捻くれた少年とツンデレな少女   作:ローリング・ビートル

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You Are My Sunshine #5

 集団でゲームをするなんていつぶりだろうか。

 ……思い出せない。あ、経験がないだけか。俺の勘違いでした。てへっ!

 

「どうかしたの?やたら悲しそうだけど……」

「ちょっと自分について再確認してただけだ」

「何それ。意味わかんない」

「わからなくていい。それよかお前……覚えんの早いけど、チームプレイ下手すぎだろ」

「う、うるさいわね……」

 

 そう、西木野はやたら一人で突っ走る。最初のほうはセンスでカバーしていたが、その弱点を突かれて負けが続いていた。

 

「……これもボッチの特性か」

「誰がボッチよ!」

 

 今度は西木野から攻撃され、俺は場外まで吹き飛ばされた。うん、今のは俺が悪かった。

 

 *******

 

 しばらくしてから、ゲームを終えた俺達はぐでーっとねそべっていた。自分の部屋で女子がくつろいでいるという事実は、今となっては気にならなかった。

 

「……まあまあ面白かったわね」

「一番はしゃいでいた気がするんだが」

「…………」

 

 西木野はそっぽを向いて聞こえないふりをしていた。ぶっちゃけちょっと可愛い……かもしれん。

 

「ああ、ちょっと遊び疲れたから真姫さんのピアノでも聴きたいなぁ」

「どんな上流階級だよ。てかウチにピアノないだろ」

「あなたがギター弾けばいいじゃない」

「ああ、悪いがリラクゼーション効果皆無どころか、この前騒音被害を訴えられたわ」

「さすがに深夜1時はやめてよ。しかも変な音出すから、最初お化け出てきたと思った」

「お化け……どんだけホラーな音出してたんだよ、俺は……」

「比企谷さんギター弾けるにゃ!?」

「す、すごいです……」

「いや、まだ全然なんだけど……」

「弾けるようになったら聴きたいにゃー!」

「あの、頑張ってください……」

「あ、ああ……」

 

 ぐいぐい近寄ってくる二人から応援のメッセージをもらい、しどろもどろになってしまう。

 

「……ふん」

「どした?」

「別に。何でもないわよ」

「そ、そうか……」

 

 何やら急にご機嫌斜めの西木野嬢。

 過去の経験からして、こういう時は極力関わらないに限る。

 俺は10分の間、西木野の方を見ないようにしていたが、何故だろうか。たまに突き刺すような何かを感じた。

 

 *******

 

 それからしばらく小町達が談笑するのをBGMに読書をしていると、西木野が何かに気づいたように「あ……」と呟く。

 

「そろそろ時間よ」

「あ、本当だ……」

「にゃ~、今日はもうこのまま寝たいにゃ~」

「馬鹿言ってないで起きなさい。明日も朝早くから練習えるんだから」

「そうだよ。はやく皆でライブができるようにしなきゃ」

「にゃ~!」

「ライブするときは呼んでくださいね。客席を埋めるために兄も連れていきますから」

「ええ、その時はお願いね」

「おーい、ここに本人いるよ……」

 

 まあ、別に行くからいいんだけど。

 西木野は何故かこちらを見ていたが、目が合うと、すぐに逸らした。

 

 *******

 

 昼間あんなに騒がしかったのが嘘のような夜。

 いつもより眺めがいい左に少し戸惑いながら、静かに読書に耽っていると、携帯が震えだした。

 

「あ、あの、今いいかしら?」

「……ああ。どした?」

「……今日、途中で感じ悪かったのは謝るわ。ごめんなさい」

「そんなんあったか?」

「あ、あったじゃない!ほら……」

「いや、お前がつんけんしてるのはデフォじゃね?まあ、いつもどおりだろ」

「……バカっ!おやすみ!」

 

 プツッと通話が途切れる。

 

「……何だったんだ?……おやすみ」

 

 怒りながらも律儀に挨拶した彼女に合わせ、こちらもボソッと呟いておいた。

 

 

 

 

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