捻くれた少年とツンデレな少女   作:ローリング・ビートル

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My One And Only Love

 あれこれと絵画を観たりしたわけだが、会話内容の方が記憶にのこっているという変わった芸術鑑賞になってしまった。おまけに変な奴に遭遇したし……いつか絶対に正体暴いてやるからな。

 隣を歩く真姫は満足そうな表情を見せている。

 

「今日までの展示もあったから来れてよかったわ」

「そっか。ならよかったわ。それに、俺もこういうとこに行くことあんまないしな」

「じゃあ、よかったわ。今度は別の美術館も行きましょ」

「ル、ルーブル美術館とか?」

「いや、何でいきなり外国になるのよ……確かに行ったことはあるけど」

「やっぱりあるのか……すげえな」

「……あの、ね?いつか……」

 

 急に真姫がモジモジし始めた。

 ここで「トイレか?」なんて聞くほど鈍感ではない。ただ、今待たれている台詞を淀みなく口にできるほど饒舌ではない。

 だが、言うべきことはなるべく言っておきたいという最近の方針に従い、ゆっくりと噛まないように気をつけながら、真姫の言葉の続きを引き取った。

 

「……いつか行けたらいいな。二人で」

「っ!?な、なんで人の台詞奪ってんのよ!……まあ、そこまで言うなら一緒に行ってあげてもいいけど!」

「そりゃどうも。断られなくてよかったわ」

 

 真姫のツンデレの見本みたいな台詞に口を緩めると、どこからかヒソヒソと声が聞こえてきた。

 

「ちっ、ボッチのくせに」

「なあ、ボッチのくせに」

「そうよ、ボッチのくせに」

「…………」

 

 何、だと……。

 まさか増えるとは。しかも女子いなかったか?

 バッと振り向くと、奴らは既に姿を消していた。

 

「どうしたのよ、いきなり?」

「いや、何でもない。知り合いに似たやつがいただけだ」

 

 とりあえずもう出てきませんようにと願い、俺は真姫と促されるまま次の展示へと足を進めた。

 

 ********

 

 美術館を出てスマホで時間を確認すると、一つ一つ丁寧に鑑賞していたからか、すっかり昼時……というか、学校なら昼飯を食べ終わり、残り少ない休み時間をベストプレイスにで満喫している時間だ。

 

「そろそろ昼飯食うか」

「ええ、そうね。ここ、近くに公園あるから行きましょ」

「ああ、って公園?何か近くに店でもあんの?あっ……」

 

 聞き返してから気づいた。何なら気づかなかった自分をどつきたいまである。

 真姫は普段とは違うカバンを一つ持っていた。

 その事と公園というワードですぐにある場面が思い浮かんだ。

 

「……それ、持つわ」

「いいの。せっかくだから最後まで持つわ。初めての手作りお弁当だし」

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