捻くれた少年とツンデレな少女   作:ローリング・ビートル

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Watermelon Man #10

 俺達は秋葉原から少し移動した。

 せっかくのクリスマスということでいつもとは違う景色に囲まれたかったのかもしれない。

 とりあえずお互いの行きたい場所に行くということで、まずは真姫が提案した美術館へと向かった。

 当たり前だが中は人が多いながらも、静謐な空気は保たれていて、さっきまでの外の賑わいが嘘みたいだ。

 常設の展示以外にも期間限定のものがあり、意外と見ていて、飽きがこないのと、結構時間が過ぎた。

 

「……こういうとこあんま来ないけど、案外見応えあるな」

「そう?じゃあよかったわ」

「そっちはよく行くのか?」

「よくって程じゃないけど、たまに一人で行くわよ。作曲に行き詰まったときとか」

「前も似たようなこと言ってたな。まあ、俺も最近校内のベストプレイス増えたもんな。昼休みの生徒会室とか」

「それと一緒にしないで。ていうか一緒にお昼ご飯食べる相手くらいいるじゃないの。戸塚さんとか材木座さんとか、生徒会のメンバーとか」

「ああ、まあ、あれだ。やっぱボッチの習慣みたいなのが染み付いて離れないんだよ。年季が入りすぎてるからな」

「なるほど……ていうか、私達何で絵画を前に八幡のベストプレイスの話をしてるのよ」

「……確かに」

 

 二人して苦笑して、そのまま歩き始める。何なら一日遅れのクリスマスデートに話す話題ではない。我ながら残念すぎる。

 

「そういえば小町から聞いたんだけど。イベントの会場で寝落ちしてたって」

「ぐっ……まあ、あれだ。結果発表見たらホッとして眠気が来たんだよ」

「何ていうかその……誰も気づかなかったのかしらね」

「…………」

 

 それに関しては言葉もない。ステルスヒッキー発動してたとか問題じゃない気がしてきた。え、何?俺嫌われてる?

 

「八幡らしいっていえばらしいけど」

「どんならしさだよ……いや、まあいいんだけどさ」

「でも、安心していいわよ。今日はそんなことにはならないから」

「そりゃあな」

 

 イタズラっぽい笑みを見せる真姫に、ついこちらも口角が上がってしまう。まさかこいつがこんな冗談を言うとは……うん、可愛い。何が可愛いかってちょっと照れながら言ってるのが可愛い。いや、マジで。っべーわ。やばすぎて語彙力戸部るわー。

 

「……そんな淡々とリアクションされたらなんか恥ずかしくなるんだけど」

「あ、ああ、悪い……なんか可愛かったから、つい……」

「っ!?い、いきなり何言ってんのよ!」

 

 うっかり自分の本音を口に出してしまったことに頭を抱えたい気持ちになりながら、肩をバシバシ叩いてくる真姫を宥める。くっ、これがクリスマスの破壊力か、もう過ぎてるけど。

 

「ちっ、ボッチのくせに!!!」

 

 おい、久々に出てきやがったな……いや、いいんだけどさ。

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