西木野邸をお暇して、小町と戸塚と共に千葉に帰ると、駅前で福引きが行われていた。
「あっ、そうだ!お母さんから福引券もらってたんだ!やっとかないと」
「おお、そうか。まあ当たるといいな」
「むぅ……あ~でも、最近小町よりお兄ちゃんのほうが運がいいからお願い!ここで運を減らしたくないし!」
「俺の運は減ってもいいのかよ……まあ、別にいいけど」
「八幡、頑張って!」
……天使のおかげでなんか大当たり出そうな気がしてきた。
係員に福引券を渡し、そのままガラガラをゆっくり回すと、小さな赤い玉がコロンと出てきた。これは……
「おめでとうございます!三等のスプラッシュプール招待券です!」
「おお!お兄ちゃん、やったじゃん!!」
「すごいよ、八幡!三等だよ!」
「……ええぇ」
ぶっちゃけプールとか行く相手もいないし、相手がいても騒がしいので行きたくないまである。つまり俺には無価値。
だが、そんな俺の心情とは裏腹に、小町はやたらとはしゃいでいた。まあ行く相手がいて騒がしい所が苦じゃなければいいのだろう。いや、小町がプールに行くとなると、ナンパを警戒せねばならん。だが同伴など断られるだろうし。くっ、どうすれば……
「ああ、お兄ちゃん?きっとまたバカなこと考えてるだろうけど、真姫さん達誘って皆で行こうよ」
「……は?」
西木野の名前が出てきて、途端にその水着姿が浮かんだような気がしたような、してないような……いや、何を考えてる。
「えっと、6枚だから……戸塚さんも一緒に行きませんか?」
「僕もいいの?」
「ああ、もちろんだ」
……いかん。戸塚の水着姿が見たくてつい即答してしまった。案の定小町はドン引きした顔でこちらを見ている。
「じゃあお兄ちゃんは今晩にでも真姫さんを誘ってね」
「いや、それはお前から言ったほうが……」
「そうしたいのはやまやまなんだけど~小町は人気者だから、夜はケータイにずっと連絡がくるんだよね~あ~忙しいな~」
「…………」
本当がどうかは極めて疑わしいが、小町からそれ以上聞くなという圧を感じる。どうやらやるしかないようだ……。
そして、二人ははやくもプールの話を始めていたので、結局そのまま帰路に着いた。
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「♪~」
「真姫ちゃんったらご機嫌ね~」
「今日はもうあえてツッコまないけど何か用?」
「最近真姫ちゃんがよく笑うようになったから嬉しくて~♪」
「……スクールアイドルやってるから、笑顔くらいできないと」
「んふふ~」
「あ、もうっ、ほっぺたつつかないでよ!」
「たまにはこういうスキンシップもいいかなって」
「よくない!あっ、電話鳴ったからママ出ていって!……はい、もしもし……え?……ええっ!?」