「ねえねえ、真姫ちゃん!どんな人?どんな人なの!?」
「真姫ちゃんの彼氏だもん。きっと素敵な人に決まってるよ〜」
「そ、そんな、高校生の身分で……破廉恥です!」
「いや、高校生でそのぐらい普通にあるでしょ」
「真姫ちゃん、大人になったんやね〜」
「まあ、真姫くらい魅力的なら声をかけてくる人がいても不思議ではないかもね」
「…………」
2・3年生グループからの質問攻めに、私は自分でもどんな表情をしているのかわからないままあたふたしていた。まさかこんなタイミングで知られてしまうなんて……別に隠す気はなかったけど、自分から進んで言おうとも思っていなかった。こうなるのは目に見えていたから……ああ、もう!
「真姫ちゃんったら照れてるにゃ〜……っ痛いにゃ〜!!」
「あはは……」
とりあえず事の元凶の凛の両頬をつねり上げながら、どうしたものかと言葉をあれこれ考えてみる。花陽は近くで苦笑いしていた。
……まあ、ここは正直に言った方が話が早そうね。
「まあ、そうね。いるわ。まだ付き合い始めたばかりだけど」
「……わぁ、本当なんだ」
ことりが呆気にとられたような表情をしている。私がすぐに認めたのが意外だったのかもしれない。
「え、どこの学校の人!?一番近い共学のとこ!?」
「もしかしてどっかの御曹司!?」
穂乃果とにこちゃんがぐいっと顔を近づけてくる。近い、近いって。
「写真とかはないのですか?」
「…………あ」
よくよく考えてみたら、八幡と一緒に写真を撮っていなかったわね。今度ツーショットを撮ってもらわなきゃ。
「今度撮ってくるわ。写真撮るタイミングなかったから。あとこの辺の高校じゃないわよ。千葉の総武高校ってとこ」
「えっ、千葉!?どうやって出会うの!?」
「どうやってって……ただの偶然よ。出かけた先で出会っただけっていうか……」
「ふふっ、ロマンティックね。ん?もしかしたら私もあの時出会った素敵な目の男の子と……」
「エリチ?」
何やら挙動が怪しくなった絵里を宥めた希は花陽と凛を見た。
「花陽ちゃんと凛ちゃんは会ったことあるんやろ?」
「あ、はい」
「もっちろんにゃ!比企谷先輩は目つき悪くてテンション低いけど、なんだかんだ優しいにゃ!」
「目つき悪い?」
「どんな人なんだろ?」
「不良なんですか?」
「そんなんじゃないけど……まあ」
「でも、奉仕部って部活に強制的に入れられてるにゃ!」
皆の目が「え、やっぱり不良なの?」と言いたげだ。
とりあえず凛の頬は後でもう一度つねっておこう。