捻くれた少年とツンデレな少女   作:ローリング・ビートル

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In A Sentimental Mood #3

 色んなドタバタあったものの無事開催されることになった体育祭。生徒会長の城廻先輩にイベントを盛り上げてくれるよう、奉仕部に依頼があり、文化祭で色々あった相模……だっけ?を体育祭実行委員に担ぎ上げ、などといったイベント本編前に体力と精神力を消費するようなイベントが発生しながらも、時間は勝手に進むもので早くも当日。

 城廻先輩の挨拶を聞き、ほんわかした気分に浸っていると、視界の端グラウンドのフェンスの向こう、父兄や誰かの友達っぽい人の群れの中に……

 

「……真姫?」

 

 思わず小さく呟いてしまった。眼鏡に帽子と変装っぽい感じは出しているが、あまり誤魔化せていない。乱太郎の父親の変わり身の術よりちょっとマシなくらいだ。

 前日に電話はしたが、来ると言ってなかったし、小泉達と会うと言っていたような……まあ、あれか。来ると言ってないが来ないとも言ってないからな。じゃあしょうがない。

 

「なあ、あっちの方にめっちゃ可愛い子いねえ?」

「あ、俺もさっきから思ってたんだよ!」

 

 ほら、何人か反応してるし……とりあえずアイツらは呪っておこう……うふふふふふ。

 もう一度向こう側に目をやると、彼女は俺に気づいていないようで、まだキョロキョロと視線を動かしていた。俺のサイレントスキルが発動しまったのだろうか?

 そんなアホな事を考えているうちに開会式が終わり、委員会の最後の仕事も本格的にスタートした。 

 

 ********

 

「ねえ、比企谷先輩はどこにゃ〜?」

「ちょっと待ってて。八幡、影薄いから。まあ、多分あれだけど」

「あはは……何だかんだ言って探し当てちゃうんだ」

「さっすがにゃ〜」

「うるさいわね、見慣れてるだけよ」

「「…………」」

「……何よ」

「な、何でもないよ」

「何でもないにゃ〜」

 

 そんなやりとりをしていると、いつの間にか全校生徒はそれぞれのテントへと向かっていた。

 ……実行委員はおそらく……。

 少し離れた場所にあるテントに目を向けると……あれは間違えなく八幡だ。隣に座っている女子と何やら話しているようだ。多分同じ実行委員の人だろう。いや、奉仕部の人かも。確か奉仕部に依頼があったとか言ってたわね。ふぅん……。

 

「真姫ちゃん?なんか怒ってる?」

「別に。砂埃が目に入っただけよ」

 

 八幡にはどんな仕事してたか、後でゆっくり聞いてみたくなった。

 

 ********

 

「っ……!」

 

 何だ?急に寒気がしたんだが……風邪ひいたか?

 誰かに睨まれていたような……いや、自意識過剰か。

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