He have gone to Gensokyo. 作:風峰 虹晴
「さて、あれが妖怪の山だ。」
「やっぱり結構でかい山だな。」
俺達は山の近くに着陸する。さて、ここから登山だ。まあ、一気に駆け上がると思うけどな。すると、下っ端である哨戒天狗が大量に現れる。
「お前達!妖怪の山に何の用だ!」
「人間と吸血鬼が何の用だ!」
「私達はここの頂上の神社に用があるの。別に天狗に用があるわけじゃないわ。はっきり言って邪魔。」
「おい。」
「なっ!なんだとー!?」
おい霊夢。お前は怠惰巫女の称号だけじゃなく挑発巫女にまでなるつもりか。霊夢のその発言は、哨戒天狗を怒らせたらしく、襲いかかってくる。
「この挑発怠惰巫女がぁぁぁ!!」
次々と天狗達が集まってくる。結局、こうなるのか。まあ、大体は予想していたが。俺達はそれぞれ自分の能力等を使い、天狗達を倒しながら走り抜ける。なるべく被害は最小限にしたい……。すると、天狗とは違う、2人の少女が現れる。片方は秋の紅葉を象った服を着ていて、金髪。紅葉の神、秋 静葉。もう片方は、稲のデザインが描かれている服に、赤い帽子にブドウの飾り。豊穣の神、秋 穣子だ。
「何よあんた達。通してくれる?」
「妖怪の山で暴れられると困るのよ。折角の紅葉なのに……。」
妖怪の山は紅葉で溢れかえっていた。あまり意識はしてなかったけど、結構綺麗だな……。
「だから、これ以上暴れないでもらえる?」
「それは無理ね。こっちは自己防衛なんだから。」
「じゃあ、力尽くでも帰ってもらうわ!」
秋姉妹は連携して弾幕を放つ。俺達はそれぞれが自由に弾幕を回避していく。
「妹紅!一緒にやるぞ!3人は先に行っててくれ!」
「あっ!待ちなさい!」
「お前達の相手は俺達だ!行くぞ!妹紅!」
「うん!わかった!」
俺と妹紅は連携して弾幕を放っていく。秋姉妹も弾幕を放つが、力量が違うようで、こっちがどんどん追い詰めていく。けど、流石秋の神様。この程度じゃ終わらない。
「スペルカード!!葉符『狂いの落葉』!!」
「スペルカード!!秋符『秋の空と乙女の心』!!」
秋姉妹はスペルカードを使って攻撃してくる。しかし、俺と妹紅はそれをしっかり見極めて、回避していく。二重の弾幕はキツいが……なんとかなる!
「妹紅!終わらせるぞ!」
「うん!わかった!」
『火龍&不死鳥『吹き荒れる炎の嵐』!!』
俺と妹紅は息を合わせ、2人でスペルカードを発動する。スペルカードの弾幕は向こうの弾幕をかき消していく。そして、秋姉妹に命中する。
「キャアアアアアアア!?」
秋姉妹は俺と妹紅の弾幕に命中し、気絶する。さて、割と早く片付けたな。これなら、なんとか追いつけるかもな。俺と妹紅は再び山を駆け上がり始める。もちろん、天狗達がいるので、天狗達を倒しながら進んでいく。
数分後
「おっ、エスカルゴ達だ。おーい!」
「よう炎火。あっちは終わったのか?」
「おう、そっちはこんなところで何してるんだ?」
「ちょっと厄神に出会っただけだ。」
そこには、黒と赤の服に緑色の髪。赤いリボンをつけた少女、厄神、鍵山 雛が横たわっていた。多分、エスカルゴに気絶させられたんだろう。まあ、そうそうエスカルゴ達が倒されるとは思わないがな。
「そうだ、霊夢は?もう先に行ったのか?」
「おう。霊夢は先に行ったぞ。『ここで戦うのはめんどくさい。』とか言ってたな……。」
「言ってたね。いつもあんなんなの?」
俺は頭を抱えた。あのマイペース巫女ぉ……!……はぁ、さっさと追いかけないとな。……あ、そうだ。大図書館で見つけたあれを試してみよう。
「ちょっとやりたいことがあるから、少し離れてくれ。」
俺がみんなにそう言うと、みんなは少し後ろに下がってくれた。俺は片手を地面に起き、炎で魔法陣を作る。サラの時に比べて、小規模なものだが……。
「出てきてくれ……炎の妖精……。」
俺がそう言うと、辺りは小さな光に包まれる。その光が消えると、魔法陣は消えていて、魔法陣があった場所には、小さな赤い妖精が横たわっていた。
「炎火、これは?」
「炎の妖精だ。今の状態だとずっと昏睡状態だけど、契約を交わせば、起きるはず……。」
俺は右手で妖精に触れ、炎を妖精に纏わせた。すると、妖精は炎を取り込み、目を覚ます。
「ふわぁ〜……。ここはどこれすか?」
「俺のことがわかるか?」
「マスター……ですよね?」
「ま、マスター?」
ま、マスターって……見た目は小さな可愛い女の子。そんな妖精にマスターって言われるのは……。後ろで妹紅が笑いをこらえてるのがわかる。なんか……まあ、いいや。気にしないでおこう。
「君の名前は?」
「スカーレットです!これからよろしくお願いします!マスター!」
「よろしく……あと、俺のことは炎火って呼んでくれ。マスターだと堅苦しいから嫌いだ。」
「わかりました!」
何だか、無邪気で真っ直ぐな妖精だな。無邪気なのは妖精共通?まあ、俺の知ってる妖精はみんな子供の見た目をしてるから、内面も無邪気な子供なのかな……。
「じゃあ、早速お願いなんだけど。この先にいる赤と白の服の人の方向とかわかる?」
「ちょっと待っててください……聞いてみますね!」
スカーレットは目を閉じ、耳を澄ましている。聞く……?一体誰に聞くのだろう……。まあ、任せてればいいだろ。
「あっちです!着いてきてください!」
「よし!行こうかみんな!」
俺達はスカーレットに導かれて道を進んでいく。霊夢が通ったって一発でわかる。本当に、ここを通ったんだな。天狗が倒れまくってる……。お陰で、天狗達に襲われない。俺達は進んでいると、天狗ではなく、水色の服と髪、そして緑の帽子にバックを背負っている。河童のエンジニア、河城 にとりだろう。とりあえず、横に移動させておこう。
「スカーレット、あとどれくらいだ?」
「えっと……あっちで誰かと戦ってるって言ってます!」
「じゃあ、さっさと行くか。」
俺達は再び足を進める。戦ってる……か。まあ、霊夢なら大丈夫だろう。
「もうすぐで着きます!」
スカーレットの速度が速くなる。さてと、あの怠惰巫女はどうしてるかな……。
「霊符『夢想封印』!!」
「うわぁぁぁぁぁ!?」
……決着ついたみたいだな。まあ、怠惰といっても博麗の巫女だ。負けるとは思ってなかったよ。
「よう霊夢。お疲れ様。」
「あんた達、追いついたのね。そこまで遅かったかしら……。」
「まあ、そっちは2回ぐらい中々の戦闘をしたらしいし、こっちはお前との合流最優先で怠惰巫女さんの方角に一直線で突き進んだからな。」
「誰が怠惰巫女よ!!」
霊夢は俺に殴りかかってくる。俺はそれを間一髪で躱す。こいつのパンチは女とは思えないほど重いからな。食らいたくない。霊夢が戦っていたのは、哨戒天狗の服装だが、頭に犬の耳が生えている。白狼天狗の犬走 椛だ。
「炎火、そろそろ移動しようぜ。また天狗が集まってくる。」
「そうだよー!弱い天狗と戦うのは飽きたー!」
「スカーレット、山の上の神社までどれくらい?」
「えっと……あともうちょっと山を登ったら……です……。」
「どうした?スカーレット。」
スカーレットは空中でフラフラしていて、目が半分閉じている。
「ふわぁぁぁ……炎火……眠いですぅ……。」
「サラの上にでも乗るか?」
「うーん……あっ!」
スカーレットは俺のところまで飛んできて、胸のポケットの中に入った。どうやら、ここが気に入ったようだ。
「炎火……私は寝させていただきます……。おやすみなさーい……。」
スカーレットは頭を引っ込め、寝てしまった。まだ目覚めたばかりだったし、眠かったんだろうな。つまりはあれか、頭の上はサラで、胸ポケットはスカーレットの居場所になったわけか。
「じゃあ、あともう少し、目的地までさっさと行くぞ!」
『はーい!』
そして、俺達はあともう少しの目的地を目指し、足を再び前に繰り出した。
まだまだコラボは続きますよ〜!!