捻くれた少年とツンデレな少女   作:ローリング・ビートル

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When I Fall In Love #5

 

 奉仕部のお団子ヘアの女子がそわそわと黒髪の女子に声をかけていた。八幡は、やることが胸のうちで既に決まっているのか、真っすぐに前を見据えていた。

 ……八幡、何をするつもりなの?

 何故かは知らないが、完全に部外者であるはずの私の方がそわそわしてきている。

 さっき頭に浮かんだ映像のせいだ。

 それを振り払うこともできずに固唾を飲んで見守っていると、八幡がチャラい男子に何か声をかけ、再びさっきの立ち位置に戻った。

 

「ヒキタニくんって結構いいやつじゃん」

「っ、ちげえよバカ!」

 

 微かに聞こえるやりとりからして、何か励ましの言葉でもかけたのだと思う。あまり八幡らしくはないけれど……。

 そうこうしているうちに、別の方角から、眼鏡の女子がやってきた。

 何だろう……直感でしかないけど、上手くいきそうな気がしない。

 タイプが違うとかではなく、単純に彼女にその気がなさそうに見えた。

 二人の距離がある程度縮まると、場の空気がさらに静まり返った気がした。

 

「あの、海老名さん……俺……!」

「…………」

 

 その瞬間、八幡が駆け出した。

 私の頭の中で彼が何をしようとしてるかがすぐに思い浮かんでしまう。

 すると、私も駆け出していた。

 え?何をしてるの?私は……?

 もちろん、大した距離はないので、すぐに八幡の前に到着してしまう。

 周囲の視線が自分に集まり、演奏会とは全然違う種類の緊張感で胸が圧迫されるようだ。

 ちなみに八幡は……「え?何?何でお前ここにいんの?」と言いたげな目をこちらに向けている。でしょうね、私もそう思う。

 ちなみに立ち位置でいうと、私は眼鏡の女子と並んでいる状態で、男子2・女子2で向かい合っている。

 突然の乱入者(私)によって、皆どうすればいいのかわからないのか、視線をそわそわとさせているし、この空気を作った責任は取らなければならない。

 

「あ、あの……」

「……真姫」

「え?」

 

 予想に反して八幡が喋り始めたので驚いていると、今度は眼鏡の女子が口を開いた。

 

「なになに?今から告白タイムとか?私は今はそういうのはいいかなあ、と思ってるけど。あれ、戸部っちの用件は?」

「え?え?あー、っべーわ。忘れたわー」

「あはは、何それ。じゃ、帰ろっか」

 

 眼鏡の女子はちらりとこちらに視線をよこしてから、チャラい男子と並んでその場を後にした。

 

「…………」

「…………」

 

 自然と八幡と向き合うことになるが、何を言えばいいのかわからない。いや、まず言うべきことがあったわ。

 

「……ごめん」

「いや、いい。それより、少し歩かないか?」

「え?」

 

 意外な提案に、私はさっきと同じ反応で返した。

 

 

 

 

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