休み時間、頬杖をつきながら外の景色を眺めていると、昨日の電話を思い出した。
……まさか、いきなりプールに誘われるなんて……。
とはいえ小町もいるし、戸塚さんもいるし、こっちも誰か誘うように言われたから、二人っきりとかではないんだけど……いや、別にそんなのはどうでもいいんだけど!
「……水着、どうしようかしら」
別に変な意図はない。
ただ、去年買った水着は家族と旅行に行く時用に買った物だし、それをこういう場面で着ていくのも……。
でも、あまり気合いをいれていくのは違う。そういう意味にとられたくはない。それはそれで悔しいというか何というか……。
考えなくていいようなことまで考えて、つい溜め息を吐きそうになったところで、近くに誰かが立つ気配を感じた。
「真姫ちゃん、どうかしたの?」
「何か悩んでるみたい……」
「そういうわけじゃないんだけど……あ、そうだ。二人とも、ちょっといい?」
「「?」」
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「なぁんだ~。それで真姫ちゃんは比企谷さんに見せる水着を……いたいっ、いたいにゃ~!」
「あっ、ごめん。手が自然と動いてたわ」
まったく油断していると変なことばかり言うんだから……。
「でも真姫ちゃん、スタイルいいからどんな水着でもにあいそうだよね」
「あ、ありがとう……それで、二人は大丈夫?」
「もっちろん行くにゃあ!」
「わ、私も大丈夫だよ……水着になるのはちょっと恥ずかしいけど」
「そう。じゃあ来週の日曜日に……」
「じゃあさっそく水着買いに行くにゃあ!!」
「ヴぇえええ!?な、何でいきなり……」
唐突な提案にしどろもどろになっていると、凛は当たり前のような顔をしていた。
「だってそのうち水着でMV撮るって、にこ先輩が言ってたにゃ!」
「たしかに……!アイドルが水着姿のMVを撮るのは最早定番!グループのイメージを壊さず、いかに自分の魅力を最大限に引き立てる水着を選ぶかも大事なこと!」
「…………」
どういうわけか二人がやたらと盛り上りだした。この二人、変なところでスイッチ入るのよね。
……まあ、花陽もああ言ってることだし、スクールアイドルとしての活動のためなら仕方ないわね。しっかり選ばないと。うん。ラブライブだってあるもの。別に比企谷さんのためじゃないんだから。そう、これはアイドル活動のため……
「真姫ちゃん?なんで一人で頷いてるにゃ?」
「べ、別に!何でもないから!」
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「っくしっ!」
「八幡、大丈夫?風邪?」
「いや、大丈夫だ。仮に風邪だとしても今治った」
「八幡よ、風邪か?」
「うるさい。材木座うるさい。今いいところなんだよ」
何だったんだ、今の……風邪、じゃないよな。