RESIDENT EVIL 好奇心はダリオ・ロッソの息子を殺すか? 作:nassyusan
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9月23日 16:00 ラクーン警察署
ジョン・メイヤーは、
「STARSの連中の危惧する通りの事態になってきたな……」
ジョンはデスクに溢れかえった報告書からスタジアムでの悲劇の実情を察する。「暴徒」は歩く屍入りした市民、ねずみ算式に「暴徒」は増え瞬く間にスタジアムは地獄と化した。
しかも人気チームの試合とあって、市外からの観戦者も合わせてスタジアムは満員状態だった。少なくとも5000人前後の観客が訪れていた。一人の感染者から一時間足らずでスタジアムは感染者で溢れかえった。レン達が生きて帰ってこれたのは奇跡に近い。
しかし、疑問なのはスタジアムの「爆破」だ。スタジアム全体を倒壊させるレベルの爆薬を仕掛けるのは個人では不可能だ。では、どこの組織が何を目的に仕掛けたのか?
スタジアムが爆破されたお陰で感染者の多くは生き埋めになっただろうが、同時にまだ居たであろう「生存者」も生き埋めにされた。オマケに周囲を包囲する警官隊の増派は署長の
今やるべき事は、有力な警官隊を編成して街の各所に潜んでいる感染者の掃討であるはずなのに。署長は、むしろそれを妨害し続けている。
オマケにスタジアム崩壊をテロリストの仕業として、「非常時対策」と称して署内の武器弾薬を武器庫から分散配置するべし。とまで伝達してきている。
明らかに署長の指示は不審なモノばかりだ。取り返しのつかない事態に陥る前に「信用できる」対策本部メンバーと共に署長を強制的に拘束するしかなさそうだ。
ジョンはデスクの署内電話を取り、本部メンバーへ連絡を取ろうとする。が、不通、繋がらないのだ。電話線が切断されている。
「そこまでです。チーフ。」
ジョンは咄嗟に愛用の
「懸命な選択ですね。私もチーフを手にかけたくはありませんから」
ブラインドが降ろされているオフィスの扉越しに続けて声が聞こえてくる。同時にブラインド越しに発砲されて無残に割れたガラスを踏みしめながら扉が開かれる。
ジョンは現れた人物の姿を見て、絶句する。
「リタ……。まさか君が署長の手先になっていたとはね……。」
ジョンには信じられなかった。マービン・スタナーと並んで信頼できるとして本部メンバーにしていた「リタ・プール」が内通者だったのだから。
「人聞きの悪いですね。私はただ、署長の指示に従っているだけですよ。
リタは特に気分を害するでもなく、加虐的な微笑を浮かべる。
「ラクーンの危機を救えるのは今、この初期段階においてだけだ。君も分かっているだろう。署長が正気で無いことは、
リタは動じない。わかりきっている事だと言わんばかりにジョンに
「重要なのは私自身の利益、生存だけですよ。ラクーンの命運なんて些細な事じゃないですか?チーフ」
リタは的はずれだと言わんばかりにジョンの主張を嘲笑する。今の彼女には普段の正義感の面影は少しも無かった。
そして、ジョンはリタに促されるようにオフィスから連れだされた。
「えぇ、署長。予定通り
リタは無線越しにアイランズ署長に報告を送りながら、ジョンに先頭を歩かせている。
留置場へと向かって歩かされるジョンは、自身よりほかのメンバーの安否を心配していた。他のメンバーも同じように確保されたのか、それとも処分されたのか。
「心配しないで良いですよ。チーフ。マービンも、エリオットも無事ですから。最もこれから先も無事かどうかは、保証出来ませんけどね。」
ジョンの不安を察したリタは、他の本部メンバーが無事であることを教える。が、ジョンは署長が本部メンバーも分散して市内に配置するだろうと一言言うと、黙りこむ。
「どちらにせよ、チーフにはもう関係の無いことですよ。」
留置場の檻に入れられたジョンは簡易ベットに腰掛けると唖然としたように天井を見つめる。
「監視の目をそらさないように」
留置場入り口に立っている一人の警察官にそう告げると、リタは留置場を去っていった。
「よぉ、お巡りさん。アンタもなんかしでかしたクチかい?」
ジョンは隣の檻に入れられている男に注意を向けた。
「署長の身の回りを嗅ぎまわってぶち込まれたジャーナリストか?」
ジョンには一つ心当たりがあった。
随分と有名になったもんだな。と男は言うと、ジョンと同じように簡易ベットに腰掛けるとジョンに向き直る。
「その様子だとアンタも署長の邪魔になったから、
「状況は最悪さ。生憎と状況鎮圧の為に動いてたんだがね……。」
「先手を打たれたってトコロだろ?」
男は肩を竦め両手を挙げ
「オレは見張りの男に
そう言いながら男は留置場出入り口に居る見張りの警官の様子を見ながら「此方に来い」と手招きする。
男を信用していないジョンはゆっくり用心深く男に近づく。鉄格子越しに差し出された拳銃には覚えがある。
「コイツをどこで!?」
男は口に指を当て、静かに。といった感じでジョンを落ち着かせる。
「いったろ?ヤツには貸しがあるんだって」
男はニヤニヤとしながら見張りの警官を指差す。どうやら、随分と重要な貸しがあるらしいな。
ジョンは手元に戻ってきた自身の拳銃、ブローニングハイパワーを手に取るとコッソリと自身の上着下のホルスターに戻す。
「まだ名前を聞いてなかったな。アンタ名前は?」
ジョンは名前を聞いていなかった事に苦笑しながら尋ねる。
「オレかい?オレはベン、ベン・ベルトリッチ。しがないフリーのジャーナリストさ。」
ベンはニヤリと企みを込めた笑みでジョンに答えた。
まだ、諦めるには早いか。ジョンは自身に思いがけず訪れた転機に新たな希望を見出していた。
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署長の手記
9月23日
署の内部を混乱させる事に成功した。外部から支援が来る心配もない。
厄介なジョン・メイヤーの無力化にも成功した。もう私の邪魔をするものはいない。
選抜警官隊も市内に無造作に分散配置されれば、その真価を発揮することは出来ないだろう。
署内の武器弾薬の分散配置もまもなく完了する。仮にジョン達が事態の沈静化に再び動き出したところでもはや手遅れだ。
街の各所でゾンビどもが現れ始めているが、RPDを壊滅させるにはまだ足りない。
仮に事態を鎮圧したところで、私の裏の顔を知られている可能性がある以上誰も生きて此処から出すわけにはいかない。
それにしてもリタ、リタ・プールは私の指示通り良く動いてくれている。ジョンの奴もまさか信用しているメンバー内に内通者がいるとは夢にも思っていなかっただろう。
ミヤコの書いた
まったく、
だからこそ、私も失敗は許されない。
「G」さえ手に入れれば、生きてこの街を出るための手段を彼女は用意してくれるだろう。
だが、失敗すれば容赦なく切り捨てられる。私が生き残るためにも、必ずラクーンは崩壊させる必要がある。
しかし、不審なのはバーキンの「G」の内実がどこから漏れたかだ。署内で知っているものは私を含めてもごく少数。あとはリタぐらいなものだ。
だが、リタが裏切るとは考えづらい。ミヤコが用意してくれたコマなのだから、ミヤコの不利益になるような事はしない筈。
となればバーキンの研究所の所員からでも漏れたに違いない。
バーキンめ。お陰で何処までも呪われる。せっかく、お互いに蜜月の関係を維持していたというのに!!
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9月23日 22:00 Jack's BAR
アリッサ・アッシュクロフトはその日、猟奇事件の取材に追われていた。
ノートパソコンに取材内容を纏めつつ、TVニュースに耳を傾けている。
「ラクーンスタジアムの爆破テロ、街の各所で起こる猟奇殺人……。全く、時間がいくらあっても足りないわね。」
取材のネタに困らないことを喜びながらも、あまりにも多発する事件に不安も感じてしまう。
これだけの大事なのに警察の対応は後手後手、「市民の安全の維持、安心できるラクーンシティ。」を掲げるブライアン・アイアンズ署長にしてはあまりにもお粗末な対応である。幾ら事件が多発するからといって、話題のラクーンSWATすら禄に活用していないようでは先が思いやられた。
署内の対立に依るものか署長の自暴自棄による現場の活動妨害か。それとも、事実としてラクーン市警の対応能力をとっくにオーバーしてしまっている事態なのか……。
どの可能性もあるからこそ、結論を出すのを控えたアリッサは再びタイピングの指を走らせる。カタカタと軽快な音を立てるキーとは裏腹にアリッサの心中は不安と懐疑が入り混じったものとなっていた。
「お仕事忙しそうだね。」
店員のウィルが注文したスープをテーブルに置きながら、此方に話しかけてくる。
「そうね。今日なんて寝てる暇もないわよ。」
アリッサの表情には若干疲れを感じたが、それでも確固たる意思で仕事に打ち込んでいる事は分かった。
「たまには一息付くのも肝心さ。ウチの豆スープでも飲んでリラックスしなよ。」
ウィルはアリッサのタフさに驚きながらも心配するように、自慢の豆スープを勧めた。
「此処の豆スープは好きよ。醤油が効いてて、あまりしつこすぎないし。」
言いながら、スプーンを摘みスープを掬うと口に運ぶが、アリッサの片手はまだキーを叩いていた。
「ボブっ!!大丈夫か?」
ガタリと派手に転んだ初老の禿頭の小柄なボブと呼ばれた男性を心配するように大柄のガタイの良さそうなスキンヘッドの黒人男性がボブを助け起こす。
「心配ない……。ちょっと飲み過ぎただけさ、すまんマーク。」
マークと呼ばれた黒人男性は、気にするなと言うとボブに肩を貸しながら元のように戻した椅子にボブを座らせた。
少し間を置いてガチャリとドアを開けて客が店内に入ってくる、が、その足取りはふらつき気味でありその上顔は俯いており表情は伺えなかったが、体調が悪そうである様に思えた。
「客にしては妙だな……」
ウィルは店内に入ってきた「奇妙な」客に対応しようと歩み寄っていく。しかし、近づけば近づくほど強く漂う
丁度客の目の前近くまで近寄ると、その客が顔を挙げる。その顔は半分爛れ、崩れかけており、腐敗しているように見えた。
「ひぃッ!?」
ウィルがおもわず短い悲鳴をあげ、思わず尻もちを着いてしまう。
BANG!
一発の銃声の後にソレが、ウィルの目の前に力無く崩れ落ちる。
「な……」
目の前に倒れた噂の
ボーッとしてんなよ?と女性の声に振り向くとウィルの
「あ、あんたは?」
そんなことより、と彼女は言うとウィルの視線を店外へと向ける。
いつの間にやら店外には硝子越しに十人前後の歩く屍達、どころか更に増えている。どうやら、さっきの客だと思っていた男は
「う、うわぁああああっ!!」
目の前の現状を理解したウィルは恐怖に絶叫する。周囲の客もようやく事態を飲み込めたようで、店内には困惑と恐怖が入り混じった空気が漂い始めている。
半開きの扉に気付いたゾンビ共が、我先にと店内になだれ込み始める。勿論標的は、入り口に最も近いウィルを獲物にして。
「突っ立ってんじゃねぇよ!!下がれ!!」
先ほどの女性が、怒声と同時にウィルを後ろに引き離すと左手にも拳銃を引き抜き雪崩を打つゾンビ共に対して銃撃を始める。
数分と立たずゾンビ達の屍が積み上げられる、大まかな数でも20はいるように見える。そして吐き出されたばかりの熱を持った空薬きょうが店内にバラ撒かれていた。
「全く……、最後の晩餐くらい静かに食わせやがれよ。」
女性はカリカリに焼きあげられたウィンナーを齧りながらそうぼやく。まるで、この手の状況には慣れっこだと言わんばかりに。
「おい、ボウイ。遅れたが……ロベッタ・ハロウェイだ。短い間かもしれんが、ヨロシクな。」
突き飛ばされる同然で後ろに庇われた所為で、再び尻もちを付いていたウィルの方に振り返ったロベッタは手を差し伸べていた。
店舗入口を施錠し、樽で塞いだ市民達はとりあえず状況を把握する。
噂が事実であったこと、街にゾンビがあふれる程度には警察機能が麻痺していること、まずは自分たちだけで生き残るために努力しなければいけないこと。
「じょ、冗談だろっ!?」
ウィルは動揺を隠し切れないといった感じで嘆きながらも店外の様子を伺っている。
「どうやら、思っているより事態は深刻みたいね。」
アリッサはそう言いながら、ノートパソコンの入ったバッグを大事そうに抱えた。
「兎に角、此処もいつまで安全か分からん……。とはいえこのまま正面から出て行く訳にもいかんだろう。」
警備員の格好をした黒人男性、マーク・ウィルキンスは動揺するでもなく冷静に意見を述べつつも相棒のボブの体調を気にしていた。
ウィル曰く2階のスタッフルーム、3階の酒倉庫を抜けて屋上から隣のビルに移動できるとのこと。移動中に危険がないとは言えないが、
「そ、そうだ!!確か、カウンターの下に」
ウィルが思い出したようにカウンターの下を探りだし、あるものをゴトリと音を立ててカウンターの上に置いた。
「オイオイ……。BARに
モスバーグ、12ゲージ。迷惑客を追い払う用にしても、過剰威力だこんなモン。
モスバーグを手にとったロベッタは、用が済んだか?といった風にウィルを見、そうだと聞くと改めて全員で2階のスタッフルームへ進みだした。
扉が破られ、先程より多くのゾンビ達が店内に雪崩れ込んできたのは僅かに数分後の事であった。
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緊急指令書A
掃討作戦指令
内容:中央通りへの爆薬設置 及びバリケードの敷設
時間:本日午後7時より60分
作戦人員:6名
補足1:基本的には人命救助を優先するが、対象が呼びかけに呼応しない場合は殺傷を目的とした発砲を許可する。
補足2:爆薬敷設後は作戦区画から直ちに撤退し、本部からの指令を待て。
責任者:シェルビー・
緊急指令書B
避難勧告指令
内容:封鎖指定区域からの市民避難誘導
時間:本日午後7時
作戦人員:3名
補足:避難勧告に従わない市民に対しては安全を保障しない旨を伝えよ。
責任者:ジョン・メイヤー
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9月23日 22:10 Jack's BAR前通り
レイモンド・ダグラスは目の前で繰り広げられる惨状に驚きと憤りを持って立ち向かっていた。
通りで行った避難勧告、多くの市民たちが我先にと此方に向かってくる一方でそれを追うようにゾンビ共が群がってきたのだ。
「エディー!」
レイモンドは彼の名前の名前を叫ぶと、
「感謝します、巡査部長。」
エディーと呼ばれた童顔の警官は、窮地を救ってくれた上司に感謝しながらコルトのマガジンを取り替える。
「こいつら、どれだけ湧いてきやがるんだ!!」
細身の警官が
「アーサー!!赤頭が来るぞ。」
アーサーと呼ばれた細身の警官目掛け、立ち上がった俊敏な動きの
慌てて、発砲するアーサーだが5発と撃たない内にカチンと
「アーサーさん!!」
エディーがコルトを速射するが、器用に腕で頭部を防ぐ紅頭はそれをもろともせずアーサーをその長く鋭利な爪で切り裂く。
直後にエディーの的確な一撃が、紅頭の頭部を撃ち抜くとようやく紅頭は唯の骸となる。
エディーの援護を受けながら、レイモンドはアーサーを引きずりパトカーを背に体を預けさせる。
アーサーの出血は酷く傷口から夥しい量の血が制服を赤く染めていく、それに比例するように顔色を白くしていく。どう見てももう助からない、レイモンドもエディーも分かってはいるが理解することを拒否したかった。
「れ・・・レイモンド……。す、すまん。しくじちまった。」
息も絶え絶えに言葉を絞り出すアーサーの姿は見るからに痛ましい、レイモンドが思わず止めようとするがアーサーの懇願にそれを諦めた。
「良いいか。俺は後悔してはな……ぜ。自分からのぞで志願したんからな……。えでぃをたののむ、ジョんに顔向けできなないからよ……。」
ところどころ呂律が回らなくなりながらも、言葉を紡ごうとするアーサーの姿にエディーは涙を堪えられなかった。少なくとも、気のいい先輩分の一人であったアーサーの死を前にして冷静でいられるほど精神が強い訳ではない。
「じょンのやつ、きとエでぃのしんぱいしてル。れいもド、たのむジョんの約束まもて……」
言い終わらない内にアーサーは力尽きる。いや、正確には新たな屍として立ち上がる。歩く屍の仲間として。
「あぁ……くそっ!!」
レイモンドが嘆きながらスパスを構え、そして……通りに銃声が響き渡った。
やっとOB時間帯(23日晩から発生シナリオ)です。
発生であっさりしんだアーサーさん(OBで避難勧告をメガホンでする人)
レイモンドおじさん(ショットガンでドア破る人)をちょっと出番を多くしました。
シンディ?さぁなんのことやら(すっとぼけ)