第二次 特異個体 R-00 "開拓棲鬼" 報告書
2207/10/23 第二次硫黄島調査艦隊を編成、横須賀鎮守府所属戦艦 長門、軽空母 隼鷹、駆逐艦 暁 響 雷 電からなる6隻で再度硫黄島調査を行った
同日、硫黄島近海で手紙を持たせた艦載機を隼鷹より発艦、開拓棲鬼との接触を図る
同日、艦載機が硫黄島より帰還、搭乗妖精は開拓棲鬼より、今すぐにも迎える準備は出来ている、との返答を口頭で受け取り、母艦隼鷹に伝えた
同日、艦隊は硫黄島に上陸、上陸後開拓棲鬼が摺鉢山方面から出現。開拓棲鬼の後を歩いて開拓棲鬼の基地へ進撃
同日、艦隊は開拓棲鬼による歓待を受け、基地で一夜を明かした
翌2207/10/24、艦隊が帰投
艦隊の報告はどれも不明瞭として省略
経過観察は必要だが他海域の深海棲艦の様に明確な敵意がないことは確かだ
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ウイイイイイイイイイイイイ↑ッス!俺やで
深海棲艦になった俺やで
おいそこ!りんごの話やめろ!ちょっとだけショック受けたんだぞ俺!
気を取り直して目下最大の課題、艦娘のご機嫌取りをですね、やりたいんです。
そこで俺はこのリンゴを使ってなんかしらの料理をしたいなぁって思うんですね。
りんごの他には島バナナしかないし、最近の主食は島バナナと魚しかなくて困ってる
まぁまずは何よりナイフを持つことには始まらないのでナイフっぽいのを探す、目標は黒曜石だいつ来るか分からないのに磨製石器とか作ってる暇なんてないから黒曜石を探す
黒曜石は火山がなんやかんやして生まれたって知ってるから火山列島の八丈諸島を漁る
俺 は 黒曜石 を てにいれた !
八丈島の辺りの神津島の近くの恩馳島とやらで手頃なサイズの黒曜石を頂いた、バレなきゃ問題ないんですよ、偉い人が言ってました
てなわけで打製石器をいくつか生成、簡単なモリやナイフを作ったおかげで魚まる齧りから卒業出来た、これで十分ニチィ…パワーを得れる
まぁなんやかんやてして横穴式住居を掘りあげた辺りでまた俺レーダーに感がある、俺レーダーも進化してるのか前は妖怪〇ンテナタイプだったのに今度は額のあたりに稲妻が走るいわゆるNTタイプに進化した
乙な国民的ロボットアニメの鼻歌を奏でつつ感のある場所に近づく、今度は艦載機が飛んでいて、砂浜に着陸する、ちっこい妖精がトテトテと歩く姿は癒される
"今からそっち行ってもいーい?"byながもん
おぉん?いや、連絡しろと言ったがそういう事じゃなくね?艦載機来てるってことはもうほんとに近くなんじゃね?これ急に友達にインターホン押された時の感じだわ
「妖精さん、伝言いいかな?」
妖精に問いかけると敬礼して聞く体制に移る
「家来てもいいよって、宜しくね」
再度敬礼するとテテテっと駆け足で艦載機に戻って母艦に戻っていく、手を振って見送る
「急すぎるわ」
駆け足で島バナナにりんごを収穫、最近手を出したアジの干物を仮拠点の机の上に並べておく、その際今朝とった魚が腐ってないか確認する
「そろそろかなぁ」
そう思った俺は、前回彼女らが来た個人的に名前をつけた南海岸に向かう
「あっ」
既に彼女らは上陸し終わり、こちらを探していた
「おーい」
ながもんが手を振る、こちらは深海棲艦らしさを持って彼女らと接触しようと心がける
「はわわ、ほんとに深海棲艦なのです」
はわわと声を上げたのは諸葛孔m…じゃなくて電だと俺のサイドな
エフェクトがそう言っている
正直万能尻尾君は戦闘能力よりもサブアームに近い扱いだ、ふと思い出したが万能尻尾君って元は口は付いていないし付け根も脇腹のあたりだけど気がついたら腰から生えていたし、口も付いてた
「よく来たな、歓迎しよう、盛大にな」
気持ち低めの声で呼びかける、髪の白い響という娘がハラショーと目を輝かせているがそれを無視しつつ
「付いてきてもらおう」
踵を返し仮拠点へと歩みを進める、一応人数分の足音は聞こえるから付いてきているのだろう
「どこに行く気だ?」
ながもんからの問に
「俺の仮拠点だ」
と答える
少し歩いていると仮拠点の横穴式住居が見えてくるのでここが仮拠点だと言う
「凄いわ!」
「ハラショー」
「このくらい、暁でもできるのだから!」
と小さい組は和やかな反応が帰ってくる、大きめの葉と枝で組んだ簡易的な扉を開けてようこそ、と中へ入るのを促す
口々にお邪魔しますと言って仮拠点内に入る、廃棄された自衛隊基地から頂いてきた発電機を回し電球に光を灯す
フル-ツを黒曜石のナイフで向きながら木をなんやかんやして削り出し、磨き上げた木製ボウルによそい彼女らに差し出す
「この辺じゃあこんなもんしか取れないけれど」
と前置きしてウサギに切ったリンゴや色のいいのを選んだ島バナナでもてなす
「少し待っててくれ」
外に出て予め見繕って、周囲の木を伐採しておいたヤシの木から木の実をいくつか用意して水分として彼女らに出す
夜になって帰ろうとする彼女らを呼び止め、どうせなら1晩泊まっていきなさいと声をかける、夜道は危ないからと彼女らも納得し、大きめの葉で作った布団っぽいので皆で雑魚寝する
とりあえずひとまずのもてなしは済んだから純粋に開拓を進められる…こんなに嬉しいことは無い
土産にアジの干物を持たせて見送る
さらばだ、できればこないで欲しい、そう思いながら島バナナを齧った