剣の道にて   作:ぎが

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はい、新作です。
前作おわってないですが、なんか書きたくて書きました。
こちらも前作もよろしくどうぞ。


0話 アーナ

「では、始めッ!」

 

中年ではあるが引き締まった体の男が野太い声で叫ぶ。

 

「やああっ!!」

 

「はあっ!!」

 

その前には、剣を持った二人の可憐な少女がいた。

 

ガキィン!

 

鋼の剣は火花を散らしてぶつかり合う。

 

「っ!?きゃああ!」

 

「そこまでッ!!」

 

決着は、ひとりの少女が倒されたことでついた。

 

「いたた...」

 

「あなた、勝つつもりがあるの!?アナ!」

 

「ごめんなさい、ロゼお姉様...」

 

負けた少女の名はアーナ・アレジーナ。

 

アレジーナ家は由緒正しき貴族で、優秀な剣士になる者が多くいた。

 

初代アリーナ・アレジーナは女性でありながら国で最高位の剣士として名を馳せ、地位を築いたのだ。

 

 

そのため、アレジーナ家の女性は産まれた時から優秀な剣士になることが決まっており、毎日が地獄のような修行の日々なのである。

 

「そんなことでは、アレジーナの名はいつか捨ててもらうことになるわ。」

 

「そんな...」

 

こんなことが毎日だ。アーナは毎日が憂鬱だった。

 

何不自由ない生活ではあるが、毎日朝早く起き、トイレや食事の時間以外はほぼ全て剣を握っている。

 

優しすぎる性格から、剣は得意ではなかった。

 

「また、今日もか...痛いのやだな...」

 

使うのは鋼の剣。刃は潰してあるが、十分痛い。

 

そして、いつものように姉とたたかい、敗れ、風呂に入り、寝る。

 

「私、もう辛い...普通の女の子として普通の生活がしたかった...」

 

眠くはない、そう思ってはいたが、酷使した体はすぐに夢の中へアーナを誘うのだった。

 

 

「最近、夢をよく見るなあ。」

 

同じ夢というわけではないが、なんとなく似たような感じの夢をよく見る。

 

「なんかふわふわして...虹色の光がこっちに向かってきてるような遠ざかっているような...」

 

「ん?なんだろう...誰かいる?」

 

「...」

 

「あ、人だ。夢に人が出てくるなんて初めてかも...」

 

そんなことを思い、もう顔がくっつくくらいの距離まできている。

 

「お母様...じゃない。似てるけど、少し違うなあ。でも、見たことある?」

 

どこかでみた、そう思った。

 

そうして、その女性の顔をまじまじと見つめていた次の瞬間。

 

「私の顔、なんかついてる?」

 

「っ!?」

 

アーナは驚きすぎて声も出なかった。

 

「ああ、驚かしちゃってごめんね!あなた、アーナよね?アーナ・アレジーナ。」

 

「は、はい...アーナです...」

 

急に話し出したその女性は、あっけらかんとしているがとても綺麗な顔立ちの20歳前半くらいの女性だった。

 

「よかった。私、ずっと待ってたの。あなたのこと。」

 

「待ってた?私を?どういうことですか?」

 

私の夢のなかで?何を?そもそも誰なのだろうか?色々な思いが交錯する。

 

「そ。あなた、普通の生活を送りたいって言ってたよね」

 

「はい...今の生活は辛いです。」

 

「なんで辛いの?」

 

「剣のこと...私、弱いから...」

 

「じゃあ、弱くなかったら、良いわけだ。」

 

「?」

 

よく喋る人だ。顔からもおしゃべり大好きが見て取れる。

 

「私にあなたを普通にする力はない。でもね、あなたを強くすることはできるわ。」

 

「ほ、ほんとですか!?私を、強く...?」

 

「ええ。というより、あなたは強い。活かせてないだけよ。あなたがアレジーナ家以来最強と言っていいわ。」

 

「さ、最強...?ていうか、アレジーナ家って...あなた、何者...?」

 

アレジーナ家はとにかく有名ではあるが、夢の中にまで評判が伝わっているのか?

 

「いい忘れてたわね!私はアリーナ・アレジーナ!アリーナって呼んでね。」

 

女性はあっけらかんと答える。

 

「アリーナ...?アリーナ!?しょ、初代のアリーナ・アレジーナ!?な、なんでそんな人が夢に...」

 

「夢だけど夢じゃない。私は200年前のアレジーナ家設立の日に死んで、アレジーナ家の娘の魂を転々として、ずっと探してたわ。」

 

「な、何を...?」

 

「最強を。そして、今見つけた。」

 

「あなたが私の力を最も色濃く受け継いだ最強の遺伝子!アレジーナ家最初で最期の祖先帰りを果たした最強の遺伝子なのよ!」

 

最強の。

 

「え、ええ!?私が!?でも、こんなに弱っちい私なんかが。」

 

「ふふ、活かせてないだけって言ったでしょ。あなたは今、生まれ変わる。きっとつまらない生活なんか忘れさせてあげるわ。」

 

「ほ、ほんとに...?わたし、もう辛い思いしなくていいの?」

 

泣きそうになるアーナは拝むようにアリーナに向かって問う。

 

「ええ、きっと。あなたは幸せになるべきだわ。そして、幸せになる方法を教えてあげる。」

 

アリーナのすがたが足元から光に変わり、アーナの胸に吸い込まれていく。

 

「強くなりなさい、アーナ。あなたはもっと、輝ける。」

 

これが、私が最強になるまでの、最初の一日だった。

 

 

 




はい、ありがとうございました。
私ぎがは、貴族という響きが大好きです。
なんででしょうか。ジョジョも一部が好きです。
またどうぞ。
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