始業式の次の日から授業あるんですか、頭おかしいんじゃないですか?

まあ、兎にも角にも終礼です。

 諸連絡が終わり、あとはもう挨拶だけというところで白露先生が一言。

 

「朝礼でも言いましたが遠宮金子さん、銀子さんはあとで職員室に来てくださいね~。」

「はい…。」

「分かりました…。」

 

二人とも顔面蒼白になってました。すっかり忘れてたんですね…。

ブルブルと震えてましたよ。ええ、それはブルブルと。

 

 掃除も終わり、さてそろそろ図書室に行こうかという時に一人の女の子が

 

「よー、青霧さん?やんな?」

 

と、話しかけてきました。確か今日同じ図書委員になった…すいません、名前忘れました。

今年度から同じクラスになった子なのでまだ名前覚えてなくて。

変わった名前だったっていうのはかろうじて覚えてるんですが。

 

「はい、そうですけど。」

「おー、良かったー!で、あたしの名前覚えてる?」

 

げ。

 

「すみません…。」

「ああ、気にせんでいいよー。あたしは霜凪信長。よろしくなー!」

「…島崎?」

「そこは織田ちゃうん?島崎って出てったってことはアニメとか知ってるん?」

「あ、はい。それなりには。アニメ化した作品のゲームとかもしますし。」

「じゃあ、青霧さんってあの例のアプリやってる?」

「咲野って呼び捨てでいいですよ。ええ、もちろんやってますよ、例のアプリ。」

「あれ全然星5出えへんやんなー。あたし始めて1年やけどまだ1体しか持ってないんよ。

 おのれ潮河~。」

「私もう5体くらい持ってますよ。あ、フレンドになりません?」

「そうしよかー、これIDやからまた登録よろしくなー。」

「分かりました、ノッブさん。」

「ノッブて…。まあ、よろしくな咲野っち!」

「はい、こちらこそ!」

 

珍しいですよね、女子で信長って。

聞いたところによればたくましい子に育つようにって意味らしいです。

 

 

 30分後、図書委員が終わり、私は干からびていました。

今年度1回目の議題は2年生の中から図書委員長を決めるということでした。

立候補者が出なかったのでじゃんけんで決めることになったのですが。

また…また見事にやってしまいましたよ。ちくせう。

 

「まーまー、こんな日もたまにはあるわー。」

 

とノッブさんは元気づけてくれたのですが、

いくら干物に水をかけても生には戻らないのと同じように私のメンタルは治りませんでした。

ノッブさんと別れて遠宮姉妹が待っているはずの職員室前に行くと

二つの干物が壁にもたれかかっていました。

 

こうして三つの干物は何も言わず帰路についたのでした。

 




 前回、咲野さんはその一日にあったことをすべて書いていましたが
どうやら面倒になったみたいです。
多分次の話もこのような感じだと思いますのでよろしくおねがいします。
 あと、文章中に不適切な記入がありましたことをお詫びします。
本当に申し訳ございませんでした。

筆者「これで満足ですか、咲野さん。」
咲野「うむ、よきにはからえ。」

まったく咲野様にはかないませんよ。
では、次の話でお会いしましょう!のしのし。
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