He have gone to Gensokyo. 作:風峰 虹晴
エスカルゴ達がここに来てから1週間。エスカルゴ達は着々と仕事を覚えていった。中々筋がいい。色々と用事も頼むようになったし、人里でも評判が良いようだ。そして、朝。
「ふわぁ……。」
俺は目を覚まし、いつもの通り妹紅を起こして顔を洗い、エスカルゴ達を起こして兎達を起こして朝ご飯作り……。初めてこの量を料理した時は真面目にビビったなぁ……。そして、朝ご飯を作り終え、兎達に取りに来させ、朝ご飯を配り、朝ご飯を食べた。ここまではいつも通り。しかし、ここから違う。
「雷武器『雷銃』!からの……雷銃操法『スパークショット』!」
「スペル二連!?けど、その程度じゃ当たらないぜ!雷の方向調整できるようにした方がいいと思うぞ!」
「ふ、2人ともレベルが高いって!私避けるので精一杯!」
『鈴仙頑張って!』
「声を揃えて言わないで!」
「鈴仙だらしないよー!」
「炎火頑張って〜!」
いつもは俺、妹紅、鈴仙の3人でやってる庭での修行。しかし、今回はエスカルゴ、フランを加えてやっている。流石吸血鬼。身体能力が高く、手強い。だけど……。
「スペルカード発動!炎符『ファイアフィールド』!!」
俺はスペルカードを発動し、炎のフィールドを展開する。地面はランダムで炎が噴き出すようになっていて、俺の炎の威力が上がる。つまり、俺にとって有利な空間を作り出す。
「スペルカード!炎符『ファイアーマシンガン(全方位Ver.)』!!」
俺はスペルの弾幕を全方位に発射する。炎のフィールドの効果を威力ではなく数に回した。なので、弾幕の密度は濃く、しかもランダムに噴き出す炎と炎の弾をばら撒きまくる。
「きゃー!」
まず、鈴仙が被弾する。俺はそれに気にせず弾をばら撒き続ける。
「うわぁっ!?」
エスカルゴは弾ではなく炎のフィールドによる炎の噴き出しによって攻撃を喰らったようだ。俺は弾幕を撃つのをやめる。俺はあえて妹紅とフランに弾幕を当てないよう、注意して撃っていた。自分の彼女と他人の彼女に手をあげるなんて外道のやることだ。え?鈴仙?いつもやってるからOK。
「炎火お疲れ〜♪」
妹紅は俺に飛びついてくる。俺はそれをしっかり受け止める。妹紅、可愛い。異論は認めない。認めたくない。
「エスカルゴ、大丈夫?」
「大丈夫大丈夫、そこまで痛くないから……。」
「大丈夫か?エスカルゴ。まあ、弾の数に炎を回してたから威力ないのは当然か……。」
俺達が修行の後の雑談を繰り返していると、空から何かが高速で落ちてくる。それは俺達の前に落ちると、強めの風が俺達を襲う。……大体誰が来たのかわかった。あんな速度で飛んでくるのは1人しか知らない。
「何のようだ文……っていっても、お前の要件はいつも一つだったな。」
「こんにちは炎火さん。それと彼女さんと鈴仙さんに……エスカルゴさんとフランさん!」
「で、何の用だ?」
「それは勿論……。」
文はいつも使ってるペンと手帳を取り出す。この時点で俺の予想は確信に変わる。
「取材させて頂けませんか?」
『断る。』
「ワーミナサンナカガイイデスネー。」
文が取材の願いを出し、全員、息を揃えてそれを拒否する。当然だ。
「そんなこと言わずに、ね?妖怪の山では色々やってくれたみたいですね〜♪」
『うっ……。』
「ね?お願いします!」
俺達は痛いところを突かれ、仕方がなく取材を受けることにした。あの怠惰巫女のせいでなんで俺達まで……。あいつは絶対に許さない……!
十数分後
「ありがとうございましたー!」
ようやく取材が終わった……。中々長い取材だった……。けど、俺と妹紅よりエスカルゴとフランの方が大変そうだった。特にフラン。同じ人物が2人もいることは異常だから、当たり前っちゃ当たり前なんだが……。チラッとフランの方を見てみる。フランはとても機嫌が悪くなったらしく、エスカルゴがそれをなだめてる。さて、仕事に戻らないと……。
「2人とも!仕事に戻るぞ〜!」
『は〜い!』
その日は、これ以外には大きな出来事はなかった。
1週間後
エスカルゴ達がここにきてから2週間。全員エスカルゴとフランとも仲が良くなったようだ。俺も2人を信用して仕事を頼む。1番信用ならんのはてゐ。エスカルゴも手を焼いているようだ。まあ、また一回脅せばいいか……。
「炎火ー!!」
「ん?」
俺は庭の掃除をしていると、上から2つの人影が見えた。それは俺の前に着陸した。着陸した二つの影は……2人の巫女だった。
「で?何だ?怠惰巫女と……あぁ、妖怪の山の神社の巫女さんか。」
「炎火……またちょっと手伝って欲しいことが……。」
この巫女……。またなんか面倒ごとを持ち込んだんじゃないだろうな……。俺はもうあんな疲れることはしないぞ……。
「ちょっと地底まで付いてきて!」
……どうやら、あの時より面倒臭い事に巻き込まれそうだ。
金曜に更新しまーす!!