すべてのプログラムが終了し、会場の外へ出ると、まだ人がごった返していた。
その様々な表情を見ると、さっきまでの熱気はまだしばらく冷めることはなさそうだ。実際自分もまだ体が火照っている。何なら涙腺も緩んでいる。
確かな感情も感触もそこにあるのに、まるで夢の中にいたみたいだ。そのくらいのパフォーマンスを見せてもらった。
頭の中でまたμ'sの楽曲を流していると、ポケットの中で携帯が震えた。
まだライブが終わったばかりなので、メンバー同士で余韻に浸りたいだろうと思い、あまり考えないようにしていたのだが、体は正直で自分でも驚く速さで携帯を取り出した。
「⋯⋯もしもし」
「えっと⋯⋯今日は来てくれてありがとう」
「そっちも優勝おめでとう。本当にすごかった。お前、とんでもねえ奴だな」
「ふふっ、今さら気づいたの?私を誰だと思ってんのよ」
「そりゃ失礼。最初からとんでもねえ奴だったわ」
「よろしい。今どこにいるの?外?」
「ああ、てか小町達どこ行った?いつの間にかいなくなってんだけど」
「また置いて行かれたんじゃない?」
「えー⋯⋯いや、まあ別にいいんだけどね。迷うこともないし」「で、いつになったら気づいてくれるのかしら?」
「は?」
「後ろ」
その言葉に振り向くと、帽子にサングラスにマフラーの不審者がいた。
「不審者しかいないぞ」
「誰が不審者よ!!」
声からしてどうやら本物らしい。なるほど、こうやってサプライズするためにわざわざ外にいるかどうか聞いたのか。
俺はその手を握りしめ、人波から抜け出した。
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「駅と真逆にこんな公園が会ってよかったわね」
「だな。てかいいのか?」
「皆に言われたのよ。打ち上げは明日やるから今すぐ会ってこいって」
「⋯⋯おお、今度マッ缶でも差し入れしとくか」
「なんでそのチョイスなのよ。まあ、穂乃果や凛あたりならかなり喜びそうだけど」
「てか、ラブライブ優勝直後にする話じゃねえな。その⋯⋯改めて、優勝おめでとう」
「ありがと。本当にまだ現実味がないわね。夢の中みたい」
俺は真姫のマフラーをずらし、一瞬だけ唇を重ねた。
「っ!?い、いきなりどうしたのよ!別にいいけど⋯⋯」
「いや、夢みたいって言ってるから、とりあえず現実だということを証明しておこうかと⋯⋯」
「そのつもりならもっと強く⋯⋯ん」
真姫がこちらの首に腕をからめ、少し背伸びし、強引に唇を押しつけてきた。
微かに触れる下の感触に、真姫を抱きしめる力も強くなる。
そうして二人して飽きるまで互いの温もりを確かめ合った。
ぼんやりとした淡い満月だけが見下ろしていた。