クリーブ兄貴として、暁の水平線に勝利を刻むぞ! 作:V-ACT
人気投票5位おめでとうクリーブニキ!(遅い)
って事で、新衣装期待!
鎮守府近海は特に危なげなく進めて、もう少しで陸に上がれるらしい。
たまに敵と遭遇したものの、オーラもない弱い深海棲艦ばかり……。
因みに俺が今まで戦ったのは、駆逐艦や軽巡洋艦に相当する奴ららしい。
そう考えると妙にあっさり倒せたのも当然だったのか、納得。
「クリーブランドさん、着きましたよ!」
「あれあれ!あれが私達の所属する舞鶴鎮守府!」
「ん、おお……」
赤レンガが鮮やかに映える、比較的新しめな建物だ。
舞鶴って事は京都府。
景観を壊し過ぎないようにと、清掃が行き届いているのか小綺麗な印象を受けた。
湾から陸に上がると、その印象が正しかったとより理解できる。
「何だか見ていて気持ちが良いなって、私は思うぞ」
「え……す、凄い、クリーブランドさん!一目で分かっちゃうんですか!?」
「見る限りゴミ一つないし、辺りの整備も行き届いてる……私の知る場所と比較するのもあれだけど、ここの艦娘達の努力が見てとれるさ」
重桜の鎮守府は艦の皆に合わせ、自然を取り込みすぎて手入れが大変。
ユニオンの海軍司令部は、人も艦もエネルギッシュな分ちょくちょく荒れる。
そこから比較すれば、まぁ月とスッポンだわな。
だからこそユニオンで一人まめに掃除していたような俺や、面倒見が良く綺麗好きなクリーブランド……両方の感性でここはしっかりと環境整備が行き届いていると判断した。
「あれ、私達がやってるなんて一言も言ってないのに……」
川内が「どうして?」と首を傾げているので、笑って答えてみせる。
「さっきここを私に見せようとした二人の顔にバッチリ書いてあったからさ、誉めて誉めてってな!」
「「えっ」」
「二人とも、良い子だ……」
「ーーーー」
「は、はわわわわ……!?」
目を見開いて固まる川内、赤面して混乱気味な白雪。
頭に手を置いたくらいでこれって……二人とも初だなぁ。
そりゃあ元の『俺』がやったなら、嫌がったり恥ずかしがったりして当然だ。
しかし今の俺は女の子のクリーブランドだぞ、女子同士特有の気安いスキンシップってノリで済ませりゃ良いのに。
「……クリーブランドってさ」
「ん?」
「男の子だったり……しないよね?」
「何言ってるんだ、私は女の子だぞ!」
「だ、だよね~……ははは」
「ドキドキ、しました……」
ドキドキしたのはこっちだっつうの!
何で今の流れでクリーブランドが男子って判断を下すんだよ!
まぁ、実際『俺』が融合(?)してるんだから正解なんだが……鋭いな川内!
「仲睦まじいのは良いのですが、報告がありますからお急ぎで……」
「おっと、申し訳ない!んじゃ、二人とも行こう!」
「あっ、うん!」
「り、了解です」
川内や白雪とのコミュニケーションも大事だが、妙高達を困らせるレベルで待たせてはいかんな。
話を打ち切って、俺達は舞鶴鎮守府に足を踏み入れた。
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鎮守府内を妙高達に案内してもらいながら、進んでいる。
中も外同様に整っており、現在は出撃しているのか第一艦隊の姿はなかった。
しかし第二、第三艦隊の面々と遭遇できた。
「おや、皆もう帰ってきたんだね」
「あたしらだけドッグ入っててごめんね!大丈夫だった!?」
「トラブルはありましたが、この通り川内さん含めて彼女の全員無事ですよ」
「……心配したよ、川内さん」
「白雪の報告聞いた時は先に逝かれちゃったかと思って、涙が止まらなかった!」
「うへー、二人とも心配させてごめん!」
彼女らは白露型駆逐艦一番艦と二番艦である、白露と時雨。
茶髪ショートに赤いヘアバンドをしてる元気満点な娘と、黒い後ろ髪を三つ編みにしてリボンを着けた穏やかな娘、どちらも黒いセーラー服を着ている。
名前だけなら方向音痴なほわほわワンコと、佐世保のラッキーウルフが想起されたのだが。
彼女らは妙高率いる第三艦隊に所属する子達で、救援隊出撃時は無視できない負傷でドッグに入ってしまっていた。
……同時に川内が沈んだ戦いでは僚艦のメンバーでもあったそうで、また先に沈ませてしまったと気に病んでいたそうだ。
だからこそ。
「それで、その人が川内さんを助けてくれた?」
「そう、『クリーブランド』だよ!」
「へぇ~!噂の……『クリーブランド』?」
「ほう……『クリーブランド』かぁ」
名前を聞いた途端、空気が変わった……特に時雨。
さっきまで何だかんだ朗らかな雰囲気だったのに、白露は困惑しているし、時雨は目が笑っていない。
やはり遭遇した艦娘のほとんどが、川内の様に記憶が曖昧って訳じゃなさそうだ。
……って事で、少しでも印象を改善するため努力しよう!スマイル!
「改めてクリーブランド級の長女、クリーブランドだぞ!今後ここで働く事になるとは思うからよろしく!」
「あ、うん!よ、よろしくねぇ~!」
「……まぁ、よろしく」
うーん、返事はくれたが距離がある……羽黒や初風同様に、仲良くなるための機会と時間が欲しい。
彼女らと別れてすぐに遭遇したのは川内や白雪と同じ、第二艦隊の駆逐艦達。
それぞれ吹雪、初雪、深雪、磯波と知ってる子の方が少ないレベルだ。
唯一面識のある吹雪も、セミショートにおさげでセーラー服とイメージが全く変わる。
「川内、さん……」
「た、ただいま……吹雪」
「うっ、ぐすっ、川内さぁん!!」
頭を掻いて気まずそうな川内に、吹雪が大泣きしながら抱きつく。
二人の関係性は知らないが、仲が良かったであろうことが窺える。
「……やれやれ」
「へへっ……生きてりゃ良い事あるもんだな」
「そうです、ね……ぐすっ」
他の三人も川内を心配していたらしく、瞳を潤ませながら二人の再会を眺めている。
同じ艦隊である白雪も嬉しいのか、俺の隣で笑顔を浮かべている。
「吹雪、通信で聞いたと思うけど……あの子がクリーブランド、私を助けてくれた」
「ひっく、はい、クリーブ、ランドさん……」
「お、おう?」
「ーーーー本当に、ありがとう、ございました……川内さんを救ってくださって!」
そうして最高と評すべき笑顔を見せてくれた。
彼女の表情を曇らせる結果にならなくて良かったと、心から安堵した。
彼女らとも軽く挨拶を済ませてからは、舞鶴鎮守府の指揮官がいる執務室までやってきた。
ここに至るまでの鎮守府の様子を見る限り、指揮官としての能力は十分優れている様に感じる。
ただ、人となりは会ってみない事には分からん。
百聞は一見に如かずと言うわけで、いざ対面の時。
「『提督』、失礼至します」
「ああ、待っていたぞ」
ああ、指揮官ではなく『提督』って呼び方なんだな。
……しかし、今の声聞き覚えがあるような。
そう思いつつ執務室に入っていく妙高に続くと、そこにいたのはかつて会ったことがある人物にそっくりな女性であった。
「まずは妙高以下救援隊、任務ご苦労であったな」
「「「「「はっ、提督!」」」」」
彼女は黒髪ロングを後ろで大きく、右で小さく結っている……そこまでは共通。
俺に覚えがあったのは黒い軍服に白い和装を羽織り、右腕にZ旗腕章を着けて、軍刀を持った角の生えた女性である。
しかし目の前の人物は、前世で『俺』が着ていた様な真っ白な指揮官用軍服。
「次に川内、色々と言いたいことはあるのだが……よくぞ、無事に帰って来たな」
「あっ、あはは~、ありがとう提督!」
口調やら仕草やらも非常にそっくりだ。
ただ彼女は人間の提督で、前世で覚えがあるのは艦船少女……どんな因果だろうか。
まさか名前まで一緒なんて事は……。
「そして……貴殿が我が鎮守府の艦を助けてくれたのだな」
「その通り、私はクリーブランドだ!」
「クリーブランドか……我が名は三笠
や っ ぱ り か !
似ている似ているとは思っていたが、姓まで共通項があるとなると偶然かどうかもう疑わしいわ!
……だが、彼女が艦船少女の三笠かと言われると違う気がするのだよなぁ。
「今回の事は非常に感謝している、礼として出来る限りもてなさせてもらおうとーーーー」
「あっ、それについてなんだけど提督!」
「む、なんだ川内?」
川内が三笠……提督の言葉を遮り、こちらに視線を送ってきた。
どうやら俺から彼女に伝えて欲しいようだ。
「私には帰る宛がない、だからここに置いて欲しい!……だめかな?」
「何だとっ、そうだったか……」
三笠提督は暫く考えこんでから、改めて
その表情は明るかった。
「絶体絶命の川内を救えるほどの技量を持つ貴殿を迎えられるならば、願ってもないことだ」
「だ、だったら!」
「クリーブランド、ようこそ舞鶴鎮守府へ!」
どうやら受け入れてもらえるらしい。
川内と白雪は喜んでいるし、妙高や長波は何処かホッとした表情……羽黒と初風は複雑な感情が、顔に浮かんでいる。
こちらとしても嬉しいが、本番はここからだな。
返事までの長考から察すると、完全に信頼を勝ち取れた感じではない。
さらに自分とクリーブランドに起こっていることの情報、艦娘達との人間関係……そして深海棲艦との戦い等と解決しなきゃいけないことが多すぎる。
「へへっ、クリーブランド級軽巡洋艦一番艦クリーブランド!ここ、舞鶴鎮守府に着任いたします!よろしくね、提督!」
だが今は、新たな仲間を得られた事を素直に喜ぼう。
悩んだり頑張ったりすんのは、そのあとだ!
ようやく安寧の地に至れたか、クリーブ兄貴姉貴兄貴!
次回は鎮守府内の案内やら、出会ってない第一艦隊の面々と新兵二名との挨拶やらです。
また、一時期ランキングに載ったりなど反響ありがとうございます!嬉しかったです!
筆が相変わらずノコノコですが、今後もお付き合いしていって下さいと幸いです!