スーパーロボット大戦Re・disk4   作:jupi

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23話-PRIDE

 

 バトル7が全ての歌エネルギーを収束してサウンドバスターキャノンから発射しグレートゼオライマーに直撃させる。

 

 機体の次元連結システムを通してそれをエルトリウムに送る。

 

 出力役からブースターへ、そして巨大なアンテナを通じて全銀河へ彼らの歌が広がっていく。

 それを完全には観測出来ない。

 作戦を始めた彼らとて、それを把握出来る手段は持ち合わせていない。

 だが、分かっている範囲では全て成功していた。

 

 歌エネルギーを数値化した‘チバソング’なる値も計測範囲を超えすぎて不明な状態だ。

 

 

 そして警戒していた様々な銀河系のエクセリオン艦隊やマクロス船団から次々と情報が届く。

 

《エフィドルグ艦隊に動きあり。戦闘の意志、無き模様》

 

《混乱が見受けられます。カクタス並びにヘッドレス、停止》

 

《一部抵抗がありますが、無力化は時間の問題かと》

 

 

 

 

 

 その情報は歌い手もモニターで確認出来る。

 

(これだ!この光景が見たかったんだ!!)

 

 熱気バサラは目を輝かせる。

 

「行くぜ!ギラギラよぅ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして地上でもそれを把握する。

 

「随分と歌が流れるのが遅かったけど……」

 

「戦う必要が無かった相手が居たかも知れん。既に殺してしまっている兵も多い」

 

 エフィドルグ揚陸城一番艦。

 

 全ての人質が集結させられている事をナデシコのオモイカネが確認していた。

 

 そこに投入されたのは白兵戦に特化したクロムクロ、メドゥーサ、イエロークラブ。

 

「しかたあるまい。彼らとてエフィドルグの矜持を通して果てたのだ。それを踏み越えてこその平和だろう」

 

 剣之介と由希奈に対してムエッタが無感動に語る。それをソフィーが気付いて。

 

「ムエッタ?貴女の身体は大丈夫なのですか?」

 

「心配無用だ。かなり前からバサラの歌への耐性が出来ていたからな。それに」

 

「それに?」

 

「私は地球の文化に触れて多くの感動を覚えた。何も知らぬエフィドルグの狗には刺激が強すぎるだろうがな」

 

「皆さま方。間もなく人質の面々と御対面です」

 

 茂澄の言葉に、全員が警戒する。

 

「なんだ……?」

 

「もしかしてあれが……」

 

 一人の男性が数人に殴る蹴るされていて、撮影機材で録られているではないか。

 

「おぉ!お前たちは!」

 

 クロムクロとメドゥーサから由希奈と剣之介、ムエッタが降りて近づく。

 ソフィーと茂澄がイエロークラブで周辺警戒を行う。

 

「なんだろう……この光景、どこかで」

 

「良かった!お前達はナデシコにいた者達であろう!」

 

 由希奈の手を握ってくる浅黒い肌をした男に剣之介は刀を向けた。

 

「馴れ馴れしいぞ貴様!」

 

「あ、あぁすまない。私はイオク。クジャン家当主と言えばわかるだろう」

 

「……誰だっけ」

 

「いや……思い出した」

 

 続いてムエッタが抜刀。

 

「ペンギンコマンドの姿をしていた男であろう?」

 

「……待て、話し合おうではないか」

 

「あ!アークエンジェルから逃げ出したスカイグラスパーの!」

 

「逃げ出したのではない!本国に帰ろうとしたのだ!だが!」

 

 イオクは中年男性に怒り顔で指差す。

 

「エフィドルグに操られたこいつらに拉致されたのだ!」

 

「ふん。ペンギン帝国との再戦に向けて人質として連れてきただけだ。」

 

 一見して極道者の長身の男。鋭い目つきや口調は完全なる悪役面だ。

 

「自己紹介させてくれ。私は又吉一雄。美容室プリンスの所長である」

 

「……もしかしてダイミダラーの……」

 

 かつてアークエンジェル艦長が‘頭がおかしい’と評価した機体の産みの親達。

 又吉所長の背後には個性的な女性達が破廉恥な服装でにこやかに見ているではないか。

 由希奈は関わりたくないと思うも、一応保護対象だ。

 そして。

 

「おぉ白羽と侍じゃん!久しぶり」

 

「茅原くん。相変わらずそうで何より……いや、もう少し変わってても良かったかなぁ」

 

「えー。なにそれ」

 

「とにかくだ」

 

 軽くため息をついた剣之介はイエロークラブを見上げる。

 

「セバスチャン殿」

 

「既に連絡をしています」

 

 増援。

 ボソンジャンプによる転移。

 

 ブラックサレナがコンテナを背負って現れた。

 

「お待たせ」

 

「アキトさん」

 

「早速だがテンカワ。この者達を……」

 

 エフィドルグ揚陸城一番艦からの救出目標を確認して退避。

 次々とコンテナに入っていく面々を眺めながら、剣之介とムエッタはイオクに視線を送る。

 

「何故私のように気高いクジャン家当主をコンテナに乗せる……もう嫌だ……」

 

 かつてアークエンジェルのコンテナを寝床にしたことのあるイオクはうつ向いて歩く。

 

「止まれ」

 

 剣之介が刀を鼻先に突き付ける。

 

「なっ……!?」

 

「貴様は自力で脱出するんだな」

 

「何だと!?」

 

「わからぬか?お主は竜宮島を連邦軍の手で業火に晒した大罪人。それを何故助ける事があろうか」

 

「何を言う!貴様はそれでも人間か!」

 

「この場で切り捨てられなかっただけ好運だと思うのだな。なぁに、傀儡共は止まっている。地道に歩け」

 

「待て……待ってくれ!」

 

 イオクを残して撤収が行われるのだった。

 

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