「真姫さん、明けましておめでとうございます〜!!」
「ええ、明けましておめでとう」
「てか、なんでわざわざタイミングずらしたんだよ。すぐ合流するんだから意味なくない?」
「はあ⋯⋯これだからゴミいちゃんは⋯⋯今年初めて顔を合わせるんだから二人っきりにしてあげようっていう気遣いだよ。あっ、今の小町的にポイント高い♪」
「ああ、そうだな」
気遣いはありがたいが、その前にゴミいちゃん言ってるからね。まあ、確かにありがたい気遣いだから許しちゃうけど。
「あ、真姫さん!私の事は気にしなくていいので思う存分お兄ちゃんといちゃついていただいて大丈夫なんで!何なら小町のためにいちゃついてくれても構わないんで!」
「な、何言ってんのよ!いちゃついたことなんてないわよ!」
「えっ?」
小町が「お前マジか」みたいな目をこちらに向けてきた。えっ、何?これ俺どう答えればいいの?正解が見つからないんだけど⋯⋯。
「ま、まあ、あれだ⋯⋯子供にはまだ早いというか」
「ええっ!?」
「な、何を⋯⋯バカ!イミワカンナイ!」
「いや、今のはそういう意味じゃないというか⋯⋯」
いかん。思いつくまま考えなしにしゃべったら、わけわからんことをいってしまった。
小町は顔を赤くし、あたふたし始めた。
「お、お兄ちゃん⋯⋯大人になってたんだね。今日はお赤飯炊かなくちゃ」
「落ち着け。なんか色々間違ってるから。あとお兄ちゃんが悪かった」
「てか、新年早々駅前でなんて話をしてんのよ。神様もドン引きしちゃうわ」
「「⋯⋯⋯⋯」」
全員気を取り直すまで少し時間がかかった。
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三人並んでお賽銭を入れて手を合わせる。
頭に浮かんだ願い事を頭の中で繰り返してから隣を見ると、真姫はまだ手を合わせていた。
その美しい伏し目と長い睫毛に見惚れそうになると、彼女はようやく目を開けた。
「どうしたの?はやく行くわよ」
「あ、ああ⋯⋯」
「よしっ、初詣もすんだことだし、小町は家に帰るので二人はこれからゆっくりデートしてきてね〜!真姫さん、またね〜!」
小町は急に思い立ったように早口で別れを告げ、すたこらと走り去っていった。
「小町、どうしたのかしら」
「まあ、せっかくだから受験勉強しときたいんじゃね?」
「そう、まあ時期が時期だから仕方ないわね」
実際は気を遣った割合の方が高いのだろうが、わざわざ言うこともないだろう。
「じゃあ、ちょっとその辺ブラブラするか」
「そうね」
真姫が控えめに差し出した赤い手袋に包まれた手を、黒い手袋に包まれた手で握り返し、ひとまずショッピングセンターに向かった。