「まったくも~、改まって言うから何だと思ったじゃん!」
「いや、まさかね。そんな皆気づいてると思わないじゃん?」
「いや、さすがにそれは無理があるよ、八幡。僕だって二人の間で何かあったなって思ったくらいだもん」
「あはは……確かに」
「真姫ちゃんわかりやすいから、何かあったってすぐわかるにゃ~、にゃあ!?なんで凛だけにゃあ~!?」
凛の頬をつねりながら、真姫は呆れた笑いを見せた。
「気づいたなら言ってくれればよかったのに……」
ちなみに材木座は後ろの方で「え、何の話?これ夢の中なんじゃね?」とか何とか呟いている。おい、キャラ崩壊しかけてんぞ。いや、素が出てきていると言ったほうが正しいか。
「あの……どっちから告白したんですか?」
まさかの小泉からの質問に、俺は自然に真姫と目を合わせた。
その目からは「あんた言いなさいよ」と言いたげだった。まあ、そうなるよな。
「まあ、あれだ……その、どっちからとも取れるような感じだ。悪いがこれ以上は言えん」
「わぁ、何か二人だけの世界って感じで素敵です……」
「どっちも素直じゃないからかにゃ~?」
「「…………」」
まさかの星空の発言に頬が熱くなるのを感じる。恐らく……いや、絶対に間違いないだろう。何故このタイミングで鋭いのだろうか?星空のくせに。
「まあ、何はともあれ二人がうまくいってよかったよ。おめでとう、お兄ちゃん、真姫さん」
「……おう」
「あ、ありがとう」
小町の屈託のない笑顔にこちらも口元が緩んでしまう。こんな笑顔が見れたなら、うじうじ悩まずにさっさと言えばよかったと心から思う。
秋風が俺達の間を緩やかに通り抜け、また新しい空気を連れてくるような予感を残していった。
「ねぇ、もうキスとかしたの?」
「「は?」」
綺麗に締めれたと思ったら、小町が衝撃的な発言をした。
無視しようかと思ったが、自然と反応してしまったし、真姫は小町に驚愕の視線を向けているし、戸塚・小泉・星空もあわあわしていた。材木座に至っては耳を塞いでいる。まあいいか。
「す、するわけないじゃない!!そういうのは二十歳を過ぎてからよ!!」
いきなりの真姫の反応に何故か気が遠くなるような思いがした。
だがそんなのは知らないとばかりに真姫が続ける。
「ていうか、パパくらい素敵な男性になってからよ!!」
「「「「…………」」」」
耳を塞いでいる材木座以外の目がこちらを向いた。
その目には『がんばれよ』という応援のメッセージが込められているような気がした。