捻くれた少年とツンデレな少女   作:ローリング・ビートル

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My One And Only Love #5

 

 そのままと口にしては見たものの、自然と体が動き、真姫と唇を重ねていた。

 とろけそうな理性の中で、少し強引すぎたかと思いもしたが、真姫もこちらの頭を両手で包み、自分の唇を押しつけてきた。

 予想よりも強い力によろけそうになったが、そこは男の意地でなんとか耐える。その甘い感触はがんがん理性を削っていた。

 お互い息継ぎのために体を一旦離すと、真姫はとろんとした目でこちらを見上げていた。

 至近距離で互いの息が混じり合う中、真姫が今度は自分から唇を重ねてくる。

 

「っ…………」

「ん……んん……」

 

 どうしようもなく想いが溢れてくる。

 たまらなくこいつが好きだ。

 このまま夢みたいな気持ちに溺れていたい。

 再び唇が離れると、濡れた瞳が妖艶な光を纏っている。

 俺は彼女を力いっぱい抱きしめ、その髪をそっと撫でた。

 さらさらと繊細な感触が指先に馴染んでいくのが気持ちよくて、自然と口元が緩む。

 だが、気持ちは昂り続け、俺は拙い手つきで彼女のコートを脱がせた。ボタンを一つずつ外す間、手が震えていたが、それでも手を止めることはなかった。

 真姫は目を潤ませ、こちらを見つめている。コートを静かに床に置くと、セーター越しに細い肩が自分の手と同じように震えているのがわかった。

 

「⋯⋯⋯⋯」

「⋯⋯八幡?」

 

 こちらの視線の先に気づいたのか、真姫が小首をかしげる。

 

「⋯⋯悪い、少し焦りすぎた」

「⋯⋯⋯⋯」

 

 こちらの言葉に合わせて、真姫はこてりと額を俺の胸にくっつけてきた。

 

「いくじなし」

「⋯⋯それは、反論できないんだが」

「まあ、私も人の事言えないんだけど。ねえ、八幡」

「?」

「もう一回キスして」

 

 俺はすぐに真姫を引き寄せ、今度は気持ちを落ち着けるために唇を重ねた。

 

 ********

 

 ああ、なんかさっきまで夢の中にいたみたいな感覚ね。

 その場の雰囲気だったり、気持ちの高まりだったり、あれこれが重なり合った結果、ものすごい一線を越えかけていた。

 その事実に対して意外なほど驚きはなかった。

 ただ胸の高鳴りがしばらく止まりそうもない。

 八幡にちらりと目をやると、耳まで真っ赤にして、後頭部に手を当てている。

 そして、こっちを向き⋯⋯すぐに目を逸らせた。

 私もつい横を向いてしまう。

 ⋯⋯これはしばらく思い出して恥ずかしくなるやつね。ああ、もう!バカ!ボケナス!八幡!

 

「悪い。てか、八幡は悪口じゃないと思うんだが⋯⋯」

 

 どうやら口に出してしまっていたらしい。

 何故かそれがおかしくて、今度は吹き出してしまう。

 

「ふふっ、気にしなくていいの」

「いや、気になるんだが⋯⋯」

 

 八幡はそう言いながらもこちらにつられて頬が緩んでいる。

 しばらく私達は静かに笑い合っていた。

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