捻くれた少年とツンデレな少女   作:ローリング・ビートル

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Straight Life #3

「ああ、そういえばラーメン好きって小町が言ってたわね」

「……知ってたのかよ」

 

 ラーメン屋の前まで連れて来られた真姫は、特に驚いた顔をするでもなく頷いた。

 

「ラーメン屋なんて初めてとかいうかと……」

「私を何だと思ってんのよ。凛と花陽と一緒に行ったことあるわよ」

「そ、そうか……」

 

 意外な事実に驚きながら店内に入ると、食欲をそそるいい匂いが鼻腔を刺激してきた。

 幸いカウンターの端っこがちょうど2席空いていたので、並んで腰をかけ、一応メニュー欄に目を通すも、いつもと同じメニューを頼む。

 

「麺バリカタ油マシマシ」

「同じのお願いします」

「……いいのか?」

「ええ。凛達と似たようなの食べたことあるから」

「…………」

 

 ********

 

「これ、何?」

「……脂」

 

 真姫もさすがに予想外だったのか、旨味とカロリーの塊ともいえる脂に少したじろいでいた。

 ここまでのは初めてということだろう。いいことだ。

 俺はあえて先陣を切るように黙々と麺をすすった。

 その様子を見た真姫が、一人で頷いてから、ゆっくり麺をすすった。

 

「っ……!」

 

 どうやら口に合ったらしい。

 それ以降は二人黙って麺をすすることに集中した。

 

 ********

 

「……どうだった?」

「……思ったより食べやすくておいしかった」

「そっか」

「普段は一人で行く……のよね」

「おい、質問しようとした途中で断定するな。いや、お前の考えてる通りなんだけど……もしかしてお前も……」

「一人でラーメンはないわよ。喫茶店ぐらいね」

 

 あっさり想像できる光景だな。なんかあんま人が来ない隠れた名店知ってそう。

 勝手な想像をしていると、真姫は真面目な表情でこちらを見ていた。

 

「ねえ、八幡……」

「?」

「文化祭の後……大丈夫?」

「……特に変わらん。まあ、端っこで慎ましく過ごしてるからな」

「……ならいいけど」

 

 真姫はなんとも形容しがたい表情で頷いた。

 その儚げに伏せられた目に、俺は何か伝えなければいけない気がした。

 

「あー……なんつーか、あれだ。そうやって気を遣ってくれる奴がいるってだけで、ボッチは普段味わえないような喜び?みたいなのを感じるから他の事などあまり気にならんっつーか……」

 

 我ながら気持ち悪い早口でまくしたてると、右手をひんやりとしたものが包みこんだ。

 

「無理してないならいいの」

「…………」

 

 そのひんやりした感触が彼女の手だと気づいた頃には、自然と握り返していた。

 ふたつの温もりが混ざり合い、確かな熱を持ち始めた頃、周りをちらほら行き交う人も気にならなくなった。

 少しの間、俺も真姫もそのままでいた。

 

 

 

 

 

 

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