捻くれた少年とツンデレな少女   作:ローリング・ビートル

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In A Sentimental Mood #6

「結婚式のイベントに参加?」

「ええ。それで、日曜日だから良かったら来ない?小町も一緒に」

「了解」

 

 μ'sも単独でそういうイベントに呼ばれるようになったか、なんて柄にもなくしみじみと温かな気持ちになる。最初から見てきたからだろうか。面倒な古参にならないように注意したいところだ。

 

「それでステージ衣装で一人だけウエディングドレスを着ることになったんだけど……」

「……着るのか?」

「私じゃないわよ。凛が着るの」

「そっか」

 

 何だろう、この見たかったというか何というか……うん。

 

「どうかした?」

「いや、別に」

「まあいいわ。凛に決まったのはいいんだけどね。その……本人があまり乗り気じゃないというか……自分はこういうのは似合わないって言ってるの」

「…………」

 

 そんなことはないと思うんだが、星空の性格を考えると、そういう反応をするのもあり得るような気がする。付き合いはまだ浅いかもしれないが、スクールアイドルを始める前に葛藤があったことからもなんとなく想像はつく。

 

「まだイベントまでは少し時間があるな」

「そう。だから花陽に任せることもできるんだけど」

「お前はどうしたいんだ?……多分、だが星空に前向きな気持ちで衣装着てイベント出てほしいんじゃないのか?」

「……意外な質問ね」

「何を言うと思ったんだよ……いや、まああれだ。俺も……前より自分の気持ちに素直になったら、いや、まあ自分の欲望には前から素直なつもりだったんだが……ここ最近は特に自分の気持ちに従って動いたらこれまでになかった事が起こって……結構毎日楽しいからな。こういうのは押しつけになるかもしれんが……」

「ううん、そんなことはないと思うわ。凛だって心の何処かではやってみたいと思ってるって花陽も言ってたから。それに、一緒にスクールアイドルやってて思うのよ。μ'sで一番女の子らしいのは凛なんじゃないかなって」

「……じゃあそれを伝えればいい、と思う。多分星空は喜んでくれるんじゃないか?」

「八幡……ありがと。そうね。ちゃんと凛に言うわ。話聞いてくれてありがとう。いいライブにするから」

「ああ。応援してる」

 

 つい彼女のドレス姿を想像してしまったのは仕方ないことだと思う。

 

 ********

 

 イベント当日、少し早めに会場に到着し、チケットを見せて関係者用の通路に案内されると、小町がはしゃぎだした。

 

「なんか関係者専用って芸能人みたいじゃん!」

「ああ、そうだな」

 

 とりあえず頷きながら廊下をそのまままっすぐ歩いていると、向こう側から、派手な紅いドレスに身を包んだ女性がいそいそと歩いてきた。いや、あれは……

 

「……真姫?」

「は、八幡、小町……」

 

 真姫が何故かドレスに身を包み、焦った表情を見せていた。

 

 

 

 

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