He have gone to Gensokyo. 作:風峰 虹晴
「それではー!かんぱーい!!」
『かんぱーい!!』
現在、12月31日。ちなみに午後9時。紅魔館にて大晦日パーティ。大晦日ってパーティ系だっけ……?まあ、そこは気にしない。料理?流石に俺1人じゃもう無理なので咲夜に手伝ってもらった。咲夜さん、やはり作る速度とか料理の腕が本当に凄い。さっきまで何も手付けてなかったはずなのにいつの間にか完璧に切られてるの。初めて見たときはびっくりしたね。うん。
「妹紅!飲み過ぎるなよ!」
「うんわかった〜。」
あれは絶対に飲むタイプだな。覚悟しておこう……。さて、メンバーを紹介しよう。今回は霊夢はいない。大晦日と正月だけは忙しいらしい。まあ、あいつの唯一の収入が手に入る時期だから、俺は何も言わん。そして、魔理沙はいる。そして、紅魔館の全員。紅魔館のみんなに関しては全員いなかったら逆におかしいがな……。そして、チルノ、ルーミアに、永遠亭の面々。そして、萃香、幽香さん、紫さんだ。よくこんだけの面々が集まったもんだ……。特に大妖怪の面々。いきなりスキマから現れました。全員騒動もんです。
「炎火〜!飲んでるか〜?」
「俺はそもそもあんま飲まない!魔理沙も酒の飲みすぎには気をつけろよ〜。」
「はいはい、わかってるよ〜♪」
魔理沙はそう言って酒を飲む。うん。心配しかない。
「炎火く〜ん。」
「うおっ!?なんですか?紫さん。」
いきなりスキマが現れ、紫さんが顔だけ出して来る。ちなみに、紫さんからは『炎火くん』と言われている。まあ、変とは思ったが、今では慣れてる。
「こっちで飲まない?3人だと寂しくて〜。」
「えぇ……。……はぁ、しょうがないですね……。」
3人とは大妖怪3人。そんなところに入り込むのは正直嫌だ。特に幽香さん。あの人威圧感というかなんというか、そんな感じが本当にやばい。俺は紫さんに連れられてスキマの中に入る。すると、そこには紫さん、萃香、幽香さんの3人が飲んでる場面が目に入る。
「あら炎火。来たのね。紫が急にいなくなったのはそのせいね。」
「どうもです、幽香さん。」
俺は緊張していた。どうにも幽香さんには慣れない。いつもはいい人なんだけどね。花畑さえ荒らさなければ。けど、ちょっと血気盛ん過ぎやしないですかね?まあ、気にしたら負けだと思います。萃香に関しては……
「よう炎火ー!じゃんじゃん飲んじゃお〜!」
「そんなに飲まんよ俺は……。っていうかお前は飲みすぎじゃないか?」
「ニャハハ〜!大丈夫大丈夫〜!」
そういいながら、俺は萃香の酒の勧めを断り続ける。ちなみに勧めてくるお酒は鬼殺し。こんなの人間の俺が飲んだらマジで死にます。萃香との関わりは、博麗神社にいたところで話したら仲良くなりました。大妖怪で仲良い人ができるのは中々嬉しいです。っていうかいなかったら絡みにくいです。
「萃香。そのぐらいにしておきなさい。」
「ちぇ〜。炎火と飲みたかったな〜。」
「せめて鬼殺し以外の酒にしてくれ……。」
酒を勧めてくる萃香を、紫さんが止めてくれた。感謝。そして、俺は少しずつだが、酒を飲む。勿論、鬼殺しではなくアルコール度数の低い酒。こんなんじゃないと飲めない。
「さて、ちょっと他のグループのみんなと楽しんできます。」
「あら、寂しいわね。いいのよ?ここにいて。」
「いえ、ありがたいですが遠慮しておきます。」
「じゃあな〜炎火〜。」
俺はそうして別のグループに行く。俺が次行くグループは……。
「よう魔理沙。それにみんな。」
「よう炎火!楽しんでるかー?」
「そうだな。まあ、楽しんでるな。」
俺がきたグループは紅魔館組+α(魔理沙)のグループだ。まあ、このグループはさっきの大妖怪グループに比べたらまだ居心地はいい。
「あら炎火。今年はありがとね。フランのこと。」
「あぁ、別にいいよ、レミリア。」
「あ、炎火お兄ちゃん!」
「ようフラン。楽しんでるか?」
「うんっ!楽しんでるよ!」
「そりゃよかった。」
ふぅ、やっぱり落ち着くな、紅魔館のみんなは。
「ねえ炎火。」
「?なんだ?パチュリー。」
パチュリーは俺に近づいて来る。そして、一つの本を開き、俺に見せる。
「ここを見て。」
「えっと……なんて書いてるんだ?これ。」
パチュリーが見せてきた本には、意味不明な文字がひたすら書かれていた。多分、パチュリーには止めているんだろう。
「やっぱり、読めないのね。これは魔法に精通してる人にしか読めないの。」
「へえ、そうなんだ……。」
「これには、火龍を強化する方法が書かれているわ。」
「!?」
俺はそれを聞いて驚いた。火龍を強化。つまりはサラを強化することができるということだ。これはかなり嬉しい。最近、サラも俺たちに混じって戦闘訓練をしたりしている。サラにも『強くなりたい』という気持ちが芽生えているらしい。なので、サラにとっても、勿論俺にとっても嬉しい。……まあ、こんな宴会でする話ではないが。
「で、どうやったら強化できるんだ?」
「これには、火龍を使い魔としている前提で話すけど……大丈夫よね?」
「あぁ、一応……。」
「じゃあ続けるわね。この本には『札による力で10分、火龍は本来の姿で顕現する。』と書かれていたわ。」
「札……というと、スペルカードか?」
「多分そうよ。試しにやってみて。」
「わかった……サラ!!」
「キュオー!」
俺はそう言われたので、サラを呼んだ。すると、サラは俺の目の前で滞空せる。そして手にスペルカードを持ち、発動させる。初めて使うので、不安だが……。
スペルカード!火龍『本来顕現』!!」
そして、俺はスペルカードを発動すると、サラは炎に包まれた。みんなサラに注目していて、その光景をまじまじと見ている。そしてその数秒後、サラが姿を現す。大きな翼、たくましい後脚、鋭い目に大きな牙。そして赤い鱗。誰がどう見ても『火龍』という姿だ。大きさは……全長20mぐらいだろうか。かなり大きい。
「グオォォォォォォォ!!」
サラはいつものキュオーという鳴き声とは違い、龍らしい大きな咆哮をした。その咆哮により、風圧まで生まれる。
「サラ、よかったな!」
「グオォォォォ!」
サラは俺に近寄ってくる。俺はそんなサラの頭を撫でてあげる。サラはそれで嬉しそうにする。すると、遠くから重い鐘の音がする。つまり……
『新年!あけましておめでとうございまーす!!』
そう、ついに年を越したのだ。新しい年。そして、この新しい年を、この幻想郷で過ごす。この第2の人生、まだまだ頑張って過ごすぞ!!
「さて、みんなで博麗神社に行こうか!!初詣だー!」
『おー!!』
俺がそう言って、みんなが呼応する。すると、サラが動き出す。
「ん?サラ、どうした?」
「グオォォォォォ!!」
サラは俺に近寄り……俺の服を加え、後ろに投げた。
「うおぉぉぉぉぉ!?」
俺は宙を舞う。そして……サラの背中に跨っていた。
「おお!!これは!!」
サラに乗ってもいいということで、全員が乗り始める。幸い、サラもそれを受け入れていて、更にかな。大きいので、全員乗ることができた。俺はその1番前に座っていた。
「サラ!行くぞ!博麗神社に!!」
「グオォォォォォォォ!!」
サラは俺の掛け声に反応し、空を飛んで行った……。
数分後の博麗神社
「ありがとうございました!」
霊夢は博麗神社の巫女として働いていた。一応信仰はあるらしく、このように年末年始は忙しい。霊夢は頑張って働いていた。
「なんだ!?あれ!」
霊夢は神社で働いていると、1人の客が空を指差し声を上げる。霊夢はそれを不思議に思い、空を見る。その空に見えていたものは……
「あけましてー!?」
『おめでとうございまーす!!』
空から大きな赤い龍と見覚えのある人物。その龍とその背中に乗った人達が空からやってくる。そして、その龍は境内に着陸し、その背中に乗っていたみんなが降りて来る。
「よう霊夢。忙しそうだな。」
「ええええええ炎火!!なに!?この龍!!」
「見ての通り、サラだよ。」
すると、サラは炎に包まれる。そしてその数秒後、いつものサラに戻った。
「ほ、本当みたいね。で、何しに来たの?」
「勿論、初詣!」
「はぁ……お賽銭入れてってよ!」
「あぁ!勿論!」
そして俺らは初詣と称して、ほぼほぼ祭りと言ってもいいようなことになり、料理(俺が即興で作った)で、初詣は例年より盛り上がった……。
今年も!よろしくお願いします!!