He have gone to Gensokyo.   作:風峰 虹晴

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第10話!!+紅魔異変第4回目!!


Part10 紅霧異変④

俺が咲夜との戦いを終えて、この紅魔館の主の部屋に入ると、霊夢が紫の髪、赤い目、赤いリボンのついた白い帽子に、白と赤の服の小さい女の子、レミリア・スカーレットに一方的に攻撃されていた。

 

「くっ……!予想以上の強さね!!」

 

「あなたこそ、思ったよりも弱いのね。」

 

霊夢はレミリアの弾幕を避けきれてはいるが、避けることに精一杯で、反撃できていない。

 

「大丈夫か霊夢!!」

 

俺は横から炎の弾幕を放つ、レミリアは弾幕を放つのを中断し、突然飛んで来た炎の弾幕を回避した。

 

「あら……新しいお客さんね……。私はレミリア・スカーレット。この紅魔館の主よ。」

 

「俺は焔 炎火。永遠亭で働いてる。あんたに話がある。この赤い霧は何のために出してんだ?」

 

「私は……いや、私達は太陽の光が弱点なの。だから、この霧で太陽の光を防げば、昼間でも外に出れるってわけ。」

 

「…………そんな自分勝手な理由でやったのか……。」

 

「ええ、そうよ?何が悪いの?」

 

俺は怒りを込めて足に炎を纏う。

 

「そのためなら他人を犠牲にしてもいいのか!?」

 

俺は炎を使い、大きく飛んだ。

 

「そんなクズみたいな発想!!俺が打ち砕いてやる!!炎脚『レオキック』!!」

 

俺はレミリアに向かって思いっきり飛び蹴りをする。しかし……。

 

「あなたみたいな実力の人間が、私に口ごたえするなんて生意気ね。」

 

「!?」

 

レミリアは俺の攻撃を避けて、俺の足を掴んで思いっきり壁に叩きつけた。俺は衝撃で何本か骨が折れ、口から血を吐く。そしてレミリアは俺を布切れのように前に投げ捨てる。

 

「ぐっ……いってぇ……。」

 

「大丈夫!?炎火!!」

 

「俺は大丈夫だ!!霊夢はさっさとあいつを倒せ!!」

 

「………わかったわ!!」

 

霊夢はお札を手に取り、弾幕を放ち続ける。しかし、レミリアは余裕の表情で回避していき、弾幕の隙間から弾幕を放つ。……ちっ!さっさと立て!俺!!永琳先生に任されたんだ!!妹紅も頑張ってくれたんだ!!俺も頑張らなくちゃいけないだろうが!!

 

「………うぁぁぁぁぁぁ!!」

 

俺は持てる気力を振り絞り、立ち上がる。

 

「あら、まだ立てるのね。なら、とどめを刺してあげる。神槍『スピア・ザ・グングニル』!」

 

レミリアは赤い槍を投げる。赤い槍霊夢の弾幕を破壊しながら俺に突っ込んでくる。

 

「ぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

俺は火傷で怪我している右手に炎を纏い、自分の出せる全力のパンチを槍にぶつける。そこら中に閃光が広がる。槍は消えていて、俺は死んではいなかった……が…………。俺の右手……いや、右腕も一緒に消えていて、右肩から大量の血が溢れ、下に血溜まりができる。

 

「あんた……右腕……。」

 

霊夢は俺の腕を目を見開いき、口を開いている。俺は、ダメージが大きすぎたらしく、痛みがなく、肩に痺れのようなものを感じる。

 

「……しぶといわね。でも、本当にこれで最後よ。」

 

「……ああ……これで決着だ。」

 

レミリアの手には槍、俺は体を炎に包む。

 

「神槍『スピア・ザ・グングニル』!!」

 

「炎爆符『ウルトラダイナマイト』!!」

 

レミリアは槍を投げ、俺はそのまま突進する。そして……

 

グサッ

 

俺の腹部に槍が刺さる。俺は槍を通り抜けさせるほど力が余ってなくて、全てを爆発に威力を注いでいた。俺は槍が腹部に刺さったとしても突進し続けた。

 

「何っ!?」

 

「これで……終わりだッ!!」

 

俺はレミリアに思いっきりぶつかり……大きな爆発を起こした。霊夢は爆風を防ぐために、結界を張った。爆発による煙が晴れると……レミリアは横たわっていて、俺は、普通なら爆発後、再生して、そのかわりに俺の体力を削るが、俺は、その再生さえも捨て、威力に注いだ。なので、右腕がなく、腹に大きな穴が空いたまま、立っていた。

 

「あんた……。」

 

「……俺達……の……勝利……だ……。」

 

俺はVサインを霊夢に送り、そのまま血を吐いてぶっ倒れて、気を失った。気を失う直前、霊夢と、目が覚めたらしい妹紅が俺に駆け寄っていた。

 

 

 

「………ぁ………」

 

俺は目を覚ました。前にも同じようなことがあったな。………あの時は、妹紅と戦った時か。今は……夜か。どれくらい寝ていたんだ?俺は右を見ると……、妹紅が座りながら寝ていた。

 

「妹紅……妹紅……。」

 

「んぁ………?」

 

妹紅は目を覚まし、欠伸をして体を伸ばす。そして、俺の方に目をやる。すると、目を覚ました俺をみた瞬間、俺に抱きついてきた。

 

「!!!???」

 

「心配……したんだからな……。」

 

妹紅はポロポロ涙を流して俺を抱きしめる。正直言って苦しい。するとそこに、鈴仙が扉を開けて入って来た。鈴仙も目を覚ました俺を見て、驚いた顔で俺のことを見てくる。そして……

 

「師匠ーーーー!!炎火が!!炎火が目を覚ましましたよ!!」

 

鈴仙を勢いよく扉を閉めて走って言った。そのすぐあと、鈴仙と、鈴仙が連れて来たであろう永琳先生が勢いよく扉を開けて部屋に入って来た。

 

「炎火!!大丈夫!?あなた三ヶ月寝たっきりだったのよ!?」

 

「………え?」

 

はぁぁぁぁぁぁ!!?日単位でもなく、週単位でもなく、三ヶ月!?俺は驚きで思いっきり体を起こすと、腹部に気を失いそうになるほどの激痛が走る。

 

「いってぇぇぇぇぇ!?」

 

「動いちゃダメよ!まだ腹に空いた穴が塞ぎきったわけじゃないんだから。」

 

俺はそれを聞き、ベッドに横になる。そして、右腕に目をやる。……流石に、永琳先生でも、腹に空いた穴を塞ぐことはできても、右腕を再生させるのは、無理だったみたいだ。

 

「ごめんなさいね。腕を治すことが出来なくて……。」

 

「いえ、大丈夫です。なんとかなると思いますから。」

 

「なんとかって……どうやって?」

 

俺は右腕があった場所に神経を集中させる。すると、炎が肩から伸びていき、腕の形になる。試しに手を閉じたり、開いたらしてみる。動きには問題ないみたいだ。しかし……俺は妹紅に頼んで飲み物を渡してもらう。しかし、俺はそれを受け取ることができなかった。

 

「ありゃ……無理か……。」

 

「なるほど……そうだわ。うどんげ、最近私が作った手袋持って来て。」

 

「はい。」

 

鈴仙は永琳先生にそう言われ、部屋を出て行く。数分後、鈴仙が黒い手袋を持ってくる。

 

「炎火、それをつけてみなさい。」

 

「?はい。」

 

俺は疑問に思い、黒い手袋を炎の右手にはめる。俺はそのままもう一度飲み物を持ってみる。すると、俺は持つことができ、そのままそれを飲む。

 

「それは私が作った特殊な手袋なんだけど……、どうかしら?」

 

「すごい……。ありがとうございます!!」

 

「それは良かったわ。あなたが無事でよかったわ。しっかり傷を治してね。」

 

そう言い、永琳先生と鈴仙は部屋を出ていく。その後、妹紅はもう一度俺に抱きつく。

 

「炎火……もう、危険な真似はしないでくれ……。」

 

妹紅に力が入る。俺は、右手を使い、妹紅を撫でる。

 

「………わかったよ。もう無茶はしない。だが、妹紅も、危険な真似はしないでくれよ。」

 

「……あぁ……。」

 

そして妹紅は、涙が目に溜まったまま、笑った。その笑顔はとても、眩しく、綺麗なものだと俺は思った。そして、俺は妹紅と別れを告げ、妹紅は部屋を出ていった。

 

 

 

一ヶ月後

 

「さて……頑張りますか!!」

俺の腹の穴は完全に塞がり、新しく服も新調してもらった。服は、俺が幻想郷に来た時に来ていた制服の見た目で、服には、防刃、防火、更に打撃を和らげてくれる効果のある服を永琳先生が作成してくれた。そして俺は休んでいた合計四ヶ月分を取り戻すべく、兎達の世話係の仕事が再開された。




紅霧異変終了!!次の話からもお楽しみに!!

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