He have gone to Gensokyo.   作:風峰 虹晴

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対フラン戦です。


part19 狂気

俺は暴走したフランのところに行く。そこでは、フランが狂ったように周囲の物を破壊していた。

 

「アハハハハ!!」

 

「確かに、会話でなんとかなる感じじゃないな。」

 

「あぁ。炎火、どうする?」

 

「戦うしかないだろ……!炎纏『ファイアエンハンス(対吸血鬼ver.』。」

 

俺は拳と脚に炎を纏う。中々の高熱だ。しかも、対吸血鬼用に太陽光の力を含ませている。俺は普通の人間よりかは圧倒的に身体能力は高いが……吸血鬼相手にはこれがないと流石にキツイ。

 

「アハハ!!遊ンデクレルノ!?玩具ミタイニスグニ壊レナイデネ!!キュッとして…………」

 

「あぁ!遊んでやるよ!!」

 

俺はそう言うと超高熱のレーザーを放つ。フランは『キュッとしてドカーン』の構えを解いて、横に移動してレーザーを回避する。その隙に、パチュリーが水属性の弾幕で攻撃する。そっか。確か吸血鬼って流水も弱点なんだっけ……。強いものには弱点は多いものなんだな。

 

「アハハハ!!禁弾『スターボウブレイク』!!」

 

「妹紅!!対処頼む!!」

 

「わかった!!不滅『フェニックスの尾』!!」

 

フランがスペルを発動し、それを妹紅がスペルで搔き消す。その掻き消されたところから、俺が炎の弾幕(対吸血鬼属性あり)を放ち、パチュリーが水の弾幕を放ってフランを追い詰めていく。

 

「ァアァアアア!!モウイイ!!壊レチャエ!!禁忌『フォーオブアカインド』!!禁忌『レーヴァテイン』!!」

 

「チッ!!めんどくさいことしやがって!!妹紅とパチュリーはキツイかもしんないけど一対一で戦ってくれ!!」

 

「炎火は!?」

 

「残りの2人をなんとかする!」

 

「!?無茶よ!!」

 

「やるしかないんだ!!炎人符『炎のドッペルゲンガー』!!」

 

俺は炎で自分そっくり……というより、もう1人の自分を作り出す。もちろん多少俺よりかは能力は劣るけど自立行動。けど、体力と霊力がかなり持っていかれる。今の状況だとこれしか対処方法がない。

 

「行くぞフラン!!」

 

俺はフランのレーヴァテインの攻撃を紙一重で躱す。もう一体の方は気にしてはいられない。俺は至近距離から炎の弾を放つ。流石に吸血鬼でも、無傷では済まないはずだ。俺の読みは当たり、ダメージも入り、ノックバックで後ろに少し下がる。

 

「グゥゥ……ウァァァァぁぁ!!」

 

再びフランは突進して斬りかかってくる。俺はその攻撃を炎の噴射で避けていく。さっきよりも速度が速く、鋭い。あれに当たったことを考えると…………いや、今は余計なことは考えないようにしないと!

 

「炎剣『聖なる青い炎の剣』!!」

 

俺も剣を創り、炎の噴射で速度を上げて剣を迎え撃つ。ガァァァァンっと高い音がする。……なんで炎と炎でそんな音がするかわかんないな。俺とフランは衝撃で後ろに下がる。本当に、吸血鬼って身体能力やばいな……。剣を持っている手がビリビリと痺れる。俺はそれをこらえ、ギュッと強く剣を握る。

 

「アハハハハ!!オ兄サン面白イネ!!モット私ヲ楽シマセテ!!」

 

「じゃあ、さっさと終わらせてやる!!」

 

体力と霊力もやばい。さっさと終わらせないと持たない。

 

「はぁぁぁぁぁ!!」

 

「グッ!?」

 

俺は全力で炎を噴射させ、超速で斬りかかる。そして、腕を噴射で速度を上げた斬撃をフランに浴びせる。これで一度でも当たれれば、分身なら消滅し、本体なら狂気を抑えれるはずだ。

 

「はぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

「!?」

 

俺は出せる最大の速度で斬る。その速度に流石のフランも間に合わず、俺の攻撃が当たる。しかし、分身だったようで、体が消滅する。

 

「はぁ…………はぁ…………も、もう1人は……?」

 

俺は自分の方の戦いを終え、俺の分身が戦っている方を見る。

 

「ちく……しょう……。」

 

「アハハハハハハ!!」

 

そこでは、俺の分身が消滅し、笑いながらこっちを見ているフランの姿があった。

 

「オ兄サン、強カッタケド惜シカッタネ!ジャア、バイバイ!!」

 

フランは俺に斬りかかる。俺は突然のことだったので、体が動かなかった。死ぬ。その考えが俺の頭を支配する。不思議にその光景がゆっくりに見えた。すると……。

 

「神槍『スピア・ザ・グングニル』!」

 

横から紅い槍がフラン目掛けて飛んで来るのがわかった。フランもそれを察知したらしく、咄嗟に後ろに飛び、槍がフランを掠る。向こうのほうで槍が壁に激突したらしく、ドゴーンッ!と音が聞こえる。……本は無事だといいな。すると、紅い槍を投げた張本人、レミリア・スカーレットが走って来る。

 

「炎火、大丈夫?」

 

レミリアは俺に手を差し伸べる。俺はその手を掴み、立ち上がる。残りの体力も霊力も本当にやばい。立っているのもやっとだ。

 

「炎火、私も協力するわ。今のあなたじゃ、フランには勝てない。」

 

「……あぁ、頼むぞ、レミリア。」

 

俺は再び剣を構え直し、レミリアも構える。この剣をあと何分持たせることができるか……。

 

「オ姉チャン!邪魔シナイデ!!」

 

「無理よ。あなたを元に戻すために私も戦うわ。」

 

レミリアという姉を目にし、フランに初めて怒りという感情が見える。確かフランって地下に幽閉されてたんだっけ……。表のフランは気にしてないみたいだけど……。狂気は幽閉されていたときに生み出されたもの。そりゃ幽閉した姉に怒りを感じるのかもな。俺にはわからんが。

 

「ブッ壊シテヤル!!」

 

「来るわよ、炎火!」

 

「わかってるよ!」

 

フランは怒りに身を任せ、力任せに剣を叩きつけて来る。俺とレミリアは横に飛び、その攻撃を回避する。剣が叩きつけられていた場所を見ると、大きなクレーターのように穴が空いている。あんなのが当たっていたら死ねる……。さて、妹紅達の方は……。

 

「その程度か?悪魔の妹は。」」

 

「ウルサイ!!」

 

妹紅……、めっちゃ余裕そうだな……。EXキャラとEXキャラの戦いとかものすごいな……。パチュリーの方は……。

 

「水&火符『フロギスティックレイン』!!」

 

パチュリーもなんとかなってる。なら、心配無用だ。俺は俺の戦いに集中しなきゃな……!

 

「アアアアアアアアア!!」

 

フランは力任せに剣を振り続けながら、弾幕を放つ。剣を一回振るたびに、かなりの風圧が発生する。しかし、俺とレミリアは冷静にそれを回避していく。……そろそろ決着を決めないとな。

 

「レミリア!弾幕を破壊してくれ!」

 

「わかったわ!……はぁ!!!」

 

レミリアは手に持った紅い槍を思いっきり投げる。それにより、弾幕が破壊され、フランまでの道ができる。

 

「これで終わらせる……!!炎剣波『聖なる清き炎』!!」

 

俺は手に持ったスペルの剣で、全部までギリギリの範囲の量の霊力で、たった一太刀。しかし強大な炎を放つ。

 

「負ケルカァァァァ!!」

 

「フランは返してもらうぞ!!」

 

そして、ついに炎はフランに命中する。無傷だが、狂気は消えたはず。フランは気絶し、分身も消えた。

 

(へへ、やった……ぜ……。)

 

流石に霊力を使いすぎた。俺の視界は暗転していき、体が倒れるのがわかった。そして、俺は意識を失った……。




投稿、中々長くなってすみませんでした。

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