「⋯⋯ありがとう⋯⋯⋯⋯大好き」
「あ、ああ。俺も⋯⋯大好きだ」
照れながらお互いに想いを言葉にすると、自然と唇が引き寄せられた。
八幡が急いでいることはわかっていたので、かなり控えめではあったけど、それでも幸福に包まれる感触がそこにはあった。
唇を離しても確かな熱は残っていて、外に聞こえそうなくらい胸が高鳴っている。
「⋯⋯じゃあ、そろそろ行くわ。ラブライブ、応援してる」
「うん、気をつけて帰ってね。あと、ギターの練習忘れないようにするのよ」
「まさかこのタイミングで言われるとはな⋯⋯了解」
八幡は小さな笑みを見せ、駅の方へと歩き出した。
角を曲がり、見えなくなる少し前にこちらをちらりと見て、控えめに手を振る。
私は八幡の姿が見えなくなっても、いつもより強めにしばらく手を振っていた。
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翌日。俺は一人で悶えていた。
「うぐぅ⋯⋯」
いくら真姫にバレンタインに何かプレゼントを渡したかったからといって、あれはさすがに恥ずかしすぎないか?どんだけアドレナリン出てたんだよ!バーカ!バーカ!バーカ!ボケナス!ハチマン!八幡は悪口じゃねえだろ⋯⋯。
「お兄ちゃん、お兄ちゃん?何ベッドの上でドタバタしてんの。うるさいんだけど」
「ああ、悪い。お兄ちゃん今アイデンティティクライシスなんだよ⋯⋯」
「今さら何言ってんの。彼女できた時点でお兄ちゃんのアイデンティティなんてトイレに流したって言ってたじゃん」
「いや、そんな事一言も言ってないからね。あと例えが汚いからね」
「⋯⋯お兄ちゃんの真似したらちょっと汚くなっただけだし」
「どんな責任転嫁だよ」
「とにかく!そんなウジウジしないの!!真姫さんに手作りチョコ渡せて良かったじゃん」
「⋯⋯まあ、確かにな」
起き上がると、小町は妙に満足そうな顔を見せている。
「どした?」
「別に〜。じゃ、勉強に戻るからあまり一人で騒がないようにね」
「お、おう、気をつける⋯⋯」
ドアが閉まると、さっきまでの落ち着かない気持ちは雲散霧消していた。さすがディアマイシスター。受験が終わったらたっぷり労ってやろう。
俺はギターを片手に小町の邪魔にならないように一階のリビングへと向かった。
あんなタイミングで言われちゃあな。
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「凛、そこ少し音程低くなってるわよ」
「ごめんにゃ〜⋯⋯あれ?」
「どうかした?」
「真姫ちゃん、いつもと違って今日はずっと笑顔にゃ〜!もしかして比企谷先輩と⋯⋯いふぁいにゃ〜!」
「あはは、笑顔のまま怒ってるね⋯⋯」
「さあ、もう一回合わせるわよ」