捻くれた少年とツンデレな少女   作:ローリング・ビートル

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Brilliant Corners #7

 朝、顔を洗った後、鏡に映る自分の顔を見ると、つい昨日彼女の唇が触れた部分に目がいってしまう。

 唇といえば唇なんだが、何ていうか……かなり際どい部分だった気がする……やばい、このこと考えすぎて一睡もできてねえ。

 

「……お兄ちゃん、朝から何鏡の中の自分に見とれてんの。ちょっときもいよ。あと小町使いたいからどいてほしいんだけど」

「小町ちゃん、朝から言葉がきついから直そうね」

「直さなきゃいけないのはお兄ちゃんの頭だよ。昔から目と言動はやばかったけど」

「ぐっ……」

 

 事実すぎて何も言い返せない。ディアマイシスターじゃなければ捨て台詞の一つも吐いただろうが、事実すぎて肯定するしかできない。今さらではあるが。

 

「真姫さんと何かあったの?」

「……………………」

「え、何?めっちゃ顔赤いんだけど」

「は?」

 

 小町の言葉に、自分が赤面してることに気づく。ちらりと鏡に目をやると、顔真っ赤な自分がそこにいた。うわ、気持ち悪い。アイツの前でこんな顔になってねえだろうな、マジで……。

 

「だ〜か〜ら〜はやくどいてってば!」

「はい」

 

 ********

 

「はぁ……」

 

 ちいさな溜め息が自然と零れる。まだ昨日の出来事が頭の中を埋め尽くしていた。

 自分の気持ちがはっきりしてる分、さらに気まずいというか……あの後、メッセージを送れていないし。

 いえ、期間を空けるとさらに気まずくなるわね。あと期間を置きたくない。普通にやりとりしたいし。ああ、でも……

 

「まっきちゃ〜〜〜〜〜ん!!!おっはようにゃ〜〜〜〜〜!!!」

「ええと……今送っても多分見ないかもしれないから、家に帰ってからでいいわね」

「かよち〜ん、真姫ちゃんが無視するにゃ〜!」

「真姫ちゃん、考え事してるみたいだね、どうかしたのかな?」

「え?ああ、おはよう……」

 

 凛と花陽がいつの間にか隣を歩いていることに気づき、内心焦ってしまう。私、独り言なんて言ってない?

 

「あの、昨日真姫ちゃんって比企谷先輩と一緒にいたよね?」

「あっ、凛も見たよ〜♪デートみたいだったにゃ」

「そうよ」

「「えっ?」」

 

 頷くと二人は目を丸くしていた。

 

「な、何?」

「えっ、あ、ごめん……なんか意外だなって」

「そうにゃ。真姫ちゃんなら、私が平民とデートするはずないでしょ?なんて……いふぁいにゃ〜!」

「どんなイメージよ……それに隠すことでもないでしょ」

「で、でも顔真っ赤にゃ〜」

「…………」

「あ、真姫ちゃん?」

 

 私は自然と早足になっていた。

 ああ、もう!八幡のバカ!

 そんな理不尽な叫びが心の中でしばらく反響していた。

 

 

 

 

 

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