・シンフォギア世界での常識(アイドルなんかは興味ないので知らない)
・元の世界での常識
・戦姫絶唱シンフォギアの設定(人物やストーリーは除く)
の三つで構成されております。
刃渡り1mはある大きな黄金の剣を、己の怒りのまま振るう。
技も何も無い力任せの一撃は、それでも一振りで片手では足りない数のノイズを炭素へと変える。
「クッなんなのアイツは!?」
「ボサッとしてんな翼!ノイズを倒す以上、今は味方だと思え!」
乱入してきた不審者の対応を決めあぐねていた青い少女に、黄色の少女が指示を出す。
本来、自分や彼女達が纏う武器であるシンフォギアとは、彼らの組織に所属する科学者が独自の理論を元に聖遺物を対ノイズ用に改造した物である。
よって俺……上代 直がシンフォギアを纏っている事は、彼らの組織から聖遺物かシンフォギアを強奪したこととなるのだ。
疑われるのも無理はない。
黄金の剣を振りかざし、ギアから感じられるエネルギーを剣に束ねて衝撃波として打ち出す。
「あれは……蒼ノ一閃か!?」
「いやぁ、ただ似てるだけの技だろ」
黄色い少女が広域殲滅技で数を減らし、残ったノイズは青い少女が確実に討ち取っていく。
息の合ったコンビネーションに内心驚いていると、全長5mはある巨大なノイズが黄色い少女に向けて突風を放つ。
崩れた瓦礫が風に巻き込まれて更に威力を増した風に、黄色い少女が防御に集中するが、それでも防ぎきれないのか、と時々被弾が見られる。
「うおおおぉぉぉぉぉ!」
手に持った槍を高速回転させて風圧と瓦礫から身を守るという荒々しい防御法を取っているためか、少しずつ体制も崩れてきている。
「奏!」
「やらせるか!」
少女を守るために黄金の剣を逆手持ちにし、上に掲げる。
エネルギーが纏わりついた感覚を確認してから投擲する。
さきほど少女がやっていたように分身させる事は出来ないが、それでも青い少女が空中から放った衝撃波も相まって威力は十分だったようで、巨大ノイズを打ち抜く。
「おい!大丈夫か!」
だが、それでも一歩遅かったようで一般人と見られる少女が胸を血だらけにして倒れている。
それを横目で確認し、間に合わなかった後悔を振り払うように剣を振るうのを続ける。
「……いいさ。ならやってやるよ」
黄色い少女が一般人の女の子を地面に下ろし、そして槍を掲げる。
『Gatrandis babel ziggurat edenal』
「ダメ!奏!歌っちゃダメ!」
少女が歌い始めた途端に先ほどまでとは数段悲惨さの感じられる声を上げる青い少女。
ノイズの壁に阻まれて黄色い少女を止めることが出来ないようだ。
『Emustolronzen fine el baral zizzl』
「奏えええええええええええええええ!」
黄色い少女の歌を無かったことにしたい。
そんな思いののった声が黄色い少女の声を塗りつぶす。
だが、歌うのを止めない少女は歌を続ける。
「『Gatrandis babel ziggurat edenal Emustolronzen fine el zizzl』……絶唱」
先ほどまでとは威力が違う、黄色い少女を中心にした衝撃波がノイズ達を襲う。
先ほどから嫌な予感を感じて瓦礫の山に身を隠していた俺でも凄まじい風圧に身を持っていかれそうだ。
一瞬で俺のもとを通り過ぎて行った衝撃波は、やがて周囲にいたノイズを炭素ごと吹き飛ばした後に消滅した。
「奏!奏!」
青い少女の声が聞こえ、瓦礫から身を乗り出してみると、黄色い少女が青い少女の腕に抱えられている。
一般人の方の少女はどうなったのか心配になり、少女を寝かしていた場所を見ると、胸が微かに上下しているのが確認できた。
驚くことに胸から流血するケガをしていても生きているようだ。
「あああああああああああ!」
青い少女の慟哭にビクリと顔を向けると、黄色い少女がノイズのように炭素化しかけているようだ。
少女の声から感じる悲しみの感情に思わず、「まだ死ぬな!」と祈る。
すると、黄金の剣の鍔についていた3本の黒い爪のような装飾が砂のように崩れ去る。
「奏!」
灰色になりかけていた黄色い少女が色を取り戻してぐったりと倒れる。
何が起きたかは知らないが、なんとか生きれたようだ。
このままこの場にいてはややこしくなるだけと判断し、俺はその場を後にした。