He have gone to Gensokyo. 作:風峰 虹晴
「永琳先生、博麗神社に出かけてきますね。」
「わかったわ。気をつけなさいね。」
俺は永遠亭での仕事を大体終え、特にやることもなくなったので、博麗神社で暇を潰そうとした。サラも特に面白いこともなく、欠伸をしている。俺は妹紅も誘い、俺と妹紅、そしてサラが珍しく自分で飛び、博麗神社に向かった。
ギィィィィィィン!!
「うぅぅぅぅぅぅ!?」
「うるさぁぁぁぁぁぁい!?」
「キュオーー!!」
俺は博麗神社に向かう途中、突然大きな金属音のような、しかしそれとは違う音が聞こえ、全員耳を塞ぐ。
「妹紅、サラ、大丈夫か?」
「だ、大丈夫……。」
「キュオ〜……。」
サラはゆっくりと飛んで、俺の頭の上に乗る。全く……また首が痛くなる……。まあ、いつものことだから気にしないが……。俺達は謎の音が気になり、音が聞こえた方に飛んでいく。そこには、フラン……だけど、フランとは何かが違う……。それともう1人。吸血鬼のような羽が生えていて、フランと手を繋いでいる。
「グオォォォォ……。ソイツ……食ウ……。」
「チッ……吸血鬼の力に引き寄せられて来た低級妖怪かな……。妹紅、何もしなくていいぞ。その2人守っていてくれ。」
「わかった。さっさと終わらせてね。」
「わかった。サラ、やるぞ。」
「キュオー!」
俺は爆風による加速で妖怪を翻弄する。それに合わせ、俺とサラは混乱効果を持つ弾幕を放つ。流石に殺しはしない。ちょっと気絶しといてもらうだけだ。
「さて、終わらせるか。炎脚『レオキック』!」
俺は飛び上がり、足に炎を纏って飛び蹴りを当てた。妖怪は吹き飛び、気絶したようだ。さて、運ぶか……。
「妹紅。とりあえず、永遠亭に運ぶぞ。」
「わかった、炎火。」
俺と妹紅は、協力して永遠亭まで運んだ。途中からめんどくさいなったので、スペルでサラを本来の姿にして運んだが……。
「ん……ここは……?」
「あ、目が覚めた。炎火ー!男の人の方、目が覚めたよー!!」
「お、サンキューてゐ、お前もたまには役に立つじゃないか。」
「たまには余計。じゃあ、私は仕事に戻るよ。」
「わかった。サボるんじゃねえぞ。サボったらまた炎牢獄の刑な。」
「わ、わかったから……。」
てゐは逃げるように仕事に戻っていった。……ったく、本当にあのイタズラ兎は……。サボってるの見つけたら報告するように他の兎に伝えておこう……。
「えっと……あなたは誰ですか?」
「俺は焔 炎火。永遠亭で働かせてもらってるものだ。」
「え、永遠亭?」
その男は首を傾げ、俺のことを見ていた。うーん……人里でも永遠亭は有名だとは思うんだけどな……。まあ、いいや。この人から色々聞かないと……。
「えっと……あなたの名前はなんですか?」
「吸血鬼のエスカルゴ・スカーレットだ。……そうだ。フランはどこだ!?」
「フランなら向こうの部屋で寝ている。……ったく、何なんだこの状況。」
「?どういうことだ。」
俺はフランに違和感を覚え、てゐに2人のことを見張っていてもらい、紅魔館に行った。そしてらやっぱりおかしいと思った通り、紅魔館にはちゃんとフランがいた。永遠亭でてゐが見ているはずなのに。
「推測ですが……あなたの言ってるフランと、俺の知ってるフランは違います。」
「?そうなのか……。あと、なんで敬語なの?」
「仕事だからです。」
「じゃあ、敬語じゃなくていいよ。堅苦しいの嫌いだし。」
「じゃあ、遠慮なくさせて貰うよ。俺も堅苦しいの嫌いだしな。」
この患者さん……じゃなくて、エスカルゴが堅苦しいのが嫌いらしいので、堅苦しいのはなしですることにした。さてと……問題点は沢山あるんだが……さっさと博麗神社に行かなきゃ……。霊夢、怒ってるかな……。……やめよう。想像すると良くないことしか考えれない。
「じゃあ、炎火。フランが違うってどういうことだ?」
「その前に……紫さーん!いるんでしょー!?」
「はいはい、何の御用……って、要件なんてわかりきってるんだけどね〜。」
「うわっ!」
俺が紫さんのことを呼ぶと、紫さんは後ろからスキマで出て来た。スキマでの登場はビビっちゃったみたいだけど……。
「紫さん、これはどういうことなの?」
「それが、私にもよくわかってないのよ……。」
「え?それってどういうことですか?」
「わかってることは、あなた達2人が、この幻想郷の住民ではなく、他の幻想郷の住民ってことね。」
『………………はい?』
「だから、この2人の吸血鬼はこの幻想郷じゃなくて他の幻想郷の住民ってこと。」
『はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?』
「それで、何か思い当たることとかない?2人とも。」
つまり?別の幻想郷から来た?でも、別の幻想郷とかあるの?何か思い当たること……あ。
「紫さん、俺と妹紅がこの2人を見つける前、かなりの音量の金属音みたいのに会ったんだけど、何か知らない?」
「あ、俺もその金属音みたいなのに会いました。フランとレミリアと散歩してたら、その音が鳴って、そしたら目の前に歪みみたいなのが現れて、俺とフランがそれに巻き込まれて、意識を失って、気がついたらここにいました。」
「!そう……辻褄があったわね。」
「?どういうこと?」
あの金属音に秘密があったってことか?いや……音じゃないか。音の発生源に問題があったってことかな……?
「その金属音みたいなのは、多分時空とか空間の歪み。発生時に大きな金属音のような音が鳴るの。多分……数百年に一回の回数で起こるかしら?」
「前例あるんかい。」
つまりは、空間の歪みにエスカルゴとフランが巻き込まれて、意識を失ってこっちの幻想郷に来たってわけか……。めんどくさいなぁ……。それに、そうだったとしたら、もう一つ問題が起こる。
「俺達2人はどうなるんですか?」
エスカルゴは紫さんにそう聞いた。そう。エスカルゴ達だって向こうの生活があるだろうし、ここに長くいるわけにもいかない。紫さんの能力ならなんとかなると思うんだが……。
「正直、すぐには帰れないわね……。少なくとも1ヶ月は必要だわ……。」
「一ヶ月か……。長いですね……。」
「仕方ないわ。色々と準備があるのよ……。」
「あっ!!霊夢と約束してたんだった……ヤバい……。てゐ!」
「はいはい……で、何?」
「フランの面倒見といて。俺神社行かないと殺される……。」
「じゃあ、後で何かくれ。」
「はいはい。」
「俺も見てるよ。心配だからな……。」
俺は紫さん達にそう伝え、永遠亭を出ようとした。しかし……。
「じゃあ、いってきまsあだっ!?いてて……って、霊夢!?」
「炎火、ちょっと手伝ってもらえる?」
「ん?」
何だか……まためんどくさいことが起こりそうだ……。
次回も頑張ってコラボ編、書いていこうと思います!!