二番艦揚陸城。
アルドノアドライブが停止し全ての揚陸城が無力化された。
「ようやく本作戦の半分が終わった。フェイズ2へ移行する」
マークザイン、マークニヒト、マークフィアー、マークジーベンが城内を突き進む。
後輩たちのファフナー部隊はゼロファフナーを中心に城の外での迎撃行動を行っている。
「甲洋。本当によかったのか?」
「くどいぞ一騎……」
エフィドルグの複製体に自分達の友人たちの姿があるかも知れない。
「先に言っておく。羽佐間や衛達は島に居るんだ。これから目の前に現れるのはただの敵でしかない」
「……出てきた」
真矢が銃口を上げる。
「カノンか……」
マークドライツェンがルガーランスを向けてくる。
「わかっていたが……」
「エフィドルグの複製体ならSDPは使えない」
「……俺がやる」
一騎のマークザインが前に出る。
圧倒的な出力でのルガーランスによる砲撃により、カノンのマークドライツェンを消し飛ばす。
「最早複製体の精神攻撃は我々の部隊に通用しない。機体が同じであっても、パイロットを完全にコピーしている訳ではないからな」
次々と現れるファフナー。
「蔵前、道生さん……」
淡々と撃破。
「……衛」
旧式のファフナーが相手であれば、例え絶対的な防御性能だとしても。
「マークニヒトの敵ではない」
呆気なく突き進む。
自分達で自分達を異常者だと思い始めた。
いくら複製体と言えど、仲間の姿を無感動に潰していく作業。
「気を抜くな皆。ナデシコから連絡が入って、この揚陸城に保護対象がいない事がわかった。」
「……待ってくれ総士」
目の前に現れた純白のファフナーに、甲洋が思わず声を出してしまうも。
「あれは敵だ」
マークゼクス。
かつて甲洋が好意をよせ、真矢の親友であり一騎を思っていた少女。
そして総士が……。
「皆城くん」
「気安いぞエフィドルグ!」
「私のお墓、汚すように言ったの皆城くんなんだよね?」
「……!?」
羽佐間翔子。
肉体的ハンデがありながらも島のために自らの命を散らせた存在。
「本当なのか、総士」
「……待って春日井くん」
マークフィアーがマークニヒトに近寄ろうとするのを、マークジーベンが制止する。
「今は……聞き流して。後で気の済むまで、煮るなり焼くなり好きにして良いから」
「遠見……知ってたのか……」
「うん」
「どうして!」
「落ち着け甲洋!」
さらにマークザインがマークフィアーを掴もうとする。
「来るぞ!」
混乱の隙をついてマークフィアーに突撃するマークゼクス、翔子。
機体をぶつけながらナイフで滅多刺しにしてくる。
「甲洋!」
「くぅっ!」
「ハハハァッ!やっぱり人間は下等な種族!」
翔子の姿をした人外が甲洋を嘲笑う。
《フェンリル・スタート》
「消えちゃいな!エフィドルグの安寧の為に!」
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今あなたの声が聞こえる
「ここにおいで」と
寂しさに負けそうな私に
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「始まったか……」
「なんだ……何の音だ!?」
マークゼクスが顔を上げた瞬間に、マークニヒトがこれを同化し始めた。
「フェンリル強制解除!」
「しまった!」
翔子らしからぬ声に甲洋はマークゼクスを殴り付ける。
「そうか……お前達にとってこれは、音でしかないんだな」
頭を抱えながら悶える翔子。
「な……なんだ!?この不快な……いや、不快なのか……?」
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今あなたの姿が見える、歩いてくる。
目を閉じて待っている私に
昨日まで、泪で曇ってた
心が今………
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「春日井くん、皆城くん……後はわたしが」
マークゼクスの腰、つまりコクピット付近にマークジーベンのドラゴントゥースが突きつけられる。
「待てっ!殺すのか、このわたしを!!」
「見苦しいよ……それじゃあ翔子が悲しむ……」
その姿を哀れむように、総士はマークゼクスに通信を入れる。
「わからないだろうな……猿真似しか出来ぬエフィドルグには!ならば教えてやろう!お前達が拒絶しフェストゥムが受け入れた!」
マークゼクスのコクピットを真矢のドラゴントゥースが射ち貫く。
「人類の英知……歌だ!!」
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覚えていますか 目と目があった時を
覚えていますか 手と手が触れ合った時
それが初めての 愛の旅立ちでした
I Love so……
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