捻くれた少年とツンデレな少女   作:ローリング・ビートル

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You Are My Sunshine #8

 ホームルームを終え、部室に向かおうとすると、凛がこっちに駆け寄ってきた。何やらうきうきした表情だ。

 

「真姫ちゃん、文化祭のチケット誰にあげるにゃ?」

「え?」

 

 さっきホームルームで話題に上がっていた話だ。正直文化祭用の楽曲製作で忙しいので、考える余裕がなかったんだけど……。

 すると、凛はやたら目をキラキラさせて私を見ている。

 なんかイヤな予感が……。

 

「な、何?近いんだけど……」

「いや、さっきと同じ質問……ああ、なるほど」

 

 凛の好奇心たっぷりの目からして、何を聞きたいのかわかった。

 

「まだ考えてないわよ。それより、文化祭でのライブをきっちり成功させなきゃでしょ?」

「文化祭でもにっこにっこにーするのかにゃあ?」

「やらない」

 

 先日、矢澤にこ先輩がμ'sに加入し、アイドルのいろはとやらを教わったのだけれど、あのポーズはやりたくない。

 もしあれを比企谷さんに見られようものなら……

 

『は?……さむっ』

 

 みたいなリアクションをされるでしょうね。向こうのほうが年上とはいえ、音楽に関しては先輩なんだから、アレな姿を晒すわけにはいかない。アレな姿なんて言ったら怒られちゃうけど……。

 

「あはは、そうだね。しっかり頑張って、沢山の人に観てもらわなきゃ」

 

 よし。上手く話を逸らすことができたわね。

 さあ、さっさと部室に……。

 

「うんうん。真姫ちゃんは比企谷さんに観てもらわなきゃいけないから、さらに頑張らなきゃだよね!」

「なぁっ……!?」

 

 まさかこのタイミングで!?せっかく話を逸らしたと思ったのに!何これ、イミワカンナイ!

 すると、何かを感じ取ったような目つきで、クラスメート達が机の周りに集まってきた。

 

「なになに!?西木野さん、誰か男の子誘うの!?」

「もしかして彼氏!?」

「わぁ、西木野さんの彼氏になる人ってどんな人だろう!?」

「きっとものすごいイケメンよね!?」

「ちょっ、彼氏とか、な、何なのもう~!?」

「真姫ちゃんもようやくクラスに馴染んできたにゃあ」

「は、はやく行かないと遅刻しちゃうよ?」

「見てないで助けなさいよ!特に凛!」

 

 ああもう!チケットなんて誰に渡しても……

 

 *******

 

「……というわけで、あなたのせいで散々だったわ」

「何が『というわけ』なのかわからんし、言いがかりも甚だしいのだが……」

「まあ、たしかにそうね。ごめん、忘れて」

「つーか、どした?何か用か?」

「さっき小町に電話したんだけど出ないから……」

「…………」

 

 それはおそらく意図的なものだろう。理由は……いや、まあいい。

 

「どうしたの?」

「……何でもない。大丈夫だ」

「そう、それで……あの、文化祭、来ない?」

「……文化祭?ああ、そういや言ってたな」

「べ、別に、チケット余ってただけだから!ほら、集客に協力しなきゃだし!?だ、だから、来たければあげる!」

「いや、別に行きたいとは……」

「いいから来なさい!それじゃ!」

「あっ……せめて日付ぐらい言えよ」

 

 後日、日付確認のメールとチケットが送られてきた。

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