送られてきた情報によると立山国際高校の同窓会が、揚陸城落下三日前にあるらしい。
「防衛戦力の配置や我々統合革命艦隊が黒部に向かう情報が、一般向け動画投稿サイトで流されている……」
エルエルフが溜め息をつくと、由希奈に向き直る。
「……たぶん犯人は知り合いです。捕まえていいですけど、殺さないであげてください」
その犯人は黒部研究所から情報を盗み、投稿していたのだ。
恐らく親族が研究所にいるとか、そんな所だろう。
「同窓会は中止させるべきだ」
「え~。」
エルエルフの発言に由希奈は悲しげな眼差しで見つめる。
「いくら三日前とはいえ、危険地帯である事に変わりはない。それに」
悲しげな眼差し。
「……仲間を巻き込む気か?」
悲しげな眼差し。
「……けち」
「なっ!?」
「だって私はともかく、剣之介とムエッタは五年ぶりに地球に戻ったんだから少しくらい……」
由希奈の台詞に、今度はユリカが。
「はいはーい。提案。ナデシコを会場の横に停泊させれば大丈夫じゃないかな?」
「緊急時にはボゾンジャンプで退避か……いいんじゃないかな」
キラが賛同。
「地形的にも、情況的にも問題はないはず。今回は遭遇戦とは違うから」
伊奈帆賛同。
「あ、勿論わたしは由希奈ちゃんの味方だよ」
ユリカが賛同する。つまり。
「エルエルフさんは?」
「……どうなっても知らんぞ……」
エルエルフは渋々了承する事になった。
それから数時間後、グレートゼオライマーとVF-31改ネオファイヤーバルキリーが宇宙にいるエルトリウムに向かって出発した。
「それで空から降ってくる城に毒針を撃つのが俺達って訳か」
三日月が昭弘と話す。
「うん。精密射撃の観測をグシオンリベイク。俺のバルバトス・スレイブがバンカーバスターで穴を開けながら針を刺すんだってさ」
二人一組の狙撃作戦。
ソルジャージャベリンが三発あり、それぞれを役割分担して撃ち込む。
バルバトス・スレイブとグシオンリベイクのA班。
マークザインとジーベンのB班。
そして。
「あの組合せは意外だったな」
マークニヒトとストライクフリーダム。
「まぁ、あの二人なら信用出来るでしょ」
「……三日月。お前、最近変わったかもな」
「そう?」
「なんとなくだ。阿頼耶識に片腕を奪われたり、フェストゥムと対話したりな」
「……いや、多分キラ・ヤマトの戦いを見たからかもしれないよ。自分でも感じてた」
「そうか……」
三日月は話ながら視線をストライクフリーダムからクロムクロに移す。
「次の戦場は鬼の本丸ってオルガが言ってた」
「……地べた這いずり回って戦うのが俺達らしい。揚陸城だろうが何だろうが潰すのみだ」
「エフィドルグに遠慮はいらない。洗脳されてる連中はなんとかしてくれるから、後は皆殺しだ」
そんな二人を遠目で眺めていたのはオルガだった。
「お前は家族を見ている顔が一番いいな」
そんなオルガに声をかけたのは、やはりムエッタ。
「……だったらお前もなるか?」
「一応聞くがそれは」
「お前の気持ちに応えたい。だから」
オルガが右手を差し出す。
「所謂あれだ。剣之介と由希奈みたいに……えっと……」
「よろしく頼む」
オルガがモタモタしている内に、ムエッタが手を握った。
「私には何もない。由希奈達のような仲間こそあれど、家族が居なかったのだ。それが羨ましく、欲しかったのだ」
「……その辺はゆっくりしようぜ。いきなり飛ばしすぎというかだな」
顔を真っ赤にしたオルガが。
「今度富山って場所に行くんだろ。一緒に歩こうぜ」
「何処だって一緒に行くさ。モノノフの、いや女としての私は、お前を放す気は微塵もない」
二人はそれぞれの持ち場に戻る。
ムエッタはナデシコにメドゥーサを積み込み、オルガは鉄華団としてアークエンジェルに向かった。