捻くれた少年とツンデレな少女   作:ローリング・ビートル

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Some Other Time #8

 翌日、学校から帰った俺は、スマホの画面と向き合っていた。画面が暗転すると、自分の目つきの悪さを改めて認識してしまい、何とも居心地が悪い。

 あれから、由比ヶ浜とのわだかまりはとけた。

 用は俺が考えすぎだったというだけだ。

 何というか、悟ったふりをしながら、同じようなところを行ったり来たりしている自分に、少し情けない気持ちにはなったが、同時に晴れやかな気分にもなっていた。

 これはまあ……西木野のおかげ、なんだろうな。

 彼女の言葉がなければ、今こんな気分にはなっていないだろう。

 それで、彼女に何か言わなければと思い、スマホを手に取ったのだが、いざその段階になったら、指が動かない。

 この程度で緊張しているのだろうか?だとしたら、これもボッチ生活の弊害だろうか。つまり自業自得。

 すると、いきなりスマホが震えだした。

 慌てて落としたスマホを拾い上げると、画面には西木野と表示されていた。

 すぐ通話状態にすると、彼女の声が聞こえてくる。

 

「どうだったの?」

「……何がだ?」

「わかってるでしょ?もう解決したの?」

「……ああ。まあ、解決っつーか……」

「そう。ならよかったわ」

「あ、ああ、何つーか……ありがとな」

「え?」

「いや、まあ、その……これまでだったら、このまま関わることもなくなっていただろうが、お前のおかげで、これまでとは違うやり方を選べた。だから、礼は言っておきたい」

「…………」

「……ど、どうした?黙られるとしんどいんだけど……」

「べ、別に!それより、問題解決したんだからしっかり練習しなさいよ!あ、あと……」

「?」

「今週、μ'sのライブあるから……よかったら、観に来て」

「あ、ああ……絶対に行く」

「ええ。待ってるから……それと小町も連れてきてね。それじゃ」

 

 こちらが何か言う前に、慌てたように通話が途切れた。

 確かに礼は言えた。

 だが、まだ何か言うべきことはあったんじゃないかという、空白のような感情が残っていた。

 それが何なのかは夕食の時間になってもわからないままだった。

 

 ********

 

「な、何なのよ。いきなり素直にお礼なんて言っちゃって……びっくりするじゃない」

「真姫ちゃ~ん、ちょっといい?あら、どうしたの?」

「マ、ママ、いきなり入ってこないでよ!どうしたのって何?」

「だって真姫ちゃんったら、嬉しそうに笑ってるんだもの~。あ、もしかして……」

「何でもない!何でもないから!勝手に変な想像するのやめて!」

 

 ********

 

 週末。

 

「いやあ、やっぱアキバはいいね~」

「なんかオタクみたいだな」

「お兄ちゃんこそ素直に喜んだらいいのに。真姫さんに会えるんだから」

「…………」

 

 やれやれだ。最近こういう変なからかい方をしてくるから困る。からかい下手の小町ちゃんめ。

 付き合いが長いんだからいい加減気づくと思うんだが。俺に限ってそんなラブコメみたいな展開、起こるはずが……

 

「あ、来た♪待ってたわよ~♪」

 

 いきなり見知らぬ美女がいきなり腕を組んできた。

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