捻くれた少年とツンデレな少女   作:ローリング・ビートル

133 / 141
Watermelon Man #2

 やけに濃い時間が過ぎ去り、窓の外から聞こえてくる音にも気を配れるようになると、俺と真姫はさっきみたいに肩を寄せ合っていた。

 ……ていうか、顔見れないんですけど!照れくさいというか何というか……てか、っべーわ。語彙力消し飛んで戸部るわー。

 唇に焼き付いた感触を確かめるように口元に手を当てると、さっきまであんなに激しく貪りあっていたのに、また欲しくなっている自分に気づいた。

 やばい、自分でも止められん……。

 

「真姫……」

「待って。これ以上しちゃったら……帰りたくなくなるから……ごめん」

「……わかった」

 

 そんな風に言われてしまっては我慢するしかない。

 ……落ち着け、八幡。過去の黒歴史を思い出して気持ちを落ち着けるんだ。 

 

「何ていうか、その……すごく幸せな気分よ。ありがとう」

「ああ、こちらこそ」

 

 まだ浮遊感みたいなものが体に残ったまま真姫を見つめると、彼女は小さく笑った。

 

「ふふっ、何だかん自分が自分じゃないみたい」

「同じ事思ってた」

「ねえ、ワガママ言って申し訳ないんだけど、やっぱり、その……させてあげてもいいわよ」

「…………」

「な、何よ、なんか文句あるの?」

 

 もちろん文句などあるわけないし、何なら望むところまである。

 俺は真姫の次の言葉ごと塞ぐように唇を重ねた。

 今日はこれで最後なんだと考えたら名残惜しくて、焼き付けるように息が苦しくなるまでそうしていた。

 唇を離すと、どちらも息が荒くなっていた。

 

「はぁ……はぁ……な、長すぎよ」

「はぁ……はぁ……悪い、嫌だったか?」

「……全然。私こんなに……」

「?」

「い、言わせようとしないでよ!こんなにアンタの事が好きってだけよ!」

「っ……!」

 

 そこまで真正面からはっきり好きと伝えられると、もうむずかゆさとかを通り越して、何だか涙腺が緩みそうになる。危ねえ、メンタル鍛えられてなかったら、泣いてたかもしれない。

 それを悟られないように俺は真姫を包み込むように抱きしめた。

 

「……ずるいわね」

「何が?」

「私は好きって真正面から言ったのに」

「すまん」

「謝らなくていい」

 

 真姫はそう言いながらも拗ねた声音だった。確かにこのタイミングで照れているのは我ながら訳が分からない。

 俺は真姫から体を離し、その瞳を真っすぐに見据えた。

 

「……俺も、お前が好きだ。こんな感じが初めてで、うまく言葉にできないのがもどかしいんだが……」

「それだけ聞ければ満足よ。だって八幡だもの」

「なんだ、それ。無駄に説得力あんな」

 

 結局二人して引き寄せ合うように、もう一度唇を重ねた。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。