「…………」
八幡、一体どうしたのかしら?いつも暗い感じはするけど、そういうのとは違った暗さというか、いつもより何か考え込んでる気がする。
そして、それは奉仕部の依頼が関係しているんだろうと思う。
私の頭の中には以前の文化祭の事が頭に浮かんでいた。
八幡の学校生活にあれこれ口を出す権利はないし、そのつもりもない。でも……悩んでるなら相談の一つくらいしなさいよ。私だってそのくらいできるんだから。
「真姫ちゃん?」
「どうかしたにゃ?もうそろそろ電車来ちゃうにゃ」
「……ごめん。先行ってて」
「えっ?」
「あ〜、真姫ちゃんったらそんなに比企谷先輩と一緒にいたいにゃ〜?」
「……そうかも」
「ご、ごめんにゃ〜!って、あれ?真姫ちゃん?」
「とにかく。後で合流するから先行ってて」
「……わかった。後でね。ほら、凛ちゃん行くよ」
「にゃ?う、うん……真姫ちゃん、様子がおかしいにゃ」
「そう、かな?きっと、もっと前からだよ」
話しながら遠ざかっていく花陽に手をひらひら振り、私は八幡が遠ざかっていった方へと足を向けた。
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……なんて勢いで来ちゃったけど、よくよく考えたら八幡は班の人達と一緒にいるのよね。
私は八幡と同じ制服を着た人達から少し離れた場所を観光客に混じって歩いていた。さっき感情まかせに動いた自分が少し恥ずかしい。後悔とかそういうのはないけれど。
八幡は奉仕部のメンバーと思われる女子二人と並んで歩きながら、たまに言葉を交わしている。
真ん中を歩いている女子は両手に食べ物を抱えて美味しそうに頬張っている。あんなに食べて旅館でご飯食べれるのかしら?
それを右端にいる長い黒髪が特徴的な女子に指摘され、少し口をつけた肉まんを八幡に渡していた……が、それに気づいたのか、ちぎって渡し直した。
……一瞬胸がざわついたじゃない。
八幡はそれを受け取り、頬張ると、さらに追加で食べさせられていた。
……結構楽しそうじゃない。嬉しそうじゃない。ふーん。まあ、同じ部活の仲間だもんね。私も花陽と凛と話すし……いや、どんだけくだらない張り合い方してんのよ、私は。
とりあえず見てたらお腹空いてきたわね。こっちも何か食べようかしら。
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しばらくついて様子を見ていると、八幡……というか奉仕部の依頼の内容がわかってきた。
少し前を歩くチャラい男子と眼鏡をかけた真面目そうな女子の仲を取り持つ為だろう。いかにも八幡の苦手そうな分野だ。
「あれ、西木野さん?」
すると、いきなり背後から声をかけられた。