問題児たちと《偽物転生者》が異世界から来るそうですよ? 作:嘉多華
特に最後は話の流れ上、一気に進めるしかなかったので、前後編にまとめちゃいました。
という訳で、本編どうぞ~
耀、飛鳥、ジンの三人が来る少し前。ガルドと対峙したイオは先手必勝とばかりに、目にもとまらぬ速さで接近し、その傘で殴りかかった。
「―――?」
「GAAAAAA!!」
しかし、ガルドはその一撃をものともせず、逆に突進を仕掛けてくる。それを傘をそのまま振りぬくことで体を上にあげることで回避し、ガルドの後ろに着地する。
イオはその場で傘を持つ手を持ち替え、手を握ったり開いたりして感触を思い出す。
(確かに殴ったのに、感触があまりにも軽すぎる。まるで間に何か見えない壁があるみたいだね)
ふと、おそらくこれが先程聞いた・・・なんだっけ? ああそうだ。確か“契約”により守られていると言う事なのだろう。あの時もっと詳しく説明を聞いておくのだったと少しだけ後悔する。
突進の勢いのまま少し離れたところにいるガルドの姿を確認する。ガルドの姿は赤い瞳を光らせる、虎の怪物そのものだった。其処にはやはり、先日のような人間身は存在していない、ただの獣の姿。
ガルドにの姿を見るに、傷もダメージもなさそうだった。しかし、
(ダメージを与えることはできないみたいだけれど、攻撃を完全に無力化できるわけじゃなさそうだね)
自分とガルドの間。先ほど一撃を加えた時にガルドがいた床には大きなクレーターができている。どうやらガルド本体にダメージを与えることは出来なくとも、攻撃を加えることに意味はありそうだ。
考えているイオに、ガルドは容赦なく攻撃を仕掛けるために飛び掛かってくる。それを横に飛ぶことで回避し、爪の一撃を傘で弾くことで防ぐ。
その姿には一切の焦りもなく、いともたやすくいなす、まるでサーカスの調教師のような姿だった。
「さて、鬼の力がどんなものか、見せてもらおうか」
余裕綽々と言った笑顔で、イオは笑った。
☆ ☆ ☆
門前で待っていた黒ウサギと十六夜の元にも、ガルドの咆哮は届いていた。
「い、今の凶暴な叫びは・・・・・・?」
「ああ、間違いない。虎のギフトを使った春日部だ」
「あ、なるほど。ってそんなわけないでしょう!? いくらなんでも今のは失礼でございますよ!」
ウサ耳を逆立てて怒る黒ウサギ。
「せめてイオさんにしてください!」
「ああ、お前にとってのあいつってそんなやつなのか」
十六夜も本気で言ったわけではないのだが、黒ウサギの方は本気で言ってそうだった。それだけで、彼女のイオに対する認識が分かる。
十六夜は門からはみ出た奇妙な枝をへし折って笑う。
「今の咆哮といい、この舞台といい前評判より面白いゲームになってるじゃねえか。見に行ったらまずいのか?」
「お金を取って観客を招くものも存在しておりますが、最初の取り決めにない限りは駄目です」
「なんだよつまんねえな。“審判権限”とそのお付ってことにすればいいじゃねえか」
「だから駄目なのですよ。ウサギの素敵耳は、此処からでも大まかな状況が分かってしまいます。状況が把握できないような隔絶空間でもない限り、侵入は禁止です」
舌打ちした十六夜は手の中で蠢く樹を握り潰しながら呟く。
「貴種のウサギさん、マジ使えね」
「せめて聞こえないように言ってください! 本気でへこみますから!」
ペシペシペシと叩いてくる黒ウサギを無視して、十六夜は思う。
(せっかくイオの実力が見れるかと思ったんだが、無理そうだな)
そして、一人状況が分かってしまう黒ウサギは、内心ハラハラしていた。
(いったい何をしようとしているのか知りませんが、下手なことをしでかさないでくださいよ、イオさん!)
それは、黒ウサギの切実な思いだった。
☆ ☆ ☆
「分かってるよ、ウサギちゃん♪」
ガルドと戦いながらも、いつものように十六夜と黒ウサギの事も見ていたイオは、小さくそう呟いた。それだけ、今の状況には余裕があると言う事だ。
同時にイオはがっかりもしていた。
(それにしても、鬼の力を手に入れてもこの程度か。こりゃ、鬼の方も大したことなさそうだな~)
思っていたほど、ガルドの力は大したものではなかったのだ。
自分の世界にある鬼の話では、人間が太刀打ちできないほどの暴力的な力を持った存在の事を鬼という。だがしかし、今目の前にいるガルドの力は、正直人間が束になってかかれば普通に倒せるようなものでしかなかった。
今は“契約”とやらに守られているため不可能だが、それがなければただの少し強いだけの虎でしかない。
ガルドの爪や牙、突進による攻撃をもはや受ける事すらせずに回避しながらそんなことを考える。少し前からずっとこの調子だった。
何度も攻撃を躱され続けているガルドは息が上がってきている。だがそれでも、獣の本能による恐怖から、イオに襲いかかることをやめない。ここで彼女を殺さなければ自分はあっさり殺されると理解していたから。
(はあ、もういいや。鬼の力はもう十分わかったし、さっさと殺して終わらせよ)
普通の攻撃では傷一つつけられない。ならば他に何か傷つける方法があるはずだ。そしてそれはおそらく、さっきからイオを近づかせないようにしているあの十字剣がそうなのだろう。ボスが大事そうに守るものにはそれなりの力があるものというのがゲームの常識だ。
そう結論づけたイオは、わざと自分の体を壁際まで追い詰めさせた。壁際に移動することで相手の攻撃を正面からに限定し、さらにこちらを追い詰めたと思い込んだ相手が大ぶりの攻撃を加えてくるのを回避してのカウンターを狙っての行動。
(次の攻撃をかわして、床をぶち抜いて地面に落として、その首にあの十字剣を刺して終わりだよ)
こちらにその自慢の爪を振り上げて襲い掛かってくるガルドの姿を見ながらイオは心の中でそう呟いた。
―――だが、彼女は大きなミスを二つしていたのに気付いていなかった。
一つは、ガルドとの戦いに集中していたことで、周りの気配を読むことを忘れていたこと。そうしていれば、少なくとも耀、飛鳥、ジンの三人が此処に向かっていることに気づくことができた。
二つ目は―――
「―――イオ!」
「ッ!?」
これが、自分一人での戦いではないと言う事。
イオはこれまで、誰かと共に戦ったことなどなかった。天燈と共に旅をしていた時も、お互いに助け合う必要など全くなかったため、誰かと協力するという意味を知らなかった。だから、自分が助けられることなど、全く予想もしていなかった。
突然聞こえた叫びに、一瞬気を取られてしまう。そのせいで、カウンターを入れるタイミングがずれ、仕方なく傘で攻撃をガードしようとしたイオの目の前。
ガルドとイオの間に、春日部耀が身を滑らせて来ていた。
「―――なっ!」
そのまま耀は、イオの事をその腕で抱きしめ、彼女を守るようにガルドの攻撃をその背に受けた。
「ツウ!?」
「耀!」
あまりの痛みに耀はその顔を歪ませる。それを見たイオは、すぐさま耀の腕から出て、ガルドの顎に向かって全力で傘を振り上げた。
ガルドの体はあまりの威力に浮き上がり、そのまま天井に突き刺さった。
それを確認したイオはすぐさま耀の怪我を確認する。その傷はあまりにも深かった。
それもそのはず。イオにとってはそれほどでもないとはいえ、ガルドの力は通常のものよりも強力なものだ。いくら耀が強力なギフトを持っていたところで、まともに受けて防ぎきれるものではない。
だらだらと流れていくおびただしい血を、イオはギフトで出した止血効果のある布で押さえつける。しかし、いくら止血効果があるとはいえ、それも一時的なものでしかない。ここまで深い傷であればそれはなおさらだ。
だからイオは、いまだに扉のあった場所の前で呆然としていた飛鳥たちに叫ぶ。
「飛鳥、ジン! 早くここから逃げて!」
だがジンは、それよりも先ほど一瞬見たガルドの姿を見て理解したことに驚いてしまう。
「鬼、しかも吸血種! やっぱり彼女が」
「つべこべ言わずに逃げるわよ!」
だがしかし、イオの言葉で今の状況の危険さに気づいた飛鳥がジンの襟首を掴んで階段から飛び降りる。
今はまだ天井に突き刺さって身動きが取れないでいるが、ガルドはおそらくすぐに動けるようになってしまう。そうなったら今の状況でジンが此処にいるのは危険すぎる。
「ま、待ってください! まだ二人が上に!」
「いいから逃げなさい!」
飛鳥の命令に、ジンの意識は途切れた。
助けなければならないという気持ちは隅に追いやられ、館から逃げ出すことにのみ神経が集中していくのを感じていた。ジンは飛鳥の手を取ると、
「一気に逃げます」
「え?」
飛鳥を腰に抱きかかえ、壁を破って外に出た。ジンに無理やり連れて行かれる形になった飛鳥は、体を抱えられて運ばれていった。
それを確認したイオも、すぐに耀の体を背負い急いで館から脱出する。その際部屋の中にあった十字剣に、隠し持っていた糸を投げつけて、その柄に絡み付け、走り去りながら引き抜いていくのを忘れない。
走り去っていった人たちを追いかけていくが、予想外に本拠から離れた位置まで走って行ったため、少しだけ時間がかかった。
茂みをかき分けながら二人の下に向かうと、不機嫌そうに顔をそむけていた飛鳥がこちらに気づき言葉を投げかけてきた。
「誰?」
「・・・・・・僕だよ」
イオの姿を見て安心したのもつかの間。すぐさま先ほどの耀の事を思い出し、二人は悲鳴のような声を上げた。
「か、春日部さん! 大丈夫なの!?」
「大丈夫じゃ・・・・・・ない。すごく痛い。ちょっと、本気で泣きそうかも」
強がって見せる耀を地面に寝かせる。その際地面に先ほどの止血効果のある布を敷いて傷口に砂が付かないようにする。
正直、彼女の怪我はあまりにもひどすぎる。背中にまともにガルドの爪を受けたのだ。それも当たり前だろう。
「ま、まずい! 傷そのものもひどいけど、それ以上に出血が! このままだと・・・・・・!」
いくら止血効果があると言っても、それは魔法のようなものではない。すでに耀の傷からは大量の血が流れ、このままだと出血多量で死んでしまいかねない」
飛鳥は悔しげに立ち上がると、イオから券を受け取ってジンに告げる。
「今からあのトラを退治して来るわ。ジン君はここで待ってなさい」
「あ、飛鳥さん!? 駄目です、一人じゃ無理です!」
何とか飛鳥を止めようと声を上げるジン。だが、イオがそれを止めた。
「行って、飛鳥」
「イオさん! 何を言って―――」
「僕たちはここで負けるわけにはいかないんだ。それに何より。耀をこんなにしたあいつが僕わ許せない」
わなわなと肩を震わせていうイオに、ジンは何も言葉を返せなかった。だが、飛鳥はそんなイオに聞く。
「なら、なぜ私に行かせるのかしら? イオが自分で行ってもいいのに」
その質問に、イオは拳を握る。本当は今すぐにでもあいつをズタズタに切り裂いてやりたかった。でも今はそれ以上に、自分にはやらなければならないことがある。
「・・・・・・僕は耀の傷を治さないといけないから。だから、―――友達の飛鳥に頼むんだ」
「・・・・・・わかったわ。春日部さんの事は頼んだわよ」
「うん。僕が絶対に死なせたりなんかさせない」
覚悟を秘めた表情で飛鳥に告げる。この世界で初めてできた大切な友達を死なせたりするものかという思いを込めて。
それを見た飛鳥も一つ頷いて、敵討ちは任せてと、言外に告げて、ガルドの下に向かっていく。
飛鳥が去って行ったのを確認して、イオは自分のやることに集中する。
「イオさん。どうして飛鳥さんを一人で行かせたのですか?」
「さっきも言ったでしょう。敵討ちだって」
「でも、飛鳥さんも怪我するかもしれないんですよ! もしかしたら死んでしまうかも!」
「それは絶対にないよ。飛鳥はそこまで弱くはない」
「だとしても、せめて僕も一緒に」
「駄目だよ」
自分が何とかしなくてはと思ったジンは慌てて飛鳥についていこうとするもイオによって止められる。
「どうして止めるんですか!」
「君が言っても、足手まといなだけ。それに、今君にいなくなられると正直困る」
「どういう―――」
「ちょっと痛いけど、我慢してね」
耀をうつぶせに寝かせ、傷口を確認できるようにしたイオが耀に告げ、その傷に手を乗せる。しかし、耀はすでに気を失っていたため、何の反応もなかった。
いったい何をするのかと心配するジンの目の前で、傷口に当てたイオの手が緑色の輝きを放つ。そして、少しずつだがその出血が収まっていくのが分かった。
「それは、まさか! 治癒のギフト!」
ジンは驚く。これまで何度も様々なことをして見せたイオだが、まさか治癒までできるとは予想もしていなかった。
「正確には自分の生命力を他人に分け与えるギフトだけどね。あとジン君。治療が終わるまででいいから、僕の話し相手になってくれないかな?」
「は、話し相手ですか?」
とりあえず、飛鳥を追いかけていくことはもうなさそうだと安心しながら、イオは続ける。
「うん。実はこの力、あまり使い慣れてないせいもあって、使ってると意識が飛びそうになるんだ。もし直してる途中で気を失うと、傷も元に戻っちゃうから、それまで僕が気を失わないように話をしててほしいんだ」
説明を聞き、イオが自分を残した意味を理解する。そしてそれは、あまりにも大きな役割でもある。もし、ここで耀の傷を治せなければ、このままだとおそらく耀は死んでしまう。それだけは何とか避けなくては。
「・・・わかりました。いったいどんな話をすればいいですか?」
「ありがとう。・・・・・・とりあえず、何でもいいから僕に質問してくれるだけでいいよ」
ジンに力ない笑顔を向けて、イオは耀の治癒に意識を集中させる。
すぐさまジンは思いついたことをそのまま口にする。
「耀さんの傷。水路を直した時のように直すことはできないのですか?」
「うん。それは無理なんだ。・・・ジン君は既視感って言葉は知ってるよね?」
「はい。一応は」
「あの力はね、簡単に言うとその既視感を利用したギフトなんだ」
「既視感を利用? それはどういった?」
「あの時、僕が水路を布でかくして水路をきれいにするって言った時、ジン君は何を思い浮かべた?」
「あの時ですか? 確か―――」
ジンが答えるよりも早くイオが言い当てる。
「以前の綺麗だった水路を思い浮かべたでしょ」
「は、はい。その通りです」
考えていた事を言い当てられたジンは驚く。意識を耀の治療に集中させながら、イオは続ける。
「あの場にいたジン君以外にも、黒ウサギや子供達もきっと同じようなことを思い浮かべたんだ。あのギフトはそう言った記憶や思いを力にして初めて使うことができるものなの。それも、影響を及ぼす相手自身の思いを一番強く使った。だから、今の耀ちゃんの傷を治そうとするとどうしても、耀ちゃん自身が傷の痛みを強く意識しすぎちゃって、直すことはできないんだ」
イオは自分が友達が死にそうなときに手を抜くような人間だと思われたくないがために、自分のマジックのタネは明かさないという信念を曲げて説明した。
ジンはできるかどうかを聞いただけで、まさかその理由まで答えてもらえるとは思わずに、一瞬質問することを忘れて呆気にとられる。だからイオは、
「次の質問早く」
「あ! は、はい!」
ジンはすぐにしまったと思い、次の質問をする。
「なぜ、僕ではなく飛鳥さんを行かせたのですか? 話し相手なら友達である飛鳥さんのほうがよかったのではないですか?」
「行っちゃ悪いけど、正直飛鳥ちゃんは話すのが得意じゃなさそうだからね。ジン君の方が話し相手には向いてると思ったんだよ」
「それでも、僕が向かった方が―――」
「だからそれは駄目だって」
「なぜですか! 僕だって一応ギフトを持っています。勝てなくてもせめて時間を稼ぐことはできます!」
「ああ、そうだね。ここら辺でジン君には知ってもらっておいた方がいいのかな」
ジンはイオが何を言っているのかわからず首を傾げる。そんなジンにイオは告げる。
「ジン君。君は自分がコミュニティにとってどういう存在か分かってる?」
「え? それは、僕はリーダーですけど」
「そう。君はリーダーなんだ。だからこそ、君は今ガルドと戦っちゃダメなんだよ」
「ですからそれはどういう――」
「いいから黙って聞いてて」
イオはこれまでとはちがい、決して有無を言わせぬ勢いで言った。その迫力に押されてジンは何も言えなくなる。
「ジン君。リーダーっていうのはね、コミュニティそのものなんだよ。特に僕たち“ノーネーム”にとってはなおさら。だから君が死んだら、それは僕たちのコミュニティの死を意味するんだ」
「―――っ!」
イオの言葉に息をのむ。
今の“ノーネーム”に、自分の次のリーダーは存在しないだろう。それに、自分が死んだら十六夜はいなくなる。そして、自分がいなくなればコミュニティの再建は出来なくなるも同然なのだ。
「あのままジン君がガルドの下に向かえば、きっと君は死んでたよ」
「でも、だからと言って」
「それでも君は納得しなくちゃいけない。いい、どんなゲームだろうと、リーダーっていうのは最も大事なものなんだ。だから、僕たちは何が何でもリーダーを守らなくちゃいけない。リーダーを倒されたら負けちゃうからね。だから君はもっと自分の事を大事にしないと―――」
と、そこでゲーム終了を告げるように、木々は一斉に霧散した。
「・・・・・・どうやら、飛鳥ちゃんがやったみたいだね。それに、こっちも、・・・お、わった、かな?」
「イオさん!?」
言い終わるとともに、イオの体はふらりと倒れた。耀の傷は完全に塞がり、呼吸も元の状態に戻っていた。
慌てて抱き留めたジンに、イオはそのまま告げる。
「きっとこの先、君にはとても重い重圧があるんだろうね。何せ、先代を超えなくちゃいけないんだから」
「・・・・・・なぜそれを?」
ジンは驚いた。彼女の言葉は十六夜との会話で初めて口に出したもので、あの場に彼女はいなかったから。だが彼女は力なく笑うだけで、答えてはくれない。
「あ、はは。そんなのどうでもいいじゃない。とにかく、これは、そんな君への僕からのプレゼントだよ」
ジンの肩に手を置き、何とか自分の体を持ち上げる。そして、右手に一つの小さな光を生み出し、ジンの胸に押し付けた。
光はそのままジンの体に溶け込むように消えていった。
「これは?」
「それはね、“勇気”のギフトだよ」
「“勇気”のギフト? それは一体どんな」
質問してくる人の唇を指でふさぎ、微笑みながら告げる。
「それは、君が自分で見つけることだよ。だから、誰かに答えを聞いちゃダメ。分かった?」
どこか大人びた表情で言うイオの顔をジンは顔を赤くしながら頷いて答えた。
「ふふふ、いい子だね。それじゃ、悪いけど、あとはま、かせた、よ?」
「え? イオさんって、ちょ、ちょっと!?」
最後にそう言い残し、イオはジンの胸の中に倒れこんで、意識を失った。
この先物語はどう進んでいくのか、作者の私もドキドキですよ。
今回出したギフトは、今後の展開にちょっとだけ影響を及ぼすもので、実はそこまで重要ではないかもしれません