真姫との電話の翌日、今度は何の曇りもない声が携帯から聞こえてきた。
「そっか。ライブやるのか⋯⋯まあ、楽しみにしてる」
「ええ。今から新曲作らなきゃいけないのは大変だけど。でも、A-RISEの綺羅ツバサ先輩も手伝ってくれるから、さらに良いものになりそう」
「そっか。まあ、応援してる」
「それで、今ボランティア募集してるんだけど⋯⋯」
「やる」
「食い気味に返事したわね⋯⋯じゃ、じゃあ、よろしく」
「ああ、何としてでも人手を集めてくるわ」
「いつになくやる気ね⋯⋯」
「そりゃあな。何ならスクールアイドルとして参加するまである」
「それは遠慮しておくわ。ていうか変な事言わないでよ。想像しちゃったじゃない!」
「⋯⋯ああ、俺もうっかり想像して吐き気がしてきた」
もしそんな姿を披露しようものなら、間違いなく小町に絶縁されてしまうだろう。
⋯⋯くだらん想像してる場合じゃないな。
「じゃあ、当日はよろしく頼むわ」
「ええ。じゃあまたね」
通話を終えた後、気持ちが昂ぶってくるのをひしひしと感じた。まさかμ'sのライブがまた観れるとは⋯⋯という感動もあるし、そのライブに少しでも関わることができるという喜びもある。
そうと決まれば、と俺はさっそく携帯の画面を開いた。
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「西木野さん、さすがね。この短期間でここまで仕上げるなんて」
「いえ、ツバサ先輩が手伝ってくれたおかげよ。ありがとう」
「お礼なんていらないわ。やりたくてやったんだし。それにしても西木野さんの書くラブソングのメロディーって本当にロマンチックよね。まるで実体験があるかのような⋯⋯」
「っ!⋯⋯さあ、どうかしらね」
「え、待って。何今の反応?」
「真姫ちゃんは比企谷先輩とラブラブにゃ〜♪」
「凛っ、余計な事言わないの!」
「ラブラブ?ラブライブの聞き間違いかしら。あは、あはは、おかしいわね」
「「⋯⋯⋯⋯」」
綺羅ツバサ先輩の予想外のリアクションに、私と凛は顔を見合わせてしまう。な、なんかキャラ変わってないかしら?
「ツバサ、落ち着くんだ。君達、お見苦しいものをお見せしてすまない」
「あらあら、恋愛トークになるといつもこうなるのにどうして自分から振っちゃうかなぁ」
「恋愛⋯⋯実体験⋯⋯恋人⋯⋯え、何それ?どこの世界線?」
同じA-RISEのメンバーの統堂英玲奈先輩、優木あんじゅ先輩がやってきて、綺羅ツバサ先輩を宥めている。彼女はそのまま二人に支えられ、どこかに運ばれていった。
「⋯⋯見てはいけないものを見た気分にゃあ」
「そ、そうね⋯⋯」
これは見なかったことにしておこうと私と凛は誓った。