捻くれた少年とツンデレな少女   作:ローリング・ビートル

161 / 161
One and One #9

「⋯⋯悪い。サプライズの方が何かと良いかと思ってな」

「はぁ⋯⋯どうせ小町と凛あたりが提案したんでしょ?」

「ま、まあ、あいつらは悪くないんだ⋯⋯」

「別に怒ってないわよ。驚いただけ」

 

 悲鳴を上げられた時はどうなるかと思ったが、割とすぐに落ち着いてくれて助かった。

 今は二人並んでベッドに腰かけているのだが⋯⋯これ、色々とやばい状況じゃないですかね?

 真姫はさっきまでシャワーを浴びてたのか、バスタオルを体に巻きつけただけの姿で隣にいる。多分これ気づいてませんよね。そうですよね。

 俺は真姫と反対側を向いて会話を続けた。

 

「いつから決まってたの?」

「俺はギリギリになって聞かされたからよくわからん」

「そう、楽しんでる?」

「ああ、家族でこういうの久しぶりだったんだが⋯⋯まあ、たまには⋯⋯」

「ふふっ、素直じゃないんだから」

「まさか、お前に言われるとは⋯⋯」

「ていうか、さっきから何で向こう向いてるのよ。こっち見なさいよ」

「いや、何つーか⋯⋯」

「?」

「お前、自分の格好に気づいてるか?」

「え?⋯⋯⋯⋯きゃあああっ!な、何考えてんのよ!!」

「いや、待て。俺は悪くない。世間が悪い」

「ちょっと服着てくるわ⋯⋯きゃっ!」

 

 その小さな悲鳴を聞いた瞬間、体は自分でも驚くくらいはやく動いた。

 実際真姫はそんなにこけそうになっていたわけではないみたいだが、俺が受け止めると、急に力が抜け、そのままベッドに仰向けに倒れ込んだ。

 俺も首にしがみつかれた勢いで、真姫を押し倒すような姿勢で一緒に倒れ込んだ。

 スプリングが軋む感触が収まると、俺達はベッドで向かい合っていた。

 

「「⋯⋯⋯⋯」」

 

 沈黙。その理由は一つ。

 真姫のバスタオルが解けていた。

 そして⋯⋯そこに包まれていた真姫の体が露わになっていた。

 形のいい胸も、小さな臍も、ほっそりとしているが女性らしいラインを描いている腰も、何もかも⋯⋯そう、何もかもが見えてしまっていた。

 その姿に緊張とか興奮とかよりも、ただただ見とれていた。

 真姫は頬を赤く染め、唇を微かに震わせている。

 どれくらいそうしていたかはわからないが、やがて彼女から口を開いた。

 

「⋯⋯いいわよ。八幡になら私を全部あげる」

 

 その言葉に導かれるように俺は彼女の肩に手を置き、そっとタオルを戻した。

 

「八幡?」

「⋯⋯気持ちは嬉しい。でも俺は焦ってないから。その肩の震えがなくなるまで待つ、から」

 

 そう言ってから、彼女に優しく口づけた。彼女の火照りがやけに心地よかった。

 唇が離れると真姫は俺の肩に寄りかかり、「ありがと」と小さく呟いてからバスルームに戻った。

 ⋯⋯俺、今日眠れそうもないんだが。

 脳裏に焼き付いた光景をどうすればいいのかわからず、俺は真姫が服を着て出てくるのを待った。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

捻くれた少年と真っ直ぐな少女(作者:ローリング・ビートル)(原作:やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。)

 比企谷八幡と園田海未が出会ったら、という物語です。


総合評価:3364/評価:8.32/完結:106話/更新日時:2023年02月24日(金) 17:20 小説情報

ようこそ正反対の二人がいく教室へ(作者:ゆうき35)(原作:ようこそ実力至上主義の教室へ)

初投稿です。▼もう何番煎じかわかりませんが、八幡が八幡らしく『よう実』の世界で過ごす世界を書きたくて始めました。▼駄文ご容赦下さい。そして、推し&ヒロインは櫛田さんです。▼いろはす登場はニ年生編からです。▼補足▼説明回は原作準拠です。『よう実』読者は読み飛ばし可能です。▼(2022/8/30 お知らせ)▼一部内容を見直しています。▼内容に大きく追加・修正した…


総合評価:5889/評価:7.85/連載:91話/更新日時:2023年12月07日(木) 20:30 小説情報

櫛田の中学に転校した(作者:スクラップドラゴン)(原作:ようこそ実力至上主義の教室へ)

▼よう実の世界に転生したオリ主が櫛田の中学に転校する話


総合評価:3391/評価:7.29/連載:20話/更新日時:2026年06月14日(日) 15:33 小説情報

ただひたすらアスカを愛してみた(作者:たっちゃん☆)(原作:新世紀エヴァンゲリオン)

アスカ推しの成人男性は、気づけば五歳児に戻ってエヴァの世界に居た。男はネルフの前身、ゲヒルンのドイツ支部で出会ったアスカ(五歳)と将来のイチャイチャ生活を目論む。▼これはそんな中途半端なエヴァ知識を持った男がエヴァの世界でアスカを愛でる(ために色々奔走する)お話。▼※ストーリーはアニメ版準拠ですが、各種世界観の設定などは漫画版、新劇場版の設定も混同しています…


総合評価:10875/評価:8.54/連載:98話/更新日時:2026年07月05日(日) 13:04 小説情報

今日も世話を焼く(作者:ディアーリーズ)(原作:超かぐや姫!)

酒寄さんちのお隣に配信者が住んでいたら。▼その配信者が酒寄さんのクラスメイトだったら。▼そのクラスメイトがぶっきらぼうな世話焼き気質だったら。▼2026/6/9 本編完結済み。▼気ままに番外編(蛇足)を更新していきます。▼※映画本編、小説、漫画は履修済みになりますが雑誌情報は拾いきれておりません。▼※独自解釈、独自設定が含まれます。▼※誤字脱字チェック、表現…


総合評価:3074/評価:8.58/完結:84話/更新日時:2026年07月18日(土) 12:00 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>