捻くれた少年とツンデレな少女   作:ローリング・ビートル

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My One And Only Love #2

「おお……」

 

 思わず感嘆の声が漏れる。

 真姫が作った弁当は何というか、微笑みながら心の中で「こういうのでいいんだよ」と言いたくなるような内容であった。

 卵焼きにウインナー、からあげといったような王道のおかずに、シンプルなおにぎりというド直球に食欲をそそる中身だ。

 ついでに差し出されたお手拭きで手を拭くと、すぐに手を伸ばしたくなってしまったが、さすがにはしたないかと思い自重した。

 

「ふふっ、いいわよ。味見はしたから大丈夫なはずだけど早く感想聞きたいから」

「そっか。じゃあ……いただきます」

 

 手を合わせてから、俺はまず……箸で卵焼きをつまんだ。

 ぱっと見シンプルな黄色い卵焼きは、口に含むとほんのり甘くて、ちょうどいいやわらかさだった。

 

「……どう?」

「……うまい。本当に」

「そう、ならよかったわ。初めてだったから……」

「そっか。何つーか……ありがとう」

「ふふっ、感謝してよね。パパにだってまだ食べさせてあげたことないんだから」

「え、マジ?大丈夫?俺、狙撃されたりしない?」

「どうしたのよいきなり」

 

 真姫父にはまだ会ったことないが、何ていうか……向こうには俺の個人情報やら何やら知られている気がする。考えすぎか。

 

「そういや、お前んちの父ちゃんと母ちゃんはその……知ってるのか?」

「え、何を?」

「あー、俺とお前が……付き合ってるというか……」

「もちろん昨日言ったわ。ママに」

「……そっか」

 

 考えすぎではないかもしれない。真姫母の口から伝わってる可能性は高い。

 とりあえず背後を確認してから、俺はおにぎりを目一杯ありがたみを込めて頬張った。

 

「変な心配しなくていいわよ。八幡は……私の選んだ人なんだから」

「っ!」

 

 不意打ちでときめかせてくるのやめてくれませんかね。危うく吹き出しそうになったわ……。

 

 ********

 

 ……よかった。

 どうやら八幡のお口にあったようだ。

 自然とこちらの口元も緩んでくる。

 ちょっとからかってみようかしらね。

 私は唐揚げを一つ箸でつまみ、八幡に差し出した。

 

「は、はい、あーん……」

「え?……えっ?」

 

 八幡はすぐに耳まで真っ赤になって目をぱちくりさせた。うん、可愛いわね。

 本当はここで「冗談よ」と言って自分で食べるつもりだった。

 しかし……

 

「真姫ちゃん……」

「ラブラブにゃあ……」

「はっ?」

 

 聞き慣れた声に振り向くと、そこには花陽と凛がいた。

 何、ですって……!

 二人揃ってやや引き気味の表情を見せている。

 ……ちなみに八幡は目を閉じて口を開けている。

 

「え、えっと違うの、これは……!」

「あ、だ、大丈夫だよ!二人は恋人同士だもんね!」

「そ、そうにゃ!別にいちゃついても不思議じゃないにゃあ!」

「だから、違うのよ〜!!!」

 

 青空の下、思った以上に私の声は響いた。

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