マドカ外伝 Moon Knights IS 黒炎の爪の旅 作:アマゾンズ
無限光、発動
以上
クラスでは代表者を決めるためのホームルームが行われていた。女生徒達はすぐに手を挙げ、推薦していく。
「はーい、春夜君がいいと思います!」
「私は一夏くんを推薦します!」
女生徒達の推薦に兄弟二人揃って声を上げる。
「「お、俺達がかよ!?」」
だが、二人にとっては通過切れに過ぎない、何しろこの二人は原作知識を持っているからだ。
「(マドカが来たのは誤算だったが、ハーレムには変わらねえ!)」
「(ああ、早く。箒達の肌を堪能したいぜ)」
「他にはいないか?居なければ」
兄弟が煩悩塗れの思考をしており、千冬の催促にセシリアが声を上げた。
「納得できませんわ!なぜこのような男達にクラス代表を!」
アーマラは我関せずといった様子でセシリアの演説にも似た罵倒を聞いていたが、そろそろ止めようと行動した。
「クラス代表というのは選ばれた者がなるべきもの!このような極東の!むぐっ!?」
「そこまでだ。セシリア・オルコット・・・お前の祖国であるイギリスと日本を戦争状態にするつもりか?」
「っ!はぁ!いきなりなんですの!?それに戦争になんてなるはずがありませんわ!!」
「愚かすぎるぞ、お前は自分が国の代表候補生だというのを失念してないか?」
「な、何を!?」
アーマラの言葉にセシリアは身構える。どのような事をしてきても反論できるようにするためだ。
「お前はイギリスの代表候補生としてこのIS学園に来た。つまり、お前の発言はイギリス国家そのものを代表しているという事になる」
「そんなの、当然ですわ!」
「まだ分からないのか?お前の日本への罵倒はイギリス国家自体がしたという事になるんだぞ?それに先ほどの会話は録音されているはずだ。仮にそれを日本からイギリスへ提出された場合、お前は代表候補生の資格を失い、更には国家を著しく汚したという事で日本への賠償金、最悪の場合だと処刑すら有り得る」
「うっ!?うう・・・」
アーマラの冷静な分析と見解にセシリアは言葉に詰まる。だが、恥をかかされたと思い、今度はアーマラに噛み付いた。
「よ、よくも!わたくしに恥をかかせてくれましたわね!?」
「自分の立場を理解しなかった・・・お前が悪い」
紫の蛇と契約した犯罪者が変身した仮面の英雄のような言葉をアーマラはぶつける。
言葉は悪いが的を射っている為に、誰も反論できない。
「決闘ですわ!私と勝負なさい!」
「本気で言っているのか、貴様・・・自分が口にした言葉の重みを理解していないようだな?」
アーマラの雰囲気が一転し、濃密な殺気がクラス全体に叩き込まれる。それはスポーツなどで培われたものではない。
本当の戦場、生きるか死ぬか、殺すか殺されるか、そういった環境において生き残ってきた人間だけが出せる本物の殺気だ。
「決闘というのは己の命をかけて行う、戦いの儀だ。戦いをゲームのように考えている人間が決闘という言葉を軽々しく使うな!!」
アーマラは手にしていたボールペンを無意識に握り砕いていた。殺気に当てられていたクラスメート達は顔を青くしており、織斑兄弟、千冬すら震わせていた。
「やってしまったか。いいだろう・・・その遊戯に付き合ってやる」
「ゆ、遊戯ですって!?」
「生死をかける戦いをしよう。織斑先生・・・推薦されたメンバーだけで戦いましょう。アリーナは空いていますか?」
「一週間後ならば空いている・・・」
「わかりました。クラスのみんな、怒ってすまない・・・許してくれ」
「だ、大丈夫だよ」
「少し、びっくりしたけどね」
アーマラは謝罪の意を込めて、クラス全員に頭を下げた。濃厚な殺気から一転し、謝罪されたクラスメート達も戸惑いながらそれを受け入れた。
そんな中で織斑兄弟と千冬はアーマラに対して、警戒を強めいていた。
「(何だったんだ?あの殺気は・・・危険だな)」
「(おいおい、あんなに物騒な奴なのかよ!?)」
「(偶然だろうよ、きっと)」
千冬は僅かにアーマラの技量に気づいていたが、織斑兄弟は知る事はない。彼女が因果律の番人から、因果を歪ませるモノを排除する宿命を受けた旅人であると同時に、別世界の破滅と戦った戦士である事を。
◇
約束の一週間が経過し、アーマラはピット内部の壁に背を付け、手には訓練機である打鉄がある。それを優しく撫でながら試合の準備を待っていた。
「アーマラ・ウィルド、貴様は専用機があるそうだな?それで戦え」
「良いんですか?専用機を使ったら試合どころじゃ済みませんが?」
千冬の横暴とも言える提案にアーマラは冷静な口調で意見する。撫でていた打鉄を取り上げられ、強引な手段できたようだ。
「ほう・・・それはどういう意味だ?」
「はっきり言います。私の戦い方は貴女の愛しい弟達に致命傷を与えかねません」
「ならば傷つけないように戦え」
「反撃するな、と?」
「・・・・・」
牽制しあっていると真耶が急いでいるように走ってきた。その後ろからは二つのコンテナが運ばれてきている。
「はぁ・・・はぁ・・・届きました!織斑くん達の機体が!」
そこには白をベースとした機体と青をベースにした機体。二つのISが並んでいた。
「まず、一夏くんの機体が白い方の[白式]で春夜くんの機体が暗めな青の機体[凶鳥弐式]です!」
名前を聞いて一夏は笑みを浮かべて喜んでいたが、春夜の方は不満げな顔で機体を見ていた。
「(やっぱり主人公機が一番だよな!ふふ、これで俺の強さを示せれば!)」
「(どういうことだ!?俺が頼んだのはヒュッケバインMk-Ⅲな筈なのに!?これはヒュッケバインMk-Ⅱじゃないかよ!!くそっ!使えねえな!!でも、いいや・・・コイツも強力な機体だしな)」
前世においても兄弟であった二人は各々の思いと野望を秘めながら機体を己のものにすべく起動させる。
その様子を見ていたアーマラだったが僅かに頭痛が起こり、頭に手を添えた。
「(なん・・だ?)」
『凶鳥を・・・凶鳥をこの世界から解放するんだ』
「この声は・・・」
その声はかつてディス・レヴを制御する際、ガリルナガン・ナーゲルの深層へと潜った時に聞こえてきた声であった。
凶鳥を破壊しろと告げている。だが、破壊した所でまた新たな凶鳥を生み出されてしまうだろう。
「機会を見極めなければな・・・」
戦いが始まり、織斑兄弟がセシリアに対し、春夜が一勝を上げ、一夏が一敗した。
アーマラは機体調整をしながら冷静に試合を見ていた、春夜は機体性能の差で勝利していたが一夏の方は何かを知っていて負けたような印象を持った。
違和感だけが残る戦い方を考察しても仕方がない。自分の試合に集中しようと気持ちを切り替え、打鉄を使おうとしたが、千冬に阻まれる。
「何度も言わせるな、専用機を使えと言ったはずだぞ?」
「仕方ありませんね・・・」
アーマラはため息をつくとガリルナガン・ナーゲルを展開する。その姿は全身装甲で、狩人を思い浮かべさせるほどに畏怖させるのは十分なものだ。
「・・・・」
アーマラは無言のままアリーナへ飛び出し、対戦相手と向かい合うように着地する。
視線の先にはセシリアがライフルを手にずっと待っていたような様子だ。
「ようやく来ましたわね?」
「すまない、色々と準備があった」
「まぁ、良いですわ。今ここでわたくしが勝つのですから!」
セシリアは一度敗北してはいたが、その負けの八つ当たりをアーマラにするつもりなのだろう。
それを予想できたアーマラは内心でため息をつきつつ、己を反省する。他人の事は言えないが、年齢を重ねただけの子供という言葉がちらつく。
◇
試合開始のブザーが鳴り、戦闘が始まる。その瞬間、セシリアはライフルの一撃をアーマラへと放つ。
「これで、終わりですわ!」
セシリアは得意とするライフル射撃は的確に向かって行くが、アーマラは身体を僅かに逸らしただけで回避してしまった。
「!避けられた!?いえ、まぐれに決まっていますわ!」
一度きりではなく何度も何度も、ライフルを放つがアーマラには当たらない。逆に焦りが出てきて攻撃が単調になりつつあった。
「的確。確かに的確だが・・・的確すぎて避けやすい」
「なんですって!?」
「射撃というのは誘導させて撃つものだ。こうやってな」
ガリルナガンを纏ったアーマラはバスタックス・ガンを構えると一発のみ避けやすい的確な射撃を放った。
「何ですの?こんなみえみえの・・・え?」
セシリアが回避した方向には赤と黒のエネルギーが目前に迫っており、直撃してしまう。
「きゃああああ!」
「これが射撃の戦術、どうだ?」
「か、回避予測まで出来るなんて・・・こうなれば!行きなさい!ブルー・ティアーズ!」
セシリアは態勢を立て直すと機体と同じ名前のビット兵器を四つ展開し、アーマラを狙ってくる。
それを見たアーマラは少しだけ微笑を浮かべた。それはまるで獲物を見つけた野生の動物のように。
「貴様の流儀に合わせてビット兵器とバスタックス・ガンだけで戦ってやる。行け!ルガァ・スレイヴ!」
ガリルナガン・ナーゲルの背面から六つルガーと呼ぶ拳銃のような姿を持ち、コウモリの羽を模したパーツのあるビット兵器がガリルナガン・ナーゲルの左右に展開し、そのツインアイが一瞬輝くとセシリアへ向かっていく。
「ビ、ビット兵器!?それも六つも!?こけ脅しに決まっていますわ!!」
セシリアがアーマラへ集中してビットを操るのに対し、アーマラはセシリアからのビット兵器による攻撃を僅かな動きで回避しながら、セシリアにダメージを与えてきている。
「あ、ありえませんわ!六つもビットを操りながら回避行動を取れるだなんて!」
「出来るから目の前で見せている。それに、お前の切り札はそこだろう?」
「きゃあ!?」
ルガァ・スレイヴのレーザーが射抜いたのは腰にマウントされていた二つの蒼き雫の爆薬弾であった。それを撃ち抜かれ、セシリア自身にもダメージが入る。
「うう・・・」
「・・・・」
アーマラは瞬間加速を使い、間合いを詰めると滅多に使わないバスタックス・ガンのアックスモードで横薙ぎに喰い込ませた。
「がはっ・・・!」
「デッド・エンド・スラッシュ・・・。これが、この容赦のなさがルール無用の世界だ」
そのまま振り抜き、ブルー・ティアーズのエネルギーをゼロにした。このような決着のつけ方をしたのはセシリアの脳を心配してでの事であった。
ビット兵器は多大な集中力と判断力を要求される。ましてや動き回る標的を長時間相手にしていては機械の回路が焼き切れてしまうように脳へ機能障害を持たせてしまう。
自分が知るセシリアは長時間の使用に耐えられるよう凄まじい努力を重ねたが、それでも一時間が限界であった。
『ブルー・ティアーズ!シールドエネルギー消失!試合終了!』
「・・・気絶しているか、ビット合戦をしたのなら無理もないな」
アーマラはセシリアを向かい側のピットへ連れて行き、真耶に連絡して保健室へ運んでくれるよう手配すると次の試合を待った。
◇
ルガァ・スレイヴとバスタックス・ガンで使ったエネルギーを補給すると偽って自分の休息を取り、アリーナへと向かう。
次の相手は織斑一夏だ。だが、この織斑一夏は全く何かが違う。織斑一夏という外皮を被り、別の誰かが目の前にいるような感覚になるのだ。
「悪いが、勝つのは俺だぜ!アーマラ!!」
その声で名を呼ぶな。言葉を発するな、息をするな、利用するな、舌を動かすな。ありとあらゆる不快感がアーマラの思考を飲み込んでいく。
自分の世界では破滅に飲まれた人間、この世界では別の誰かが外皮を被っている。今の自分は旅人になった影響で因果の流れを僅かに見ることができる。
コイツからは肉体と魂の流れの歩みが全く異なっている。
ブザーが試合開始の合図を告げる。一分一秒たりともこの試合を長引かせたくはなかった。
「うおおおおお!」
「・・・トライ・スラッシャー!行け!」
突撃してくる白式に対し、冷静な判断で翼にあった刃のようなユニットが六つ分離し、三枚刃の手裏剣のような形となり、二枚の手裏剣が自動追尾で白式へと向かっていく。
更には同じ武装名の刃を左腕から取り出し、それを四枚刃の手裏剣の形に展開させ、投げつけた。
「な、なんだ!?うわっ!?あがっ!ぎゃあがが!!」
「Z・Oクラレント・・・受けろ!」
Z・Oクラレントと呼ばれた刃を手にし、その形状をまるで蛇腹剣のような状態となって、遠距離からその刃で斬りつけた。
「ぐああ!」
ああ、苛立ちが加速する。この男は一体何を目的としているのだ?何を作ろうとしているのだ?何を学ぼうとしているのだ?
弱い、余りにも弱すぎる。自分の世界でもここまで弱くはなかった、破滅に飲まれていたとはいえど、精鋭部隊を壊滅出来るほどの力を身に付けていたというのに。
この男はなんだ?何もない、目的も信念も向上心すらもない。あるのは己の腐った欲望のみ。それが私をイラつかせるのか?いや、違う。織斑一夏という外皮を被っている内側の存在にイラついているのだ。
「この野郎・・・手加減してればいい気になりやがって!」
手加減、この程度で手加減というのか。この存在は益々、私の怒りを刺激してくる。
だが、コイツに全力は出さない。出したら戦士としての愚を晒してしまい、自分が許せなくなる。
「来い、バスタックス・ガンもルガァ・スレイヴも使わん。貴様に合わせてZ・Oクラレントのみで戦ってやる」
アーマラは相手を愚弄している訳ではなかった。もし、これが実戦ならば全ての武装を使って全力で破壊しにかかるだろう。
しかし、これはあくまでも試合形式。全力で潰せば問題になるだろう。それならば対等の条件で戦ったほうがなんの弊害もない。
バスタックス・ガンを投げ捨て、Z・Oクラレントを日本刀のような刀身の姿へと変化させ、刀身を上側へ向け柄にある頭と呼ばれる部分に左手の平を添えた構えを取る。
「はっ!剣道で俺に勝てると思うなよ!」
「そう思うなら来たらどうだ?」
「舐めやがってえええ!」
受ける事はしない。自分の世界で訓練の一貫で教わった通り、受け流す。
「くそっ!おらあああ!」
受けさせようとする一夏の剣に対し、アーマラの剣はそれを見切りすべてを受け流していた。
「当たらねえ!何なんだよ!コイツは!?」
受け流され続けて焦りが出てきたのか、的確に撃ち込んできていた一撃が乱雑になりつつあった。
だが、たった一撃がガリルナガン・ナーゲルの右肩を捉えた。
「当たった!ここで決める!零落・・・」
「遅い!」
右へと薙いだ太刀の一撃は零落白夜が発動する前に決まった。身を呈して相手の油断を誘って倒しているように見えている。
「嘘・・・だろ?」
『白式、シールドエネルギー消失。試合終了です』
「・・・・・」
アーマラは冷たい視線を一夏、いや・・・織斑一夏という器に入っている魂に向けていた。
この世界の織斑一夏の魂は
何処かで因果を捻じ曲げられ、織斑一夏という存在に己を加えたのだろう。
「(コイツの魂はいずれ消す・・・)」
アーマラは目的の一つを再確認し、一夏を置いてピットへと去っていった。
◇
一夏の試合から一時間後、今度は兄である春夜が飛び出してくる。凶鳥弐式と呼ばれたその機体はガリルナガン・ナーゲルと何処か似通っている部分が有る。
「一夏が世話になったな、俺はあいつとは違って負けないぜ?」
凶鳥弐式から何かが聞こえてくる。それは聞き逃しそうなほど細く弱々しい声。
『私を・・・返して・・・元の・・・主へ・・・』
そんな声が聞こえた。恐らく、何処か知らない世界から引き寄せられたのであろう、凶鳥は元の主の下へ帰りたいと訴えた。
そもそも凶鳥弐式などという機体は聞いた事がない。ガリルナガン・ナーゲルにも言える事ではあるが、何かしらの因果によって操縦者となった男と共に来たのだろう。
「許せよ・・・」
アーマラは凶鳥へ向けて呟く。仮面の奥にあるツインアイが赤く輝く、それは今からお前を殺すと言わんばかりに。
試合が開始され、春夜はバルカン砲を放つ。雪片弐式一本だけであった白式とは違い、射撃用武装と近接用の武装がバランスよく配置されているのだ。
アーマラはそれを回避し、左腕にあるトライ・スラッシャーを手にして展開し、投げつける。
四枚刃の手裏剣に似た武装、それを目撃した春夜は嫉妬と怒りが入り混じり唇を噛みながら回避に専念する。
「ちぃ!(あれはファング・スラッシャーかよ!?ちくしょう!俺もヒュッケバインMKーⅢなら!)」
戻ってきたトライ・スラッシャーを受け止めて収納すると今度はバスタックス・ガンを突き立て、Z・OクラレントをRPGゲームなどの勇者が使う剣の形をとり、突撃する。
「ぐっ!」
ビームソードで受け止められるが、それと同時に凶鳥弐式から無念さが伝わって来る。
この人間は私の主ではない、こんなはずじゃなかった、凶鳥と呼ばれようとも主と認めた
ああ、この凶鳥と呼ばれる存在はISという意志を持った機械にはなったが、自分の矜持だけは失っていないのだ。
主と認めた者と共に駆け抜け、成長して行きたかった。然るべき世界で生まれるはずが因果を捻じ曲げられ、この世界のISとして生まれてしまった。
ISに生まれた事は受け入れよう。だが、己を操る操縦者だけは譲れなかった。天才でなくとも、例え凡人と呼ばれていても共に成長してくれる人間であれば良かった。
そんな淡い期待さえも裏切られ、自分を扱うのは己の欲望を優先する愚者であった。
瞬間に凶鳥弐式は祈った。誰か私を破壊してくれと、この人間の因果の呪縛から解き放って欲しいと。
そんな想いを知らず、春夜はフォトンライフルで至近距離からガリルナガン・ナーゲルへ光子弾を発射する。流石のアーマラもこれは回避できず、直撃を受けてしまった。
「ぐうう!」
「おらぁ!くらえ、チャクラム・シューター!」
「ぐはああああ!」
引き裂かれると同時に後方へ下がるが、流石にチャクラム・シューターのダメージは大きく、片膝を着きかける。
「やっぱり凶鳥は最高だなぁ・・・俺はこの機体を選んで正解だったぜ!」
「ぐ・・・・ダメージが大きいな」
「さぁ!トドメを刺してやるぜ!」
「っ!(この感覚は!)」
『オオオォォォ・・・・』
「使えというのか?お前達を・・・全てを遡らせる無限光を?」
ディス・レヴの内部で蠢く祭ろわぬ霊魂達はアーマラに力を開放しろと訴えている。本来は祭ろわぬ霊魂は全てを取り込もうとする性質がある。
だが、マドカの意思はその意志を肯定しつつ、「力を貸してくれる者から転生の道への扉を開こう」という提案を出した。
祭ろわぬ霊達があらゆる物を引き寄せようとするのは寂しさからだ。仲間を集めようとして引き込む。しかし、マドカは力を借りる条件として輪廻転生の扉への道を示すと宣言したのだ。
因果律の番人達のように自由とまではいかないが、案内は出来ている。申し訳ないと思いながらも魂魄の力を借りる事が可能になっていた。
「発揮される前に倒す!ディス・レヴよ、その力を解放しろ!」
【推奨BGM【THE GUN OF DIS】第三次スパロボαより】
ガリルナガン・ナーゲルが浮遊すると同時に、悪魔のような羽根が背部から展開する。
外部装甲の内側にある装甲を己の腕でこじ開け、ディス・レヴを出現させた。
その様子に春夜は目を見開く、自分がずっとプレイしてきたゲームで三本の指に入る程の凶悪な機体の必殺武器が向けられているからだ。
「!嘘だろ!?あれはディス・アストラナガンの!?」
「テトラクテュス・グラマトン・・・!」
アーマラの黒い髪が銀髪に変化していき、一瞬だけ何かの陰が重なると左手で見せつけるように握り拳を握りこむ。
「さぁ、時の流れを垣間見るといい!アイン・ソフ・オウル!デッド・エンド・シュートォォ!!」
放たれた光球は上空へと上がり、魔法陣を描き、その中から落雷のような光が凶鳥弐式へと降り注ぐ。
その光を中心に束縛の為の巨大な魔法陣が出現し、それを取り囲む十個の小さな魔法陣から紅い中性子星が出現し、凶鳥弐式の周りで高速の軌道を描いていく。
その中の一つが凶鳥弐式へ命中する。命中した箇所はまるで飲み込まれていくかのように装甲を削られていく。
中性子星が衝突し霧散した後に残ったのは、大破した凶鳥弐式を纏った春夜だけであった。
「あ・・が・・・」
『凶鳥弐式、シールドエネルギー0!試合終了!!』
試合終了のアナウンスと共にアーマラはディス・レヴの中へとなにかの意思が入ってきたような感覚を味わった。
「・・・・借りるぞ」
それだけを言い、アーマラはピットへと戻っていく。戻ると同時に待っていたのは腕組みをしながら不機嫌な様子で、アーマラを睨みつけている織斑千冬の姿がそこにあった。
凶鳥弐式、一体・・・何バインMk-IIなんだ?
とまぁ、盛大にキラーをやりました。
作者は幽霊と凶鳥のどちらが好きと言われると凶鳥派です。幽霊も嫌いではないのですがどちらかといえばスマートな高火力型というのが大好きですので。
好きだから徹底的に破壊したいという気持ちでやりました。
次回は機体を取り上げられる!?
以上です。