「えっ、あの八幡が生徒会役員!?あの八幡が!?」
「驚きすぎだろ……いや、まあそうなるよな」
真姫が大事なことだから二回言いましたと言わんばかりに俺の名前を繰り返す。『あの』付きで。ここまで驚いてくれるならまあ、生徒会になった甲斐もあるというものだ。もちろんそこが目的でなったわけではないが。
「まあ、あれだ。成り行きというか……奉仕部の依頼の延長線でな」
「ふぅん、いいんじゃない?多分いつもと違った解決策でも練ったんでしょ」
「…………」
鋭すぎやしませんかねぇ。
俺はその言葉にはあえて答えずに、話を変えることにした。
「まあ、生徒会としての活動があってもギター弾く時間は減らすつもりはないから心配すんな。俺はサボる時は意地でもサボる」
「どんな決意表明よ。まあ、八幡らしいといえばらしいけど」
「そこはすんなり認めるのかよ……」
「まあ、普段の発言のせいね。最近は専業主夫になりたいとかあまり言わなくなったけど」
「いや、今は胸に秘めているだけだ」
「ロマンティックな言い方してんじゃないわよ」
真姫はにべもなく言った。信じているかぎり夢は終わらないって言葉を知らないのかよ。いや、口にしたら「お前らしくない」みたいな事言われるだけだが。
「つーか、そっちはラブライブの方、どうなんだ?そろそろ最終結果発表の時期だろ?」
「こっちはただ最後まで全力でやりきるだけよ」
「何つーか、お前らしいな」
「もちろん八幡とのライブもね」
「え、何?またいつの間にかライブの予定決まったの?」
「残念ながらまだよ。まあ、そのうちママから連絡あると思うから楽しみにしておいて」
「りょ、了解……」
これはしっかりと練習しておかないといけない。何なら新しい曲も人前でやってみたいからな。
ふとそこで自分の心境の変化に気づく。
まさか、ずっと同じ曲やってたいじゃなく、新しい曲やりたいとか、俺もすっかり音楽に毒されてしまったようだ。方向性こそ違うが、材木座の事を笑えなくなってんな。
「……にしても、生徒会は八幡以外女子なんだ。ふぅーん、ま、いいけど」
「な、なんだ?まさか、変な誤解してないか」
「別にー。特に気にしてないわよ」
「いや、めっちゃ気にしてんじゃん。てか、その初めて見るテンション怖すぎるんですけど」
「ねえ、八幡?」
「な、何でしょうか?」
「私の事どう思ってる?」
「はい?」
「私の事どう思ってる?」
「…………」
この後三十分の間、何度か「好き」と言わされた。