捻くれた少年とツンデレな少女   作:ローリング・ビートル

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Dolphin dance #2

 あっという間に総部高校の文化祭の日はやってきた。

 穏やかな青空にほっとしながら、私は花陽と凛と駅で合流し、千葉に向かった。

 そして、千葉に着くと、小町が迎えに来てくれていた。

 

「あっ、こっちですよ〜♪」

「小町ちゃん、おっはようにゃ〜!」

「おはよう、小町ちゃん」

「おはよう」

「おはようございます〜!ささ、兄も多分待ちわびていると思うので行きましょう♪」

「もし遭遇したら眉しかめてそうね」

「あはは、なんか想像つくにゃ〜」

「う、うん、たしかに……」

「兄の生態を知りながらもこのリアクション……いける」

 

 道の端っこを歩きながら、謎のガッツポーズをしている小町に苦笑すると、ふわりと少し強めの風が吹く。

 先日の話もあるからか、そんな些細な出来事でさえ、何かを暗示してるような疑心暗鬼に駆られた。

 

 ********

 

「「あっ……」」

 

 いきなりの遭遇。

 向こうも予想外すぎたのか、私じゃない誰かを見ているような目をこちらに向けていた。

 

「ちゃんと仕事してるみたいね」

「まあ逃げ場がないからな。そっちは文化祭の準備とか大丈夫なのか?」

「そっちに比べたらまだ日にちに余裕があるから問題ないわ」 

「そっか」

「……誰かと回る予定とかあったりするの?」

「わかりきったことを聞くな」

「それもそうね。……ねえ……」

「?」

「じ、時間があったら、案内してくれない?ほら、男子がいたほうがナンパ除けにもなるし」

「……あー、わかった。あまり時間は取れんかもしれんが……」

「ええ。あっ、それと……これ……」

 

 私が駅の自販機で買っておいたMAXコーヒーを手渡すと、八幡の口元が緩んだ。

 

「ありがとな。助かる」

 

 彼は照れくさそうにお礼を言いながら、 ポケットから財布を出そうとしていた。

 

「別にいいわよ」

「いや、そういうわけにはいかん。俺は養われる気はあっても施しを受ける気はない」

「ど、どんなプライドよ!じゃあ、こうしましょう。MAXコーヒーをあげるから絶対に後で案内して」

「……そういうことなら、わかった。後で連絡する」

「ええ、お願いね。それじゃあ、仕事頑張って」

 

 そう言って渋々納得した八幡の目をしっかり見た後、何故か離れた場所からこちらを見ている小町達の元へ戻った。

 まったく、コーヒー一つ渡すだけでも面倒くさいんだから……まあ、その考え方は別に嫌いじゃないけど。いや、今そこはどうでもいいのよ。

 振り返ると、彼はもういなくなっていた。

 

「……頑張って」

 

 私はポケットの中にある自分用に買ったMAXコーヒーをぎゅっと握りしめた。

 

 

 

 

 

 

 

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