高任斎の一発ネタ集。    作:高任斎

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正確にはケルベロスでしたっけ?
初代ももう、20年以上昔ですなあ。


16:犬、怖い。(原作:バイオハザード)

 ……なんだ?

 

 目眩を感じたと思ったら、いきなり視界が変わった。

 さっきまで自分がいた場所じゃない。

 というか、日常からどこか異質な世界に放り込まれたような違和感と、恐怖を覚える。

 無意識に腰を手をやって……悲鳴を上げかけた。

 

 ナイフ!?

 

 銃刀法違反で捕まっちゃうよ、これ。

 つーか、俺、そんな危険なもの持ち歩かないよ!?

 

 心臓の音が聞こえる。

 まずは落ち着くことだ。

 落ち着けば、何か分かることだって……ある。

 

 ある。

 

 どこか見覚えのある、懐かしいような……。

 具体的に言うと、学生時代に、文字通り死ぬほど繰り返して目に焼き付けた光景だ。

 

 ごくりと、唾を飲み込み……歩いてみる。

 

 ふらふらと、まっすぐ歩けない自分に気づく、気づいてしまう。

 ナイフを取り出して、まじまじと見つめる。

 

 間違いねえ、バイオハザード(初代)だ。

 

 やべえ、同人誌で主人公をパンチドランカーの設定にしたバチが当たったか。

 というか、オープニングはどうなった?

 ここ、食堂だよな?

 ……昔の記憶過ぎて、攻略方法なんか忘れちまったぞ。

 というか、そもそも苦手だったんだこのゲーム。

 

 ナイフを振ってみる。

 頼りない。

 所詮は素人だ。

 キャンセル技とか使えねえのか?

 素人が銃を手にしてろくに扱えるとは思わないが、それでも銃を手にしたい。

 銃は武器じゃない。

 安心感だ。

 確か、ベレッタがすぐに手に入った気がするんだが……あれ、クリスとジルでルート違うんだったっけ?

 いや、レベッカだったか?

 

 ……食堂から出ると、イベントだったよな?

 ゾンビとご対面の。

 ゲームじゃなく、リアルだ。

 武器を探せ。

 丸太はないか?

 ゾンビには丸太だ。

 

 これは、木の棒……木の棒か、短いな。

 チクショウ、金属バットとか置いてねえのかよ。

 よし、包丁!

 いやいやいや、ナイフは間に合ってます。

 というか、鈍器。

 今俺が求めてるのは鈍器。

 出会い頭に、膝の関節ぶち折ったら、それだけで動けなくなるだろ。

 ナイフとか銃よりも、肉体破壊系の武器をプリーズ。

 

 フライパン。

 いけるか?

 

 リーチが短いから、いきなり顔面行ったらああ!

 

 

 

 

 うわああああああ、首がもげたぁぁぁ!

 って、まだ動いてるうううううう!

 

 

 

 

 やべえ、ちょっと吐いた。

 

 俺、生きて帰ったら、サラダ食うんだ。

 

 

 

 玄関だ。

 エントランスホール?

 細かいことはいいんだよ。

 いや、細かいことを気にしないと死ぬ。

 おお、結構覚えてるもんだな……そう、床に落ちてたはずだ。

 

 よし、あった。

 

 ナイフを手に入れた。

 これで二刀流だぜ。

 

 

 

 

 

 

 待って!

 世界が俺を殺しに来てる!

 鼻歌交じりで、ナイフクリアしてた知人とは違うんだ。

 

 

 

 廊下だ。

 銃のマガジン……は意味ないな。

 でも確か、回復用のグリーンハーブがあったはず。

 回、復……?

 いやいや、これも安心感。

 

 はい、ナイフ発見。

 しかも2本。

 

 

 

 待って!

 これドッキリだろ?

 もしくは悪夢。

 

 ナイフ以外のアイテムがないのかよ!

 

 

 チクショウが、殺られる前に殺れ!

 次の廊下でゾンビが出てくるのは覚えてるぞ!

 出てくる数で、難易度判明だろ。

 イージーなら1体、それ以外は2体。

 いや、この世界には、俺に対する悪意を感じる。

 3、いや4体ぐらいを覚悟しておこう。

 

 

 ……食堂で、テーブルゲットだぜ。

 ほら、アクション映画とかであるじゃん。

 テーブルを盾にして突進とか。

 当たらなければどうということもない。

 テーブル抱えて階段のぼるって、なかなかくるわあ。

 

 さあ、テーブルを構えてラッセル車ぁぁぁぁ!

 ああああ、ゾンビの粘液みたいなのがぁぁぁぁ。

 ぐちゃって潰れて。

 ぐちゃってちぎれて。

 

 

 

 手ごわい敵だった。

 しかし、ゾンビは2体か。

 思ったより優しい世界かもしれん。

 

 ここは何があるんだったかな?

 彫刻に矢が……ああ、矢だ。

 あと、戦闘後ってことで、回復と、銃のマガジンがあるのはお約束だと思うが……。

 

 

 ナイフ発見。

 

 

 うん、そんな気はしてた。

 仕方ない。

 ナイフを使って、このテーブルの脚を、削って削って削って、バキッとな。

 これを2本重ねて……カーテンで縛る。

 

 念願の、鈍器を手に入れたぞ。

 

 そうだよ。

 暗い暗いと不平をこぼすより、進んで明かりを灯しましょうだ。

 ゲームじゃなくてリアルなら、発想しだいでいくらでも抗える。

 世の中には、ハンガーで戦う探偵だっているんだ。

 

 残りの脚、短めに折って、足や腕に装着したら、防具にならんか?

 いや、動きが阻害されるだけか。

 

 次は何をするんだっけ?

 石像を落とすとか、墓地でショットガンを手に入れるとか、断片的な記憶はあるんだが。

 どうせ、ショットガンはなくてナイフだろ。

 ショットガンじゃなくて、弾だったっけ?

 石像を落とすってことは二階だよな。

 落としたら何があるんだったっけ?

 

 

 

 ゾンビィィ!

 

 ……いけるな、この鈍器。

 むしろ大振りに気をつけよう。

 マジでびびった。

 中途半端に記憶があるのも恐ろしいな。

 

 ゲームとかだと、『逃げれば捕まりません』とか気軽に言うけどさ、サーチ・アンド・デストロイしないと、安心して行動できないよ。

 

 

 

 

 さて、この石像が……クソ重いんですがぁぁぁ。

 

 よいしょおおぉぉぉ。

 

 

 

 

 

 

 エントランスホールの床に穴があいたんですが、こんなんだったっけ?

 

 

 

 まあ、いい。

 いや、良くないだろ。

 あの石像落としたら、墓地に行けるとかそんなんじゃなかったか?

 どうなってんだ?

 

 

 

 

 

 とりあえず、そろそろ犬が出てくるはず。

 犬対策のために、カーテンを切り裂いて、腕にぐるぐる巻きつけておく。

 動きを阻害しない程度に、太ももと、お腹にも。

 

 

 

 うん、やっぱり石像を落とす位置が間違ってた気がする。

 

 床に穴?

 そもそも、このゲームの目的ってなんだったっけ?

 脱出?

 あれ?

 仲間とかいなかった?

 

 ちょいまち、廊下の鏡で確認だ。

 

 

 

 

 俺だ。

 鏡に映ってるのは、100%俺です。

 

 

 ふう。

 もうちょっとレベルの高い鈍器が必要なようだな。

 ははは、漫画や映画とは違うから、ドアに体当りなんかしたらダメだぞ。

 一般住宅の部屋のドアぐらいなら、普通にぶち破れるけどな。

 

 

 ……先生、肩が痛いです。

 

 つーか、これもう、食堂で火をつけて燃やせばいいんじゃねえの?

 いけるいける、ゾンビも燃えるって。

 

 確か、2階の食堂のそばにテラスがなかったか?

 あそこから飛び降りたら脱出できるよな?

 

 ゾンビはなんとかなるけど、犬とか毒蛇とか、戦うとかないわあ。

 毒蛇の種類にもよるけど、攻撃速度が0.1秒とか言ってた気がする。

 つまり、反応速度が0.1秒以上かかるとされてる人間にはよけれない。

 

 よし、そのためにも、脱出経路を確保だ。

 

 食料搬送のトラックとか落ちてないかなあ。

 ゲームが違うから無理だよなあ。

 

 仕方ねえ。

 エントランスホールのドアを、どうにかしてぶち破るか。

 

 ああ、だから銃が手に入らないのか。

 マガジンさえあれば、小細工ができるのに。

 

 さーて、ナイフでドアを削っていきます。

 くくく、重厚な造りとは言え、木製のドアだったのが不覚というものよ。

 削って、削って、薄くなったところで……ナイフをあてがって、鈍器でドン!

 よっしゃあ、穴があいた。

 

 

 

 

 

 手こずったが、ようやくドアが開いた。

 おお、朝日が昇る。

 まるで俺を祝福しているかのようだ。

 俺は洋館を後にして歩き出し……ああああああああ!

 

 

 犬、犬、犬、犬ぅぅぅ!

 

 

 ああああああああああああ。

 せめて、2匹は……殺っ……。

 

 

 




記憶だけで書いたらこうなりました。(笑)
後半部分とかほとんど覚えてないや。
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