捻くれた少年とツンデレな少女   作:ローリング・ビートル

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Watermelon Man #6

 クリスマスまでの期間、お互いに忙しくて会う時間はなかった。というか、お互いそういう発想もなかった。

 電話はしていたが、あまり時間も取れず、生まれて初めて感じるタイプの寂しさみたいなものを感じながら、イベント前日を迎えた。

 今はイベントの会場である地域交流センターにて、テーブルを並べ、当日使う物の最終確認をしようとしている。

 ……もちろん目の前の事もしっかりやらなきゃいけないが、やっぱり色々気になってしまう。心配というか、何というか……。

 いや、違うな。これは建前で、本当は俺が会いたいだけなのだ。そして、安心したい。

 何だ、これ……もう心底惚れてんじゃねえか。

 

「ヒッキー、どうかしたの?」

「ん?いや、ちょっとぼーっとしてただけだ」

「そっか。うーん……今日はもう上がっていいんじゃない?」

「いや、さすがにそういうわけには……」

「だってイベント決まってからずっと遅くまで頑張ってたじゃん。だから、ね?」

「…………」

 

 由比ヶ浜の言葉の裏に見え隠れする意図に気づきながらも、俺はどうしたものかと動けずにいた。

 すると、由比ヶ浜の隣にいる雪ノ下が笑みを見せた。

 

「由比ヶ浜さんの言うとおりよ。疲れをためたまま本番を迎えるのは効率的じゃないわ」

「まさかお前にそれを言われるとはな」

「自分が通った道だから説得力があるんじゃないかしら」

「……確かに。じゃあ悪い、先に上がるわ」

「うん、お疲れ〜」

「お疲れ様。明日は遅刻しないようにね」

「ああ」

 

 俺は二人に心の中で頭を下げて、その場を後にした。

 

 ********

 

「ふぅ……」

 

 本番前日の確認も終え、明日への緊張がだいぶ高まってきた。

 明日は穂乃果達が学校説明会があるので、事前のリハーサル時間をあまり取れない。

 だからこそ今日中にしっかり仕上げておく必要があるので、一回一回の集中力がいつもより遥かに凄まじいものがあった。

 それとギリギリまで作曲が長引いたのもあって、さすがに今日はくたびれた。

 色々考えながら歩いていると、周りの風景が自宅の近くに変わっている。

 ……八幡も明日、イベント当日ね。大丈夫かしら。

 いえ、自分が会いたいだけなのにこんな事考えても仕方ないわね。

 まさか自分がここまで誰かを好きになっちゃうなんて……。

 明日はお互いに直接見れないのは残念だけど、その分届くようなパフォーマンスをしたい。

 

「……八幡も頑張って」

「……わかった」

「え?」

 

 ぽつりと零れた独り言に対して、突然聞き覚えのある声が聞こえてきたので、俯きがちだった顔を上げた。

 すると、そこには八幡がいた。

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