捻くれた少年とツンデレな少女   作:ローリング・ビートル

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I Got Rhythm #10

 

 さんざんはしゃいだ後、レッスンでさらに体を動かし、疲れ果てて部屋に戻ると、狙いすましたかのように携帯が数秒震えた。

 この時間ならパパかママかしら?

 確認すると、二人以外にも小町からのメールが来ていた。

 内容は林間学校で何があったかの報告だった。自分が小学校の時もこういう内容だった気がする。ちなみに八幡はいつもどおりだったらしい。どんな報告よ……まあ、林間学校でテンション上がるタイプじゃないわよね。

 想像してたら何だか笑みが零れてきた……いや、何でよ。

 窓の外に目を向けると、綺麗な満月が見える。

 ……向こうも晴れてると良いわね。 

 

 ********

 

「お兄ちゃん、真姫さんにはメールしたの?」

「何だよ、いきなり……昼にしたくらいだな」

「うん、お兄ちゃんにしては上出来だね!でも、寝る前にもちゃんと連絡しなくちゃダメだよ」

「いや、親子かよ……てか、親父にも母ちゃんにもずっとメールなんてしてねえよ」

「……ああ、それもそうだよね……ごめん……」

「いや、無駄に重い空気出さなくていいから。別に家庭内に闇とかないからね?」

「そっか。お兄ちゃん単体で闇だもんね」

「…………」

 

 それは否定できない。我が妹ながら素晴らしい分析力だ。あと単体で闇とかなんかかっこいい。

 

「とにかく!真姫さん頑張ってるんだから連絡するの!いい?」

「お、おう……」

 

 ……まあ、確かに。μ'sを応援すると言っておきながら、応援メッセージの一つも送らないのは不誠実なのかもしれない。

 あとそんな義務感とは関係なく、何か送ってみたくなった。

 俺はメール画面を開き、とりあえずベッドに寝転がった。

 

 ********

 

「あら?」

 

 新曲のアイデアをまとめ、そろそろベッドに入ろうかと思ったところでテーブルの上の携帯が震えた。もしかして……

 

「……八幡」

 

 予想が当たったからか、つい名前を呟いてしまった。特に意味はない。

 とはいえ、このタイミングで夜にメールを送ってきたということは何か意味があるのかしら?いや、たまにこの時間に電話とかしてるじゃない。その時も普通の会話しかしてないから特に意味なんて……!

 ああもう、何一人であたふたしてんのよ、私は。

 頭を軽く振ってから、メールを開くとそこには一言……

 

『お疲れさん』

 

「…………は?」

 

 思わず低い声が出てしまった。

 相手は八幡だし、別に気の利いた言葉を期待していたわけじゃない。

 それにしても……これは短すぎじゃない?

 もう一度読み返してみる。

 

「……ふふっ」

 

 やっぱりひたすら短いし、特に面白味はない。

 でも何故だろう。

 読み返しては笑ってしまう。

 

「そっちもお疲れ様……っと」

 

 お返しに短い返事を送ったあとはすぐ眠りに就いた。

 

 

 

 

 

 

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