30年近く前……だと?
任意でセーブができなかった、そんな時代。
……やっぱり悪夢だったか。
いやあ、朝日を浴びながら犬に食い殺されるとかひどすぎだろ。
アクションゲームの世界に一般人を放り込んでどうするのよ、マジで。
……悪夢は続いていました。
ここどこ?
というか、ここはどの世界だ?
牢屋だよな?
牢屋からスタートする世界?
何がある。
何があった?
RPGか、RPGだよな?
起き上がり、鉄格子へと近づいていく……。
やばい、この妙にヌルヌルする動きと、微妙なタイムラグを感じさせる動作に、めっちゃ覚えがあるわ。
特にこの『すり足』の動き。
ああ、ということは、見張りの隙を突いて牢屋を脱出できちゃうんだよな。
こんなふうに。
ああああああああああ、残り時間1時間って、やっぱり『プリンス・オブ・ペルシャ(PC版)』の世界じゃねえか。
しかも初代。
死んで死んで死んで死んで死んで、ひたすらマップと罠と謎解きを覚え込んで、ようやくクリアできる、『死』を前提にした傑作ゲーム。
制限時間内ならいくら死んでも構わないが、制限時間が過ぎるとゲームオーバー。
ステージ数は、全部で12ぐらいだったっけ?(SFC版とは違います)
めっちゃ面白かったけど、めっちゃ面白くて傑作だと思ってるけど、リアルではノーサンキューだろぉぉぉ!!?
確かラスボスの宰相だったよな?
国王が戦争に出かけたすきに、クーデター起こして国を乗っ取るとか……姫と結婚して正当性を得るために、姫本人に了承を得るとか……童貞か!
そもそも、大国の姫と、旅の若者が恋に落ちたからといって、すんなりと結婚できるとか思ってんのか?
姫が拒否してるのは、お前を拒否してるだけじゃ!
主人公は、そのダシに使われているだけなんだよぉぉぉ!
死にたくない。
あああ、でも行くしかない。
生きるために、死にに行こう。
何を言ってるのかわからないと思うが、ここはそういう世界だ。
ステージ1に向かってダッシュだ!
思い出したあ!
武器を持たずに敵に近づいたら生命力の数値にかかわらず瞬殺されるし、敵の前で武器を構えないと瞬殺される。
武器と防具は装備しないと意味がないってやつだな。
確か逆方向に死体があって、そこで武器を手に入れて……天井をつついて、生命力を3から4にひとつ増やす秘薬をゲット。
そうそう、この薬を飲むアクションがやたら豪快で。
あ、体力が満タンの状態で全回復の薬を飲むと、ひとつ上限突破するんだったか?
まあいいや。
薬を飲む時間も惜しいから、ステージ1以外の薬は、寄り道して飲むほどの価値もないし。
最初の敵はただの雑魚。
近づいて繰り返し斬るだけ。
ステージが進むと、『カイン!』とか効果音出して、弾いてくるけどな。
床に穴があいてたら槍が飛び出てくるから、走りながらジャンプで通り抜け……先に、ギロチンドアがあるんだったよなあぁ!!!!
このゲーム、ホントに死に方がリアルで、まっぷたつになるだ……よ。
生き返った!
死んだステージの最初からやり直し。
というか、死んでも痛くなかった。
もう何も怖くない。
敵を倒す以外は、ほぼ走り続けてクリア。
俺の滅亡まで、後、56分43秒。
扉を開くスイッチが、別の場所に設置されてあったりするんだが。
これ、あくまでも俺は脱出しているわけなんだけど、向こうからこっちにやってくる場合はどうするつもりなの?
そんなことを考えながら、俺は走り続ける。
スタミナの数値はない。
主人公はまさしく人間発電所だ。
簡単そうに思えるだろう?
でもね、見えない床とかあるのよ。
実際に乗って、もしくは落ちて死なないとわからないような場所が。
そうそう、変な鏡が置いてあって、そこにダッシュで突入しないと進めないとかなあ。
初見ではどうしようもないというか。
そして、その鏡から、主人公の分身が現れて……色々と邪魔をするけど、コイツがいないと、クリアできなかったか?
あれ、こいつ邪魔しかしなかったよな?
いや、どこかでクリアの助けになった気も……。
最後なんか、剣を抜いての戦いになるんだけど、『剣を収めないと』死ぬまで戦う事になる。(分身は死なない)
もちろんノーヒントだ。
そりゃあ、相手(分身)の生命力が表示されてない上に、攻撃を当ててもなんの変化もないことがヒントといえばヒントだけど。
まあ、いい。
そうそう、ここで分身が現れて扉を閉めて、落とされる……。
……からこのステージは、始まるとすぐに『掴む』コマンドを実行しないと、いきなり死ぬ。
懐かしいなあ。
そうそう、前のステージは『落とされないとステージクリアにならない』から、『え?よじ登る場所で扉を閉められたらどうすりゃいの?』などと、壁にぶら下がったまま考えていると、時間だけが過ぎていく。
よじ登れないのを承知で、よじ登るコマンドを入力すると落とされる……これもノーヒントだよ、チクショウ。
そして場面が切り替わったら、いきなり落下中。
さっきも言ったけど、これがステージの始まりで、壁を掴まないと死ぬ。
ゲーマーとしては懐かしいけど、リアルでやられると……。
さあ、このあたりからは敵も強い。
俺の攻撃を弾いて攻撃してくる。
その攻撃を、俺もまた弾いて切り返す。
いや、格好いいのよ、このアクション。
でもね。
俺の滅亡まで、後、42分28秒。
時間は刻々と過ぎていくのです。
俺の記憶が確かなら、ラストに近いステージで、10分近くかかる長丁場があったはず。
まあ、最後のラスボスとの戦いにたどり着くまでが制限時間なんだけどさ。
宰相の体力は、最大の9。
つまり、9回切りつけないと殺せない。
こうやって、『カイン!』『カイン!』とかやってると、1回切るのに数秒かかるの。
ボスとの戦闘だけで何分もかかるんだこれが。
うん、だからね。
うがああああ、雑魚はさっさと死ねぇぇぇぇぇ!
ああ、あったあった。
こう、閉じられた扉の向こう側に、扉を開くスイッチがあるのよ。
もう、当時は悩んだ悩んだ。
ステージの隅から隅まで走り回って時間切れを迎えて何度ゲームオーバーを迎えたことか。
当然、マップ表示などない。
マップは全部自作した、当時のゲーマーなら当然だろう。
さあ、しゃがんでねずみを呼ぼう。
呼ばれたねずみがスイッチを踏んで、万事解決だ。
もちろん、ノーヒントだ。
当時のゲーマーの合言葉。
『困ったときは、スペースキー』
そうだ。
悲しみは何も生み出さないが、怒りからはたいがいのものが生まれる。
ゆけ。
走れ。
飛べ。
この怒りを全て、悪の宰相に叩きつけるのだ。
当時はほんの少しだけ、悪の宰相を飛び越えてゲームの開発者にまで届きそうだったけどな!
つーか、『カラ〇カ』と同じ開発者って聞いて、スゲエ納得した記憶があるわ。
そうそう。
ステージが進んでいくと、背景の窓から見える景色が少しずつ変化してたんだよな。
こういう細やかな作り込みが、傑作を傑作たらしめてる理由で。
おい、大活躍だな、ねずみ。(笑)
お前がいないとクリアできないんだぜ、このゲーム。
さあ、分身、はよ、来い。
はよ、合体せいや。
妙なエフェクトとかいらねえよ、時間がねえから!
さあ、見えない床だ。
なんだ、見えないだけかと思ったら、本当に床がなかったりするんだよ。
走れ、飛べ。
マップじゃなくて、リズムで覚えている。
たたっ、たーん、たーん、た、たーん、たーん、た、……だったか?
さあ、ラスボスだ!
前口上なんかいわせるか、死ねえ!
ははは、剣を構えてなかったら瞬殺される。
そういうルールだよなあ。
うわあ、姫がドン引きしてる。
はは、ご安心を、姫。
サルタン(国王)が国元の不穏を知り、前もって何人もの部下をここへと向かわせました。
私はその部下の一人です。
宰相はここに倒れました。
サルタンも、まもなく戦いを終えて帰国することでしょう。
少し時間はかかるかもしれませんが、混乱は収まり、平和な日々が戻ってくると私は信じています。
ご覧ください姫。
月が、あんなにも綺麗です。
何の心配もいりませんよ。
……よし、決まった。
このままフェイドアウトだ。
あの、姫?
姫ぇぇぇぇぇ!?
国王の大事な姫に手を出した人間はどうなりますか?
もちろん、手は出していません。
ただ、出されたと公言してはばからない姫がいます。
スペースキー!?
スペースキーはどこ!?
コングラッチレーション!
コングラッチュレーション!
おめでとう!
本当におめでとう!
このゲームのクリアにたどり着いた時の、あの最高の充実感というか達成感というか、ゲーマーにとって忘れられない一瞬でした。
ちなみに、『3D』の方は挫折しました。(1999年の海外版のやつ)
わからなかったんだ。
何をどうやってもクリアできなかったんだ。
今ちょっと調べてみたら、『3D』のあとの『時間の砂』からは攻略情報がぼろぼろあるんだけど、そこじゃないんだ。(涙)