スーパーロボット大戦Re・disk4   作:jupi

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3話-暴かれた嘘

 

 ヴァルヴレイヴ二号機の生体端末である時縞ハルトは限界をむかえていた。

 

「自業自得だからな」

 

《……エルエルフ。ここはどこだ?》

 

「……地球。日本の佐世保基地だ」

 

 確実にハルトの記憶が欠けてきている。

 

「竜宮島でのデータ送った」

 

《確認した。でも覚えている事は少ないね……。》

 

「……ダイミダラーの戦闘はどうだ?」

 

《記録があるから知ってる。でも》

 

 エルエルフは察した。

 

「忘れているんだな……やはりルーンの欠乏。度重なる戦闘と普段の消費……導き出される結論は」

 

 突如として、エルエルフの近くでガタっと物音がする。

 

「誰だ」

 

「わたしだよ……ねえ、二人とも」

 

 指南ショーコだった。その姿はとても苛立っていて。

 

「今のどういう事?」

 

 黙り込む二人に、ショーコは。

 

「何を隠してたのよ!!」

 

「……説明するしかなさそうだな」

 

 激昂するショーコに、淡々とエルエルフが。

 

「時縞ハルトはルーンの受け取りを拒絶していた。月面基地で合流したその日から、こいつは消えるまでの時間を」

 

 言葉が止まる。

 ショーコが涙を流していた。

 

「どうしてよ……せっかくまた会えたのに……何で離れようとするの……」

 

《ショーコ……僕はもう死んだんだ。あの日カインとの戦いで、自分の力が及ばなくてエルエルフをジャックして、自分の全てを捨てて》

 

「そんなの……」

 

《エルエルフ。ごめん、少しショーコと二人にしてほしい》

 

「あぁ」

 

 コクピットから出るエルエルフと交替で、ショーコが入る。

 モニターの平面映像からハルトが消えて、ナデシコで開発された立体ホログラムとして現れる。

 

《ショーコ。僕は生きている人間を犠牲にしてまで生きていたいとは思わない》

 

「そんな事言わないでよ……わたしのルーンを」

 

《駄目だ。これは僕の人生だ。皆の為に僕自身を使いきりたい。それに》

 

 ハルトは一息入れてから。

 

《もうショーコに触れられないのが悔しいんだ。僕はあんなにもショーコの事が……》

 

 ショーコが顔をあげる。

 

《好きだったのに……》

 

 二人は目をあわせられない。

 

《やっと言えた……随分と昔から言えなかった。もしかしたら僕はモジュール77の神社でこれを言いたかったのかも知れない。もうあの日の事は思い出せないけど、大切な何かがあったのは間違いなかったんだ》

 

 ショーコの手が震える。が、いきなり顔を上げる。

 

《……ショーコ?》

 

「こんなの許せない。奇跡的な両思いだったのに、そんな結末……」

 

《り、両思い!?》

 

「そうよ!両思い!わたしもハルトがずっと好きだった……」

 

 未だ興奮冷めやらぬショーコは。

 

「……決めた!」

 

 ハルトが肉体を持っていたら驚きに半歩下がっていたかもしれない。

 

「何とかする!そしてハルトに無理させない!」

 

《ま、待ってショーコ》

 

「待たない。それに無理をしようとするなら、多少酷いこともする」

 

《……何を》

 

 いきなり手動でコクピットハッチを開く。

 

 何処かへと走っていきながら、何やら誰かと通信で話しているではないか。

 

 

 何も言わず出ていかれ唖然とするハルト。

 さらには焦った様子のエルエルフがハルトの所まで駆け付ける。

 

「時縞!臨戦態勢をとれ!」

 

《はぁ!?なんで》

 

 乱暴にシートに座るエルエルフ。

 

「状況を察しろ!あれを見れば何も疑う事はないだろ!」

 

 時縞ハルト、ヴァルヴレイヴ二号機の前に立ちふさがるのはヴァルヴレイヴ一号機、指南ショーコ。

 

「ハルト!あなたが戦わないように、これ以上自分を失わないようにする!」

 

 ヴァルヴレイヴ一号機がジーエッジを抜き、構える。

 

 格納庫から作業員が次々と逃げ出し、誰かがシャッターを開ける。

 それを見てエルエルフはヴァルヴレイヴ二号機を起動させて外へ移動する。

 

「よせ指南!ダメージを受ければルーンが漏れるだけだ!」

 

「……その対策はある!」

 

 遅れて起動したのはヴァルヴレイヴ六号機。

 

「戦闘を出来なくして拘束する!」

 

《ちょっと待ってショーコ!……アキラちゃん!?》

 

「待たない……気持ちはショーコちゃんと同じ……抵抗しないで。今仲間を呼んだ」

 

 ヴァルヴレイヴ六号機を敵にまわす、エルエルフにとって最悪の展開だ。

 

「……俺達はあの総理大臣を侮っていたようだ」

 

 エルエルフが苦笑いする。

 ヴァルヴレイヴ六号機の背後から現れるのはマークザイン、インフィニットジャスティス。

 

《どうしてそこまで……》

 

「時縞。前から気づいていたが、お前の惚れ込んだ女は時々……」

 

《あー。言わないで。影でキチガイとか言われてるのは知ってるから》

 

 時縞ハルトは自らの力で戦うことを選んだのだが、それを望まれなかった。

 

 離れた所では流木野サキが呆れ顔を見せている。

 

「どうするんだ?」

 

《……受け入れよう。ショーコや皆の気持ちを》

 

 次の瞬間、インフィニットジャスティスがヴァルヴレイヴ二号機の右腕と右足を切り捨てる。

 

「ハルト……お前はここにいる。まだ消えちゃだめだ」

 

 切断面をマークザイン、一騎によって結晶化させられる。

 

《……ほんと、ショーコらしいや》

 

「無力化の手際が良すぎる。これはミスマル艦長の指揮か」

 

 次の瞬間にはヴァルヴレイヴ六号機のハミングバードにつつかれた。

 

「時縞。もう」

 

《あぁ。僕らの負けだ。後で二人でお説教を受けよう》

 

 ヴァルヴレイヴ一号機が、左腕と左足を斬る。

 

 結晶化、行動不能になるエラー。

 

 確実な無力化を果たされた。

 

 

 

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